衛生管理の知識

延長コード・テーブルタップによる火災

東京消防庁によると、電気設備が原因の火災が毎年1,000件発生しています。

職場では、パソコンやコピー機などの電化製品が使われ、延長コードがたくさん利用されています。
当社のお客さまでも、床下配線からの火災、延長コードからの火災がありました。日頃の労災対策の中に、電源による火災対策も含めて下さい。

1つの電源コンセントは15A(アンペア)、100V(ボルト)、1,500W(ワット)が限度

アンペアは電気の流れる量で、電流と言います。ボルトは電気を押し出す力のことで、電圧と言います。ワットは消費される電力のことです。
コンセントプラグの形、電圧、周波数は国によって異なり、日本は100V、50もしくは60Hzです。
日本の一般的な電源コンセントでは、日本では一般的には1つのコンセントにつき、1,500Wまでの電気製品をつなぐことができます。

1,500W以上の電化製品をつないだ場合、火災につながる

1つの電源に1,500W(日本は100V。A=W/Vであり15Aの製品は1,500Wと同様)以上の電化製品をつないで利用すると、ブレーカーが落ちたり、時に火災の原因になります。コンセントに延長コードを繋ぐ場合、電力(W)は利用する電化製品の合計で考えます。例えば、デスクトップパソコン(200W)、液晶ディスプレイ(50W)、スマートフォン(20W)、扇風機(50W)の場合、200+50+20+50=320Wとなります。それぞれの電化製品を利用していなければ電力は発生しませんが、全て同時に利用する可能性があるため、最大限に利用することを前提に計算をします。

一般的に、コピー機は1,500W、電子レンジは1,000W、電気ポットは1,000Wと、多くの電力を必要とする電化製品があります。これらは延長コードにつながず、直接コンセントにつなぐことが望ましいです。同様に、エアコン、加湿器、コーヒーメーカー、ラミネーターも消費電力が多いため、利用する際には気をつける必要があります。

デスクトップパソコンは100-200Wであり、デスクトップパソコンをたくさん利用している職場では注意をして下さい。突然電源が落ちてデータが消えるということもあり得ます。
延長コードへ過剰に電化製品を繋いでいないか、定期的に見直すことをお勧めします。

工場、農場、飲食店などでは水に対する対策も必要

事業場によってはコンセント、ソケット、延長コードが水蒸気や水にさらされることがあります。
これらに水が入ると、水は電気を通すため、感電のリスクがあります。
このような職場では、防水ゴムキャップ・防水コネクタボディを利用してコンセント周辺に水が浸入しない対策が必要です。

大掃除の際に電源周りの掃除もして下さい

事務所則で定められているように、年2回の大掃除を実施し、その際に電源周囲のほこりを除去して下さい。ほこりがあるとトラッキング現象にため火災の原因となります。
その際につながれている電化製品の電力の確認をして下さい。