衛生管理の知識

黄色ブドウ球菌による食中毒

他の細菌による食中毒とは異なり、細菌が作る毒素による食中毒です。
毒素が原因のため、細菌そのものに効果を発揮する抗生剤は無効です。

他の食中毒は1〜3日後に症状が出ることが一般的ですが、黄色ブドウ球菌による食中毒は数時間後に症状が出ます。昼に食べた食品が原因でその日の夜に症状が出るようなイメージです。

原因

黄色ブドウ球菌はヒトの皮膚に存在するため、手などに触れる食品が原因となります。 菌は熱に弱いのですが、菌が作る毒素は熱に強く、食品を加熱しても食中毒が起こす場合があります。
  • 加熱後に手作業を行う食品
  • おにぎり、いなりずし、巻きずし、弁当、調理パン

症状の特徴

  • 食後1~6時間で発症
  • 吐き気、嘔吐、腹痛、下痢
  • 発熱はないことが多い

予防

  • 手にケガをしているときは調理しない
  • 調理前によく手を洗う
  • 食品は冷蔵庫に入れて、菌が増えないようにする
  • 髪の毛やつばが食品に入らないようにする気を付ける
  • おにぎりを握るときにラップを使う(ビニール手袋も有用)

治療

抗生剤は効果がありません。対症療法となります。