衛生管理の知識

精神疾患とその症状

精神疾患でよく認められる症状について記載します。仕事や職業生活に関することで、強いストレスを感じている労働者は60%※といわれています。メンタルヘルスの不調を感じている社員は少なくありません。産業医の立場で、お客さまから「どのような症状が精神疾患と関係しているのか?」というご相談を受けることがあります。年々メンタルヘルスについての相談が増えていますが、同じような質問を受けていることに気がつきました。

うつ病、適応障害、不眠症、アルコール依存症、躁うつ病(双極性障害)、パニック障害、不安障害、発達障害(広汎性発達障害、アスペルガー症候群)、ADHDなどの相談が増えています。

※厚生労働省の統計

精神疾患でよく認められる症状

以下の症状がある場合は、職場の産業医に相談をして下さい。症状があっても日常生活や仕事に影響が無い場合は産業医へ相談したり、メンタルクリニックを受診する必要はありません。
病気かどうかの判断材料の一つは、仕事や日常生活に支障が出ているかどうかです。仕事に集中できない、以前より業務効率が悪くなった、仕事を休むことが増えた場合は仕事に支障が出ていると考えられます。料理や掃除ができなくなった、子供と一緒にいても楽しめない場合は日常生活への支障が出ていると考えられ、メンタルヘルスの病気の可能性があります。食欲不振が続く、慢性的に疲れが取れないといった体の症状が続く場合は内科の病気の可能性が高いですが、時々精神疾患が含まれています。
どのような病気でも早期発見、早期治療が大切です。気軽にご自身の健康について相談をして下さい。社内に産業医がいれば、職場環境と従業員のことを知る産業医に相談をして下さい。
当社では従業員の面談を得意としておりますので、お気軽に当社へお問い合わせ下さい。

うつ病や適応障害でよく認められる症状

「憂うつな気持ちが続く」
「会社へ足が向かない」
「意欲がでない」
「以前楽しめたことが楽しめない」
「仕事に集中できない」などの症状がある

躁うつ病でよく認められる症状

「些細なことでイライラしてしまう」
「お金遣いが荒くなった」
「眠れないが元気」
「気が大きくなり過度に活発」などの症状がある

不眠症でよく認められる症状

「寝つきが悪い」
「夜中や早朝に目が覚める」
「日中に眠気がある」
「朝、起きられない」
「熟眠感がない」などの症状がある

アルコール依存症でよく認められる症状

「毎日お酒を飲んでしまう」
「二日酔いで勤務をすることがある」
「お酒に関係するトラブルを起こしたことがある」
「酒を減らそうと思ってもできない」
「酒を減らすように周囲からアドバイスを受けたことがある」などの症状がある

アルコール依存症は肝硬変、食道静脈瘤といった致死的な身体の合併症を起こすことがあり、就業の管理にあたってはメンタルだけでなく身体面の評価も行う必要があります。当社の産業医先でもアルコールに関する病気に出会うことがあります。

パニック障害や不安障害でよく認められる症状

「急に不安、呼吸苦、動悸が出る」
「電車に乗ると不安になる」
「人前で異常に緊張する」などの症状がある

広汎性発達障害・アスペルガー症候群でよく認められる症状

「話す内容や、興味が偏っている」
「同僚が話していることについていけない」
「上司の指示をきちんと理解できない」
「人付き合いがうまくいかない」などの症状がある

ADHD(注意欠陥多動症)でよく認められる症状

「机の上が書類だらけになっている」
「忘れ物や遅刻が多い」
「同時に複数の仕事をこなせない」
「落ち着きがない」などの症状がある

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