産業医を選ぶ際に大切なこと
産業医を選ぶ際に一番大切なことは、コミュニケーション能力を備えた人を選ぶことです。
次に大切なことは産業医としての実務経験や知識です。
コミュニケーション能力は産業医を採用(選任)する際に、実際に会って話をすれば評価をすることができます。では、産業医としての能力は何を目安にしたらいいのでしょうか?
実務経験や知識の目安
産業医の多くは「日本医師会認定産業医」の資格を取得し、産業医を名乗っています。
厚生労働省が認定する国家資格である「労働衛生コンサルタント」を取得した医師も産業医を名乗ることができます。
参照:産業医
実務経験や知識の豊富さは、労働衛生コンサルタントの資格を取得しているかが目安になります。また、産業医科大学という産業医を要請する医科大学の出身者や、多種多様な業種での産業医経験がある産業医も産業医として能力がある可能性が高いと考えられます。
産業医として同一企業で長期間の勤務があることだけで産業医としての能力が高いと断定できません。その企業で健康や衛生に関する業務が少ない場合があるからです。色んな業種で、多様な問題に対処をすることで産業医としての能力が向上します。
産業医を名乗るための資格の種類
産業医になるために、いろいろな資格があります。
日本医師会認定産業医
多くの産業医は日本医師会認定産業医です。 これは所定の50時間の講習に参加し、日本医師会へ申請を行えば取得することができます。
試験は無く、産業医業務の実務経験、産業医業務の知識の有無は問われません。
本資格を取得しても、産業医として働いたことが無い医師が多いようです。
従って、日本医師会認定産業医の産業医について、この資格だけでは産業医としての能力があるかどうかは判断できません。
労働衛生コンサルタントの産業医
労働衛生コンサルタントは、厚生労働省が認定する国家資格で、医師がこの資格を取得すると産業医として名乗ることができます。日本医師会認定産業医と比較して人数が非常に少ないです。 労働安全衛生法には、労働衛生コンサルタントについて「労働衛生コンサルタントの名称を用いて、事業者等と契約し報酬を得て、労働者の衛生の水準の向上を図るため、事業場の衛生についての診断及びこれに基づく指導を行なう」と書かれています。労働衛生コンサルタントは事業場の衛生などの問題に対してコンサルティングをする業務を担います。
医師以外も取得することができるため、医師が取得した場合のみ産業医を名乗れますが、医師以外が取得した場合は産業医として働くことはできません。
労働衛生コンサルタントになるために、筆記試験(免除の場合もある)と面接試験に合格する必要があります。
実務経験や、幅広い知識を備えていないと合格することが困難と言われており、合格率は非常に低いため、日本医師会認定産業医と比べて実務経験や知識を備えている可能性が高いと言えます。
産業医科大学出身など
産業医科大学は産業医を養成するための医科大学です。授業や実習で産業医業務について学びます。卒業生すると産業医を名乗れ、卒業生の一部は企業の専属産業医として働きます。
大学の公衆衛生講座の教員も産業医を名乗ることができます。
産業医科大学出身者や公衆衛生の教員も産業医の能力が高いようです。
どのような産業医を選べば良い?
労働衛生コンサルタントの資格を持った産業医や、産業医医科大学出身者などをおすすめします。
さらにメンタルヘルスに関する専門医(精神科専門医など)を取得している産業であれば、事業場内でメンタルヘルスの問題が生じた際に円滑に対応を行うことができます。
当社では労働衛生コンサルタント、産業医科大学出身者などが産業医業務を行っています。