事業場内メンタルヘルス推進担当者を選任して下さい
厚生労働省が策定した「労働者の心の健康の保持増進のための指針」(平成18年3月公示)では、職場のメンタルヘルス対策を進めるために、「事業場内メンタルヘルス推進担当者」を選任する努力義務が規定されています。
労働者が50人未満の小規模事業場でも事業場内メンタルヘルス推進担当者を選任することが望まれています。
事業場内メンタルヘルス推進担当者とは
働く人の仕事や職業生活に強い不安、悩み、ストレスを抱える割合が60.9%に達しています。またうつ病などによる精神障害の労災は年々増加しています。労働者の安全を守り、健康障害の発生を防ぐことを目的として制定された労働安全衛生法第70条の2第1項の規定に基づく指針として、平成18年3月に「労働者の心の健康の保持増進のための指針 」が新たに示され、職場におけるメンタルヘルス対策が、法令の面からも求められるようになりました。
この指針では事業場内でメンタルヘルスの管理を行う役割として、事業場内にメンタルヘルス推進担当者を選任することが求められるようになりました。
事業場内メンタルヘルス推進担当者の業務
4つのケアの内、主に事業場内産業保健スタッフなどによるケアを担います。- 心の健康づくり計画の策定・労働者への周知・実行状況の把握の実務
- セルフケア、ラインによるケアを推進するための労働者教育、管理監督者教育の計画・立案・実施・評価の実務
- 事業場内のメンタルヘルスに関する相談窓口
- 事業場外資源との連携の窓口
実際には産業医、衛生管理者、人事労務担当者がメンタルヘルスに関する教育や相談窓口となります。メンタルヘルス推進担当者は教育や相談そのものを直接担当することまでは求められておらず、事業場内で行われるメンタルヘルス対策がスムーズに推進されるよう調整する機能を果たすことが求められています。
4つのケア
- セルフケア 労働者自らが心の健康保持増進のために行う活動
- ラインによるケア 管理監督者が部下である労働者の心の健康の保持増進のために行う活動
- 事業場内産業保健スタッフ等によるケア 事業場内産業保健スタッフ(産業医、衛生管理者、衛生推進者、保健師、メンタルヘルス推進担当者)が労働者の心の健康の保持増進のために行う活動
- 事業場外資源によるケア 事業場外の様々な機関が事業場に対して心の健康づくり対策を支援する活動
メンタルヘルス推進担当者になるためには
事業場内メンタルヘルス推進担当者の講習会への参加をして下さい。中央労働災害防止協会などが実施しています。労働者の心の保持増進のための指針について詳しく学ぶことができます。労働者が50名未満の小規模事業場における留意事項
労働者が50人未満の小規模事業場では必要な事業場内産業保健スタッフが確保できない場合が多いです。10名から49名の事業場では衛生推進者もしくは安全衛生推進者を選任する義務があり、これらの者に事業場内メンタルヘルス推進担当者として選任することが望ましいとされています。産業医や地域産業保健センターといった事業場外の資源を利用したり、実施可能なところから着実に取り組んで下さい。
当社では事業場内メンタルヘルス推進担当者の育成を支援しています。