事務所衛生基準規則(事務所則)
全ての事業場では労働安全衛生規則に従って職場環境の管理を行う必要があります。
一般的なオフィスでは、労働安全衛生規則に加えて、事務所衛生基準規則(事務所則)に従って、酸素、二酸化炭素、温度、湿度などを適切に管理することが義務づけられています。
労働安全衛生規則と事務所則の比較はこちらをご覧下さい。
一般的なオフィスでは、労働安全衛生規則に加えて、事務所衛生基準規則(事務所則)に従って、酸素、二酸化炭素、温度、湿度などを適切に管理することが義務づけられています。
労働安全衛生規則と事務所則の比較はこちらをご覧下さい。
なぜ酸素や温度が決められているのか?
換気をしないと酸素が減り、健康に悪影響をおよぼします。
人は呼吸をします。呼吸により酸素を消費し、二酸化炭素が発生します。職場にガスコンロや給湯器があると、燃焼により酸素を消費し、一酸化炭素と二酸化炭素が発生します。
窓を開けたり、換気扇を使い、酸素を増やし、一酸化炭素と二酸化炭素を減らす必要があります。
温度が高すぎたり低すぎても同様に健康にとって悪影響です。
快適に仕事を行う上では温度と湿度の管理が大切です。温度が低すぎると手が思うように動きませんし、温度が高すぎると身体の活動性が低下します。湿度が低すぎるとインフルエンザなどが職場で蔓延する可能性が高まり、湿度が高すぎると大量に汗をかきます。
適宜エアコンや加湿器で快適な空気を作る必要があります。
- 一酸化炭素(CO)・・・50ppm以下(義務)
- 二酸化炭素(CO2)・・・0.5%以下(義務)
- 空気調和設備等(エアコンなど)を用いた場合の室温・・・17℃以上28℃以下
- 空気調和設備等を用いた場合の部屋の湿度・・・40%以上70%以下
事務所則の内容
一般的な事務所では労働安全衛生規則と事務所則に従って職場環境の管理を行う必要があります。工場や小売店は事務所ではないため、労働安全衛生規則に従います。労働安全衛生規則と事務所則の比較はこちらをご覧下さい。
項目 | 定められている内容 | その他注意事項 |
気積 | 10立方メートル/人以上(義務) | |
窓やその他の開口部 | 常時床面積の1/20以上(義務) | 換気が十分に行なわれる性能を有する設備を設けたときは、この限りでない |
一酸化炭素(CO) | 50ppm以下(義務) | |
二酸化炭素(CO2) | 0.5%以下(義務) | |
温度 | 10℃以下で暖房など(義務) 冷房時は外気温より著しく低くしない(義務) |
|
空気調和設備等の遊離粉じん | 0.15mg/立方メートル以下(義務) | |
空気調和設備等の一酸化炭素 | 10ppm以下(義務) | |
空気調和設備等の二酸化炭素 | 0.1%以下(義務) | |
空気調和設備等のホルムアルデヒド | 0.1mg/立方メートル以下(義務) | |
空気調和設備等の気流 | 労働者に直接、継続して及ばないようにし、0.5m/s以下(義務) | |
空気調和設備等の室温 | 17℃以上28℃以下 | |
空気調和設備等の湿度 | 40%以上70%以下 | |
燃焼器具(ガス給湯器や石油ストーブなど)の設備 | 排気筒、換気扇その他の換気設備を設ける(義務) | |
燃焼器具の点検 | 使用するときは、毎日、当該器具の異常の有無を点検(義務) | |
機械による換気のための設備の点検 | はじめて使用するとき、分解して改造又は修理を行なったとき及び二月以内ごとに一回、異常の有無を点検し、その結果を三年間保存(義務) | |
冷却塔及び加湿装置に供給する水 | 水道法に基づいて管理。使用開始時及び使用を開始した後、一月以内ごとに一回、その汚れの状況を点検し、必要に応じ、その清掃及び換水等を行う(義務) | 一月を超える期間使用しない冷却塔に係る当該使用しない期間においては、この限りではない |
加湿装置(加湿器) | 使用開始時及び使用を開始した後、一月以内ごとに一回、定期に、 その汚れの状況を点検し、必要に応じ、その清掃等を行う(義務) | 一月を超える期間使用しない加湿装置に係る当該使用しない期間においては、この限りではない |
空気調和設備内に設けられた排水受け | 使用開始時及び使用を開始した後、一月以内ごとに一回、定期に、その汚れ及び閉塞の状況を点検し、必要に応じ、その清掃等を行う(義務) | 一月を超える期間使用しない排水受けに係る当該使用しない期間においては、この限りではない |
冷却塔、冷却水の水管及び加湿装置の清掃 | それぞれ一年以内ごとに一回、定期に、行う(義務) | |
照度 | 精密な作業 300ルクス以上 普通の作業 150ルクス以上 粗な作業 70ルクス以上(義務) |
|
採光及び照明 | 明暗の対照が著しくなく、かつ、まぶしさを生じさせない方法(義務) | |
照明設備の点検 | 六月以内ごとに一回(義務) | |
騒音及び振動 | 隔壁を設ける等その伝ぱを防止するため必要な措置を講ずる(義務) | |
カード穿孔機、タイプライター等の事務用機器を5台以上集中して作業 | しや音及び吸音の機能をもつ天井及 び壁で区画された専用の作業室を設ける(義務) | コピー機、プリンター、シュレッダーなどが該当 |
給水 | 飲用に供する水その他の飲料を十分に供給する(義務) | |
排水 | 補修及びそうじを行なう(義務) | |
大掃除 | 六月以内ごとに一回、定期に、統一的に行う(義務) | |
ねずみ、昆虫等による被害 | 六月以内ごとに一回、定期に、統一的に調査を実施し、発生を防止するため必要な措置を行う(義務) | |
労働者の清潔保持 | 労働者は、事務所の清潔に注意し、廃棄物を定められた場所以外の場所にすてない(義務) | |
便所 | 男性用と女性用に区別。 男性用大便所の数は男性労働者六十人以内ごとに一個以上。 男性用小便所の数は男性労働者三十人以内ごとに一個以上。 女性用便所の数は女性労働者二十人以内ごとに一個以上。 便池は汚物が土中に浸透しない構造。 流出する清浄な水を十分に供給する手洗い設備を設ける。 便所を清潔に保ち、汚物を適当に処理。(義務) |
|
洗面設備 | 被服を汚染し、若しくは湿潤し、又は汚染し、若しくは湿潤するおそれのある労働者のために、更衣設備又は被服の乾燥設備を設ける(義務) | |
休憩の設備 | 労働者が有効に利用することができる休憩の設備を設ける | |
睡眠又は仮眠の設備 | 夜間、労働者に睡眠を与える必要のあるとき、又は労働者が就業の途中に仮眠することのできる機会のあるときは、適当な睡眠又は仮眠の場所を、男性用と女性用に区別して設る。 寝具、かやその他の必要な用品を備え、かつ、疾病感染を予防する措置を講じる(義務) |
|
休養室 | 常時五十人以上又は常時女性三十人以上の労働者を使用するときは、労働者がが床することのできる休養室又は休養所を、男性用と女性用に区別して設ける(義務) | |
立業のためのいす | 持続的立業に従事する労働者が就業中しばしば座ることのできる機会のあるときは、いすを備える(義務) | |
救急用具 | 負傷者の手当てに必要な救急用具及び材料を備え、その備付け場所及び使用方法を労働者に周知させなければならない。 救急用具及び材料を常時清潔に保たなければならない(義務) |
救急用具についてはこちらをご参照下さい。 |