衛生管理の知識

様々な業務を行っている事業場で第二種衛生管理者を選任していいか

同じ事業場で営業、総務、修理、製造といった様々な業務を行っている場合が少なからず存在します。
明らかに営業と製造では業務内容が異なり、労働者が50名以上働く営業職だけの職場では第二種衛生管理者を選任することができますが、製造業では第一種衛生管理者(安全管理者も)を選任する必要があります。

複数の業務を行っている事業場の労働者が50名を超えた場合、衛生管理者として第二種衛生管理者を選任してもいいのでしょうか?第一種衛生管理者と比較して第二種衛生管理者の資格は試験範囲が狭いため、後者の難易度は低いといわれています。
複数の業務を行っている場合は、主な業務が第二種衛生管理者が選任できる業種であれば、衛生管理者として第二種衛生管理者を選任することができます。

事業場とは

同一場所にある同一法人を同一事業場として取り扱います。
同一場所で全く違う業務を行っている場合も同一事業場と考えることが一般的です。

事業場で行われている業種の考え方

業種の分類は「日本標準産業分類」で考えます。これは総務省が定めた産業分類で、経済活動別に分類するために定められました。
日本標準産業分類では同一事業場で複数の分類項目に該当する場合は主要な活動によって決定します。具体的には、主要な経済活動によって決定するとされており、事業活動によって生産される財、取り扱われる商品の販売額、提供されるサービスに帰属する付加価値によって決定されるのが最良とされています。
付加価値の情報入手困難な場合は取り扱われる商品の販売額、提供されるサービスからの収入額や、それらの活動に要した従業者数を用います。

システムエンジニア業務(SE)と製造業務がある事業場の例

SEが50名、製造職が10名の事業場の場合、SEが生む販売額や付加価値が製造職より高ければ業種は情報サービス業となります。人数もSEが製造業務より多く、この点でも情報サービス業と考えることを支持します。

この業種が以下の第一種衛生管理者しか選任できない業種以外であれば、第二種衛生管理者を選任することができます。
この例では情報サービス業であり第二種衛生管理者を選任することができます。

第一種衛生管理者しか選任できない業種

第一種衛生管理者免許を有する者は、すべての業種の事業場において衛生管理者となることができます。
農林畜水産業、鉱業、建設業、製造業(物の加工業を含む)、電気業、ガス業、水道業、熱供給業、運送業、自動車整備業、機械修理業、医療業及び清掃業では、第一種衛生管理者を衛生管理者を選任する必要があります。第二種衛生管理者を衛生管理者として選任することはできません。
これら以外の業種では、第一種衛生管理者と第二種衛生管理者のどちらでも選任することができます。
第一種衛生管理者と第二種衛生管理者の違いについてはこちらに記載しています。


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