衛生管理の知識

衛生管理者の資格と選任

衛生管理者は職場の健康や衛生に関する業務を担当します。少なくとも週1回、職場を巡視し、職場環境に問題がある時は、直ちに労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じる役割を担います。
衛生管理者になるためには衛生管理者免許の資格を取得する必要があります。安全管理者免許とは異なり、実務経験を経て、試験に合格する必要があります。

受験資格

衛生管理者免許の受験資格は学歴に応じた実務経験が必要です。
  • 大学(短期大学を含む)又は高等専門学校を卒業し、1年以上労働衛生の実務に従事した者
  • 高等学校又は中等教育学校を卒業し、3年以上労働衛生の実務に従事した者
  • 10年以上労働衛生の実務に従事した者

衛生管理者免許を受験するために必要な実務経験の例

多くの企業から実務経験についての質問をいただいています。衛生委員会への参加、QCサークル活動への参加、人事労務担当での健康診断に関係する業務、防災活動などが該当します。
ハードルは非常に低く、この中では衛生委員会への参加をお勧めします。当社が業務を請け負う衛生委員会では、産業医が色々なテーマについて講話をします。この内容は衛生管理者免許の試験範囲と重なっており、衛生委員会への参加を通じて受験対策ができます。

衛生管理者免許は2種類

衛生管理者免許は第一種衛生管理者免許と第二種衛生管理者免許があります。

第二種衛生管理者免許の試験範囲は、第一種衛生管理者免許より狭いため、若干取得が容易です。事務系の業種では第二種衛生管理者免許で衛生管理者として働くことができるため、第二種衛生管理者免許を取得される方が多いようです。可能であれば衛生管理者として幅広い知識を得られるため、第一種衛生管理者試験を受けて下さい。

衛生管理者を選任すべき事業場と業種

全業種で、労働者が50名以上の場合は衛生管理者を選任し、労働基準監督署へ届け出る必要があります。50名以上の場合は産業医の選任義務もあります。
参照:衛生委員会と選任の早見表

第一種衛生管理者免許が必要な業種

以下の業種では衛生管理者になるために第一種衛生管理者免許が必要です。第二種衛生管理者免許を持つ者を衛生管理者として選任することはできません。
  • 林畜水産業
  • 鉱業
  • 建設業
  • 製造業(物の加工業を含む)
  • 電気業
  • ガス業
  • 水道業
  • 熱供給業
  • 運送業
  • 自動車整備業
  • 機械修理業
  • 医療業及び清掃業

労働衛生コンサルタントを衛生管理者して選任することができます

労働衛生コンサルタントも衛生管理者として選任することができます。労働衛生コンサルタントを取得することは非常に難しく、人数が少ないため、実際に労働衛生コンサルタントを衛生管理者として選任している企業は少ないです。
201名以上が働く事業場では衛生管理者を2名以上選任する必要があります。そのうちの1名は嘱託の労働衛生コンサルタントを衛生管理者として選任することができます。衛生管理者が不足する事業場では嘱託の労働衛生コンサルタントのご活用をご検討下さい。当社の労働衛生コンサルタントは衛生管理者業務も請け負っています。

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