衛生管理の知識

小売業、社会福祉施設、飲食店の安全推進者

労働安全衛⽣法施⾏令第2条第3号に掲げる業種における安全推進者の配置等に係るガイドラインにおいて、常時10人以上の労働者が働く事業場で安全推進者を配置するように記載されています。

労働基準監督署の臨検時に、「安全推進者を選任せよ」と指導されることが多い

当社のお客さまでに、安全推進者が退職され、その後は未選任であった事業場がありました。
労働基準監督署の臨検があり、「第三次産業であるが、安全管理体制を充実し、労働災害防止活動の効果を高め、労働災害を減少させることを目的に、安全推進者の配置をすること。」という指導票が出される事例がありました。

安全推進者を選任する必要がある業種

対象は、下記の事業場以外です。
林業、鉱業、建設業、運送業、清掃業、製造業、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・什器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・什器小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業及び機械修理業

こちらの業種の事業場については、特に重点的に本ガイドラインに基づく安全推進者の配置に取り組むべきとされています。

  • 小売業
  • 社会福祉施設
  • 飲食店

小売で選任漏れが目立つ印象

当社のお客さまでは小売業で安全推進者の選任漏れが目立っています。
小売業ではバックヤードや倉庫での転落、転倒による腰痛などの労災が多発しており、労災予防の観点からも速やかに安全推進者を選任する必要があります。

安全推進者になるための要件

以下の何れかの要件を満たす必要があります。
実務経験のみで安全推進者になれる場合があります。
  1. 安全衛生推進者の資格を有する者(安全衛生推進者養成講習修了者、大学を卒業後1年以上安全衛生の実務を経験した者、5年以上安全衛生の実務を経験した者等)
  2. 安全衛生推進者と同等以上の能力を有すると認められる者(労働安全コンサルタントの資格を有する者、安全管理者の資格を有する者又は安全管理者の資格を有する

安全推進者の業務内容

職場の安全に係る業務を担います。総務業務を担いながらなど、他業務との併任が可能です。
  1. 職場環境及び、作業方法の改善に関すること
  2. 職場内の整理整頓(4S)の推進、床の凸凹面の解消等職場内の危険個所の改善、刃物や台車等道具の安全な使用に関するマニュアルの整備等
  3. 労働者の安全意識の啓発及び安全教育に関すること
  4. 朝礼等の場所を活用した労働災害防止に係る意義の周知・啓発、荷物の運搬等の作業に係る安全な作業手順についての教育・研修の実施等
  5. 関係行政機関に対する安全に係る各種報告、届出等に関すること
  6. 労働災害を発生させた場合における労働者死傷病報告の作成、及び労働基準監督署長への提出等