非常勤医師として働いている医療機関と自治体のご配慮により新型コロナのワクチンを接種させていただきました。ワクチンを打つまでの流れと、副作用、感じていることを書かせていただきます。

産業医がワクチンを打った背景

医療者は新型コロナワクチンを優先的に接種できます。この医療者は医師免許や看護師免許の有資格者を示さず、医療の現場で働いている者のことです。病院で働く医師、クリニックで働く看護師だけでなく、医療機関で事務員をしている医療系の資格を持たない者も優先接種の対象者となります。有資格者でも医療現場で働いていない者は優先接種の対象となりません。産業医は医療機関ではなく企業内で働いているため優先接種の対象となりません。現在も多くの産業医がワクチンを打ていません。

私は産業医をしている時間がほとんどですが、週2日だけ精神科専門医として医療機関で臨床業務を行っています。高齢者を診察する機会が多いため、勤務先の医療機関と自治体のご配慮により、新型コロナワクチンの優先接種者に選んでいただき、ワクチンを受けることができました。

1回目のワクチン

2021年2月に勤務先の医療機関でワクチンの希望者を募っており、ワクチン接種を希望する旨を伝えました。しかし、いつ、どこで、誰が打つかについての情報はありませんでした。早く打ちたいという気持ちを持ちつつも、ワクチンについての連絡が来ないため、3月にはワクチンを申し込んだことすら忘れてしまいました。

3月に「4月頃に打てるかもしれない」と連絡がありました。4月第2週に「第3週に打てるがどうしますか」と連絡があり、希望する旨を伝えました。しかし、第3週になるも「ワクチンの納品が無い」と連絡があり予定していた日に打てませんでした。この頃にいつもの臨床業務をしていると、ワクチン接種済みの高齢者が何十人もおられ、ワクチンを打っていない私や看護師さんが医療を提供するといった違和感を抱えながら診療を続けていました。

3月第3週の週末に「翌週に納品がある見込み」と言われ、4月27日に接種しました。2回目の接種は3週後の5月第3週を予定しているが、実際に打てるか若干不安です。

1回目の副作用

接種直後・・・接種時の痛みはインフルのワクチンと変わらず、チクッとする程度のものでした。出血はありませんでした。消毒液にアレルギーがあるため、アナフィラキシーショックが心配でしたが、待機場所で15分休憩している際にアレルギー症状は認められませんでした。

接種1時間後・・・倦怠感、頭痛、軽い浮動性のめまいといった感冒様の症状と、接種部位の腫脹と弱い疼痛が出現しました。PCで作業をしていると若干ぼーっとするような感覚がありましたが、仕事への影響は一切ありませんでした。

接種日夜・・・感冒様症状は変わらず、発熱はありませんでした。接種部位のさらなる腫脹と強い疼痛がありました。痛みはいわゆる運動後の筋肉痛のようなもので、肩全体に激しい痛みが生じました。いつものように食事、入浴をし、たくさん寝ました。

投与1日後・・・感冒様の倦怠感、頭痛は悪化せず、発熱はありませんでした。腫脹と疼痛は前夜よりも悪化し、腕を速やかに動かすことができなくなりました。

投与2日後・・・副作用が無くなりました。感冒様症状、接種部の腫脹と疼痛は軽快しました。

2回目のワクチン

2021年5月第3週に2回目のワクチンを打ちました。1回目と同様の左肩に接種しました。

2回目の副作用

1回目よりも2回目のほうが副作用が出やすく、副作用が重篤と聞いてましたが、2回目の副作用は目立ちませんでした。2日ほど左肩の筋肉痛様の疼痛があったのみです。

ワクチンについて思うこと

産業医面談で労働者から「ワクチンを打てば無敵になる。マスクを外せるし、飲み会にも行ける」といった話を聞くことがありました。
mRNAワクチン(ファイザー・バイオンテック、モデルナ)は感染予防効果や重症化リスクを90%以上減らしたり変異型ウイルスに効果があることが分かっていますが、感染や重症化を完全に防ぐことはできません。生産年齢の方がワクチンを受けられる日がいつ来るか分かりませんし、ワクチンが長期的に効果があるかも分かりません。ワクチンが効かない変異型ウイルスが出現する可能性もあります。従って、今後も私たちはマスクを着け、手指消毒をすることになりますし、事業者は在宅勤務を続け、社内での感染対策に努める日々が続くことになります。

4月から高齢者のワクチン接種が開始になり、一部の医療者を追い越して高齢者へ接種されるようになりました。ワクチンを打たない医師(当時の私)や看護師が、ワクチン接種済みの高齢者を診察することに強い違和感を抱きました。高齢者の接種は極めて大切ですが、医療者のワクチン接種をもう少し円滑に進めるべきだったのではと思っています。

産業医として日本全国からワクチンについての情報が届いています。関西、福岡、首都圏といったコロナ患者が多い地域よりも、コロナが少ない地域に相対的に多く(人口や感染者に対してのワクチン量が多い)のワクチンが納品、接種され続けている傾向があると複数の方から聞いています。大阪などで感染者が急増した要因の一つにワクチンの偏在があるのではと感じています。

優先接種の対象から産業医、保健師、助産師(助産所で働いている場合)といった有資格者が外されていることに疑問を感じます。産業医や保健師は企業内で多くの会議に出席します。癌や糖尿病などの病気を持つ方と個室で面談は日常で、社外との接点も多くあります。助産師さんは妊婦さんや新生児へ医療を行う立場です。 司法関係者から裁判所や検察庁で働く人も優先接種の対象にならないと聞いています。裁判官や検事は日本に3千人ほどしかおらず、司法関係者に新型コロナが流行すると司法が止まってしまい、大変なことになってしまいます。当社のお客さまである公共交通機関や学校からも優先接種の対象外だが、社会から事業の継続を求められているとの相談を受けています。
CNNによると疾病対策センター(CDC)のガイドラインでは、「ワクチン接種の優先順位は、医療従事者と長期ケア施設の入居者を最上位、次が75歳以上の高齢者とエッセンシャルワーカーのうち消防士や刑務官、公共交通機関の労働者など医療関係以外の人々、その次に65~74歳と16~64歳で医療的に高いリスクのある人」とのことです。私は日本もこれに準じた対応が望ましく、助産師さんや、公共交通機関の職員、司法関係者にも優先接種すべきと考えます。

産業医のお問い合わせはこちら

産業医として選任された事業場以外の場所から遠隔で職務の一部を実施することとして差し支えないものとされています。新型コロナウイルスの流行や、在宅勤務の一般化により産業面や衛生委員会をオンラインで実施する機会が増えています。産業医面談と衛生委員会のオンライン化についてのお問い合わせが増えており、注意事項をまとめます。当社ではオンラインでの産業医面談や衛生委員会への参加を積極的に実施しています。2021年3月31日の通達の内容をまとめています。

衛生委員会、衛生懇談会で審議が必要

産業医が情報通信機器を用いて遠隔で業務を実施する前に、産業医の職務のうち、情報通信機器を用いて遠隔で実施することとする職務の範囲やその際の留意事項等について、衛生委員会等で調査審議を行った上で、労働者に周知する必要があります。衛生委員会で産業医面談と衛生委員会をオンラインで実施することを話し合い、議事録に「産業医がWEB会議システムを用いて産業医面談を実施すること、衛生委員会へ参加することを審議し、委員から同意を得た」という文言を残してください。いつものように議事録は労働者に周知し、議事録を3年間保存してください。

産業医面談をオンラインで実施できる

長時間労働やストレスチェックの高ストレス者に対する産業医面談(面接指導)をオンラインで実施することができます。通達で明記されている、オンラインで実施する際の留意事項は3つあります。以下の点から産業医や顧問医として企業と契約している医師以外がオンラインで実施することは困難と考えます。

そもそも産業医面談の義務は2つのみ

事業者に課されている産業医面談は長時間労働者(法定外の時間外労働が80時間以上)と、ストレスチェックの高ストレス者で本人が面談を希望した場合のみです。厚労省は休職者の職場復帰の判断をする際の面談、健康診断の異常者の面談の実施が望ましいとしていますが、これらは義務ではありません。あくまでこれらは法令で義務付けられた制度ではなく、会社が任意の規定として定めたものです。事業者に課されていない産業医面談については、上記の留意事項を満たす必要がないため、そもそも実施しない選択肢もありますし、ZoomやTeamsといったWEB会議システムを利用せずに電話での実施も可能です。しかし、長時間労働やストレスチェックの高ストレス者面談に準じた対応をすることが望ましいです。

衛生委員会、安全衛生委員会もオンラインで実施できる

衛生委員会、安全衛生委員会をWEB会議システムを用いて開催することも認められています。 WEB会議システムの要件は以下の3要件のすべてを満たす必要があります。ブロードバンド回線やスマホの4G回線を用い、PCやスマホにZoomやTeamsのアプリを入れれば問題ないため、大きなハードルはありません。 WEB会議システムを用いた委員会の運営要件は以下のいずれかを満たす必要があります。

産業医の訪問、職場巡視は必要

労働者数50名以上の事業場において産業医を選任する必要があります。この事業場においてはコロナ禍で在宅勤務が主流になった現在でも産業医が月1回(場合によっては2ヶ月に1回でもよい)の訪問し、職場巡視をする必要があります。また、労働者数に関係なく、産業医が労働者の健康障害の原因の調査および再発防止のための措置として、産業医が視覚や聴覚を用いた情報収集のために嗅覚や触覚による情報を得る必要があると判断した場合も産業医による訪問が必要となります。


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健診結果の結果用紙の保管にお困りではありませんか?健診結果の紙を無くしてデータ化しませんか?データ化で多くのメリットが生まれます。
当社は産業医事務所のため、データ化をするだけでなく、産業医が結果を確認し、産業医が就業区分の判定を行った上でデジタルデータを納品させていただいています。

健康診断結果用紙のデータ化(産業医による就業判定無料)の費用

税別で年額基本料金は60,000円、年額料金は1人あたり2,000円です。
  • 50名の場合160,000円(1人3,200円)
  • 100名の場合260,000円(1人2,600円)
  • 300名の場合660,000円(1人2,200円)
詳細はこちらをご覧ください。

健診結果のデータ化の業務内容

当社に健康診断の用紙を宅急便やレターパックで送付していただきます。当社内で所定のフォーマット(Excel、csvに対応)にデータ入力します。
産業医が結果を確認し、産業医が就業区分の判定を行った上でデジタルデータを納品させていただいています。
当社が健診結果の紙を受領してから2ヶ月以内にデータ化したファイルとお預かりした健診の結果用紙を発送します。
詳細はお問い合わせください。

データ化のメリット

データ化はメリットばかりです。
  • 健診結果の紙を置く場所を無くせます
  • 健診結果を探す手間を省けます
  • 健診結果を一覧で見られます
  • 労働者が退職した際にデータを簡単に削除できます
  • 人事異動の際に事業場データを簡単に編集できます
  • 経時的に比較可能になり、保健指導をしやすくなります
  • 組織的に比較可能になり、組織への対応ができるようになります
  • 産業医の健診結果の確認時間が減り、産業医面談などの時間を増やせるようになります

当社の健康診断結果データ化サービスの特徴

産業医が結果を確認し、産業医による就業判定(通常勤務、就業制限、要休業)を行います。就業制限と判断した場合、時間外労働の制限などの事後措置の内容についても意見を述べます。その後にデジタルデータを納品させていただいています。産業医が監修しているためデジタルデータに無駄な項目やセルが無く、結果は非常に見やすいです。
定期健康診断だけでなく、雇入時の健康診断、特殊健康診断、特定業務従事者の健康診断にも対応しています。
当社の産業医事務所内で、インターネットにつながれていないパソコンを利用してデータ化の作業を行います。OSやセキュリティソフトを最新の状態にバージョンアップするなど個人情報の漏洩対策を行っています。データを長期間保有することはありません。
お客さまのご希望に応じて、紙をやりとりする頻度、法定外の項目への対応などを柔軟に対応しています。

健康診断を実施した後は産業医による就業区分の判定が必要

産業医による就業判定は、健康診断の結果に対して、就業制限や休業の措置が必要かどうかについて、産業医の意見を仰ぐことです。労働安全衛生法66条の4で事業者に課せられた義務で、労働契約法第5条の安全配慮義務、安衛法第68条の病者の就業禁止なども法的根拠となります。
50名未満の小規模事業場でも、健康診断の確認と事後措置は義務化されており、小規模の事業場からの業務のご依頼をいただいています。労働者が300名以上の事業場、既に産業医が選任されている事業場からの実績もございます。
データ化をせずに法定義務の産業医による健康診断の結果確認と就業措置についての意見の言及(通常勤務、就業制限、要休業の判断)の業務のみも請け負っています。




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小売業ではバックヤードと倉庫での労働災害が目立ち、件数が増えています。労働災害防止計画において、小売業は重点業種とされています。

小売業は従業員が数名の小規模な事業場から、従業員が1,000名を超える大規模な事業場があります。小規模な事業場であっても安全、衛生、健康管理を実施する必要があります。特に多店舗展開する事業者において、小規模事業場の安全管理などが蔑ろになっている事例が目立ちます。

安全管理者や安全推進者を選任し、日頃より職場巡視を実施し、安全面、衛生面で問題があるハザードについて速やかに改善をして下さい。

小売業の労災件数推移

平成21年 11,914件
平成22年 12,329件
平成23年 12,849件
平成24年 13,099件
平成25年 12,808件
平成26年 13,365件

小売業の労災の特徴

50歳以上の被災者が60%、経験年数3年未満の被災者が45%です。転倒事故が36%となっています。
最低限の従業員での店舗を運営したり、高齢者や外国人労働者の増加などにより、今まで以上に労働災害に対する対策が求められます。

小売業での職場巡視

バックヤード、倉庫での労働災害が目立ちます。産業医、衛生管理者、安全管理者の職場巡視はバックヤード、倉庫を中心に実施します。
転倒や転落を防ぐために積み荷などの整理整頓し、通路の確保をきちんと行って下さい。荷物を扱う際には脚立や台車といった機械を使って下さい。無理な体勢で重量物を運ばないといった腰痛への教育も望まれます。

50名以上の事業場では安全管理者の選任が必要

小売業では50名以上の事業場では安全管理者を選任する義務があります。同様に衛生管理者、産業医を選任し、安全衛生委員会を実施する必要があります。
10名以上50名未満の事業場では安全推進者を選任する義務があります。

安全管理者の資格要件

研修と実務経験を経て、資格が得られます。 衛生管理者とは異なり、試験はありません。 安全管理者になるための要件は次の通りです。
厚生労働大臣の定める研修を修了した者で、次のいずれかに該当する者。
  • 大学の理科系の課程を卒業し、その後2年以上産業安全の実務を経験した者
  • 高等学校等の理科系の課程を卒業し、その後4年以上産業安全の実務を経験した者
  • その他厚生労働大臣が定める者(理科系統以外の大学を卒業後4年以上、同高等学校を卒業後6年以上産業安全の実務を経験した者、7年以上産業安全の実務を経験した者等)
  • 労働安全コンサルタント(これのみ研修は不要)

安全推進者の資格要件

職場内の整理整頓(5S活動)、交通事故防止等、業種の別に関わりなく事業所内で一般的に取り組まれている安全活動に従事した経験を有する者から選びます。
常時使用する労働者が50人を超える事業場や労働災害を繰り返し発生させた事業場については、以下の者を配置することが望ましいとされています。
  • 安全衛生推進者の資格を有するもの(安全衛生推進者養成講習修了者、大学を卒業後1年以上安全衛生の実務を経験した者、5年以上安全衛生の実務を経験した者など)
  • 上記と同等以上の能力を有すると認められる者(労働安全コンサルタントや安全管理士又は安全管理者の資格を有する者)

小売業社会福祉施設飲食店における安全推進者(安全担当者)の配置等ガイドラインについて

厚生労働省は小売業などに対しての安全推進者の配置についてのガイドラインを作っています。国は小売業の安全対策に力を入れていることが分かります。
「小売業などでは転倒、荷物の運搬などでの腰痛、階段などからの墜落・転落などが目立つため常時10人以上の労働者を使用する事業場の安全管理体制を充実するため、安全推進者を設置する必要がある」という趣旨が書かれており、労働者数に応じて安全推進者もしくは安全管理者を必ず選任し、職場巡視や安全衛生委員会などを通じて労働災害を予防して下さい。
平成30年は毎月1件以上のペースで新規に衛生委員会の立ち上げを行いました。産業医・顧問医契約の件数はそれ以上の頻度でご依頼をいただきました。
今月も新たなお客さまとの仕事が開始となり、何も無い状態から衛生委員会を作り上げました。

当社に業務をご依頼頂いたきっかけ

産業医を選任したい、労働基準監督署の対応を困っている、メンタルヘルスの問題が生じている、コストを削減したいなどがきっかけで当社に業務をご依頼いただいています。
当社に業務をご依頼いただいた後は速やかに問題点の改善ができています。

既に産業医がいるが産業医が訪問しない。産業医の定期訪問を希望する

当社に産業医業務を切り替えていただき、当社の産業医が毎月訪問を行うようになりました。

労働者が徐々に増えて、50名を超えそう(超えた)。産業医を新規で選任したい

衛生委員会の立ち上げだけでなく、手取り足取り健康や衛生に関する問題点を改善していきました。半年後には不備が見当たらないほどの労働衛生環境になりました。

労働基準監督署の監督官から指導票が出され、対処法に困っていた。対応を教えて欲しい

単発でのコンサルタント業務をご依頼いただきました。何度も同様の事例に対応しているため、速やかに指導項目の改善案を提示することができました。指導票に書かれている内容についついてお客さま一緒に取り組み、1ヶ月で全ての指導内容を解決することができました。その後、当社の業務にご満足をいただいたことから、当社に産業医業務をご依頼いただきました。

メンタルヘルスの不調者が多いので困っている。メンタルヘルスに強い産業医を選任したい

精神科専門医の産業医が、衛生委員会でのメンタルヘルスに関する情報の提供(講演会などの実施も含む)、不調者との面談、職場復帰のルール作りなどを実施しました。以前よりも不調者が明らかに減り、職場に活気が出るようになりました。

産業医のコストを削減したい

当社に産業医業務を切り替えていただき、産業医の費用が大幅に削減できました。サービス内容は従来より良くなったとご好評をいただきました。

他にも色々なご要望に応えています

ストレスチェック関係、障害者雇用関係、海外駐在員の健康管理など色々な業務をご依頼いただいています。
お困りのことがございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。

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風疹が流行しているというニュースをよく耳にします。
妊婦さんが感染すると胎児も風疹に感染し、先天性の奇形につながることがあります。
女性の労働者が一般的となっており、企業においても風疹の知識を知る必要があります。

何が問題か

妊婦さんが風疹に感染すると、胎児が先天性風疹症候群になることです。 我が国はワクチン接種率が低く、ワクチン接種で多くを予防できます。

風疹とは

風疹ウイルスによる感染症です。
感染から2-3週間の潜伏期があり、発熱、小さな発疹、リンパ節の腫脹が特徴です。
自覚症状が無かったり、風邪のような症状の場合もあり、症状が軽いと受診されない方が多いです。

感染経路

咳やくしゃみなどに含まれる風疹ウイルスを吸い込んだり(飛沫感染)、 ウイルスが手についた状態で、目や口に触れること(接触感染)で感染します。

診断

内科や皮膚科を受診し、ウイルスの遺伝子検査や血清の抗体検査で確定診断を行います。
前者は結果が速やかに出ますが、実施できる施設は研究所や大学などに限られています。
後者は結果の判定に時間がかかりますが、多くの施設で実施できます。
風邪のような症状で受診されると、服の上から聴診器を当てたり、喉を診るだけとなり、皮膚の状況を十分に見ること少ないため、診断がつかないことがあります。

治療

根本的な治療法はありません。 発熱には解熱剤のように、対症療法を行います。

予防

ワクチンで多くを予防できます。
我が国の成人はワクチンの定期接種から風疹ワクチンが漏れていることがあり、 ワクチン摂取率が低いため風疹が流行していると考えられています。
MRワクチンが風疹のワクチンとして一般的で、風疹ワクチンと麻疹(はしか)ワクチンが混合されています。
このワクチンは生ワクチンです。病原体そのものが含まれており、妊婦さんが接種すると胎児が感染するため、妊婦さんはワクチンを接種できません。 妊娠前(1ヶ月以上前)に接種する必要があります。ワクチンを打っても抗体が100%できる訳では無いため、抗体が出来ない妊婦さんのためにも、 感染源となる多くの国民が老若男女関係なくワクチンを打つことが感染予防のために求められます。
男性は妊婦や胎児の風疹には関係無いと考えがちですが、 自分自身が感染源となることも想定されるため、可能であればワクチンを打つことが望ましいです。

ワクチンの費用

子供は無料ですが、成人は自治体によって費用が助成されます。
ワクチン接種は自由診療であり、保険証が利用できません。 私が2007年に追加接種した際は8,000円を支払いました。

職場で風疹が出た場合の対策

風疹は学校感染症に定められており、発疹が消失するまで出席停止です。 職場でもこれに準じた就業制限が望ましいと考えます。
従業員に風疹や、風疹のワクチンに対する正しい知識を提供することが望ましいです。

法令により女性が働くことができない業務があります。
一部は妊産婦のみの適応となります。
有害業務がある事業場では女性に対する配慮を行って下さい。

女性労働基準規則第2条第1項に定められた業務(妊娠中の女性を就かせてはならない業務)

  1. 満18才以上で継続作業30kg以上、継続作業20kg以上
  2. ボイラー(労働安全衛生法施行令(昭和四十七年政令第三百十八号。第十八号において「安衛令」という。)第一条第三号に規定するボイラーをいう。次号において同じ。)の取扱いの業務
  3. ボイラーの溶接の業務
  4. つり上げ荷重が五トン以上のクレーン若しくはデリツク又は制限荷重が五トン以上の揚貨装置の運転の業務
  5. 運転中の原動機又は原動機から中間軸までの動力伝導装置の掃除、給油、検査、修理又はベルトの掛換えの業務
  6. クレーン、デリツク又は揚貨装置の玉掛けの業務(二人以上の者によつて行う玉掛けの業務における補助作業の業務を除く。)
  7. 動力により駆動される土木建築用機械又は船舶荷扱用機械の運転の業務
  8. 直径が二十五センチメートル以上の丸のこ盤(横切用丸のこ盤及び自動送り装置を有する丸のこ盤を除く。)又はのこ車の直径が七十五センチメートル以上の帯のこ盤(自動送り装置を有する帯のこ盤を除く。)に木材を送給する業務
  9. 操車場の構内における軌道車両の入換え、連結又は解放の業務
  10. 蒸気又は圧縮空気により駆動されるプレス機械又は鍛造機械を用いて行う金属加工の業務
  11. 動力により駆動されるプレス機械、シヤー等を用いて行う厚さが八ミリメートル以上の鋼板加工の業務
  12. 岩石又は鉱物の破砕機又は粉砕機に材料を送給する業務
  13. 土砂が崩壊するおそれのある場所又は深さが五メートル以上の地穴における業務
  14. 高さが五メートル以上の場所で、墜落により労働者が危害を受けるおそれのあるところにおける業務
  15. 足場の組立て、解体又は変更の業務(地上又は床上における補助作業の業務を除く。)
  16. 胸高直径が三十五センチメートル以上の立木の伐採の業務
  17. 機械集材装置、運材索道等を用いて行う木材の搬出の業務
  18. 労働安全衛生法令に基づく作業環境測定で「第3管理区分」となった屋内作業場での全ての業務
  19. タンク内、船倉内などで規制対象の化学物質を取り扱う業務で、呼吸用保護具の使用が義務づけられている業務
  20. 多量の高熱物体を取り扱う業務
  21. 著しく暑熱な場所における業務
  22. 多量の低温物体を取り扱う業務
  23. 著しく寒冷な場所における業務
  24. 異常気圧下における業務
  25. さく岩機、鋲打機等身体に著しい振動を与える機械器具を用いて行う業務

女性労働基準規則の対象物質(26物質)

労働安全衛生法令に基づく作業環境測定を行い、第3管理区分(一定の管理濃度を超過)となった屋内作業場での全ての業務と、タンク、船倉内などで規制対象の化学物質を取り扱う業務で、呼吸用保護具の使用が義務づけられているもの

特定化学物質障害予防規則の適用を受けているもの

  1. 塩素化ビフェニル(PCB)
  2. アクリルアミド
  3. エチルベンゼン
  4. エチレンイミン
  5. エチレンオキシド
  6. カドミウム化合物
  7. クロム酸塩
  8. 五酸化バナジウム
  9. 水銀およびその無機化合物(硫化水銀を除く)
  10. 塩化ニッケル(II)(粉状のものに限る)
  11. スチレン
  12. テトラクロロエチレン(パークロルエチレン)
  13. トリクロロエチレン
  14. 砒素化合物(アルシンと砒化ガリウムを除く)
  15. ベータ-プロピオラクトン
  16. ペンタクロルフェノール(PCP)およびそのナトリウム塩
  17. マンガン

鉛中毒予防規則の適用を受けているもの

  1. 鉛およびその化合物

有機溶剤中毒予防規則の適用を受けているもの

  1. エチレングリコールモノエチルエーテル(セロソルブ)
  2. エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(セロソルブアセテート)
  3. エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)
  4. キシレン
  5. N, N-ジメチルホルムアミド
  6. トルエン
  7. 二硫化炭素
  8. メタノール

印刷、洗浄、検査などで少しだけ有機溶剤を利用している事業場がたくさんあるようです。
例えば、週1回、トルエンを洗浄業務で利用している職場があります。トルエンは第二種有機溶剤で、有機則に従って有機溶剤の管理を行う必要がありますが、利用量が月に1gといった極めて少量しか利用しておらず、許容消費量以下の場合はどのような対応をすべきでしょうか?

参照: 有機溶剤 / 有機溶剤中毒予防規則(有機則)

有機溶剤を利用している場合には法令遵守が必須

少量だからといって何もしないことは不適切です。
当社に業務をご依頼いただいているお客さまにおいて、有機溶剤を大量に利用している事業場のほうが、少量しか利用していない事業場よりも有機則や労働安全衛生規則などを遵守しているように感じます。
少量か利用していない場合でも有機溶剤による健康被害を防ぐために法令に基づいて対応をする必要があります。

どの物質が有機則に含まれているか

有機則に含まれている有機溶剤は次の通りです。
有機溶剤中毒予防規則(有機則)

有機溶剤を少量しか利用していない場合の実施義務

少量かどうかは下記の計算式で求めます。
作業時間1時間に消費する有機溶剤等の量が下の式で許容消費量を超えないときは少量とみなします。
第一種有機溶剤  W=1/15*A
第二種有機溶剤  W=2/5*A
第三種有機溶剤  W=3/2*A
Wは有機溶剤等の許容消費量(グラム)、Aは作業場の気積(最大150立方メートル)
上述の許容消費量を超えない場合、設備の設置及び性能、有機溶剤作業主任者、有機溶剤等の掲示及び表示、保護具の着用といった措置が除外されます。
健康診断、作業環境測定、事故の場合の退避等、有機溶剤等の貯蔵及び空容器の処理については除外されず、法令に従って実施義務があります。

また、労働監督署に届け出ることにより、作業環境測定、健康診断を除外することができますが、この場合においても事故の場合の退避等、有機溶剤等の貯蔵及び空容器の処理については除外されず、法令に従って実施義務があります。

職場復帰のことを復職と言うことがあります。産業医は職場復帰の判定を会社側、労働者が側の意向に従って行っている訳ではなく、基準に従って評価を行い、職場復帰について意見書を書きます。休職中の労働者の職場復帰判定の際に本人や事業者に確認していることは以下の通りです。

職場復帰の意思があるか

本人に働きたい気持ちが無いと職場復帰はできません。
休職中の労働者のほとんどが、職場へ復帰することに対しての不安を抱きます。「同僚に迷惑をかけた」、「仕事についていけるかどうか分からない」、「どういう顔で仕事場に行けばいいか」という考えは休んでいれば誰にでも生じ、自然なものです。
人事労務担当者、職場内の産業保健スタッフ(産業医、保健師など)が本人の不安を傾聴し、マイナスの気持ちを取り除くことが大切です。
病気で休職している場合、不調者は主治医に職場復帰の意思を話します。主治医が病気の状況を鑑みて「職場復帰可能」という診断書を書きます。その診断書を会社に提出することで、本人の職場復帰の意思が会社に伝えられます。

病気が医学的に病状が回復しているか

主治医からの「職場復帰が可能」という旨の診断書を提出をしていただきます。診断書が会社に提出されると、産業医面談が設定されることが一般的です。
産業医は病気が完全に治ることを求めてはおらず、就労に支障が無い体調になっているかを確認します。
残念ながら完全に治らない心身の病気があります。治癒をしなければ復帰は無いという判定は不適切です。例えば、心筋梗塞になれば一部の心臓の組織は壊死する(機能しなくなる)ため、元通りの心機能に戻すことはできないことがあり、体力が低下することがあります。胃癌で胃の一部を切除すると、食欲不振が続くことがあります。うつ病などの職場で頻繁に認められる精神疾患は、仕事に支障が出ない程度の集中力の低下などの状態が続くことがあります。
職場復帰の判断で大切なことは、仕事に支障がない程度まで体調が回復していることです。例えば、通勤電車で過呼吸や動悸の症状が出て通勤できない方の場合、電車に乗る訓練を繰り返します。電車内で症状が時々出たとしても、出社に支障が無ければ良い評価をします。就業規則通りの通勤時間帯に電車に乗れることも確認します。 気持ちが落ち込んでいたり、仕事に集中できない場合、仕事に関係がある内容の勉強や、PCでの作業を行ってもらいます。体調が悪い時は本の内容が頭に入らなかったり、10分程度しか集中ができず、ミスも目立ちます。体調の回復に応じて、徐々に集中して取り組める時間が増えます。概ね事前に計画した予定通りの作業ができること、1時間集中して勉強できること、PCで円滑に書類を作ることなどを評価します。
復帰してみなければ最終的な体調の評価は困難ですが、通勤することに近い環境を設けて病状を判断することが大切です。

日常生活が安定しているか

睡眠、食事などの生活リズムが安定していなければ、職場の就業規則に従ってきちんと勤務をすることは困難です。
メンタルヘルスについても、不眠や食欲不振という症状が多いため、生活リズムの安定が病状の回復にとって非常に重要です。
休職中に家で過ごしていると体力が低下します。都心の満員電車での通勤も体にとっては多大な負荷となります。車で通勤する際にも体力を消耗します。
職場復帰後に時短勤務(午前のみ出社など)が備えられていない職場では、就業規則に従って週5日間・1日8時間の労働となり、8時間の仕事は身体へ著しい負担となります。
例えば朝7時に起床、23時に就寝、毎日60分以上のウォーキング、週に2回のスポーツジムなどが習慣になっていれば生活リズムが安定し、ある程度体力があると評価します。

今後の治療の見込みと、主治医からの留意事項はあるか

職場復帰後にどのような治療をする予定か、通院頻度はどうなる予定かを確認する必要があります。
本人にとって一番大切なことは自分自身の体調です。職場も本人の体調を一番に考え、通院や治療の時間をできる限り確保します。
癌の治療は毎日抗癌剤を投与したり、放射線を照射することがあります。主治医の外来が平日にしか無いこともあります。再手術の予定があれば、休職や、その後の体力の低下が予想されます。復帰後の業務上の配慮を行う上でも、治療の日程を事業者が事前に知る必要があります。
病気の後に、重たい荷物を運べない、立ち仕事ができない、運転ができないなどの就業上の制限が出ることがあります。メンタルの病気を抱えている不調者の場合は、業務量や業務内容についての配慮が必須となります。
その際には事業場内で、本人が働ける業務を探すといった業務上の配慮を行うことが大切です。

体調不良の原因が職場にあれば、それが解決しているか

過重労働、ハラスメント、長時間の通勤、重量物の搬送など様々な作業環境が体調不良の原因となります。本人の不調の原因が職場にあれば、それらを解決することが必要です。
特にメンタルの病気の場合、休暇や薬である程度体調が良くなったとしても、職場に原因があった場合には復帰後に再発するリスクが非常に高いことが知られています。腰痛の場合も同様で、運び方を変えたり、治療を行ったとしても、重量物の搬送が常態化していれば症状が良くならないことがあります。

産業医の力を借り、人事労務担当と本人が所属していた所属部署の上長が繰り返し話し合うことによって現実的な方法を模索します。もちろん、個人情報の保護をきちんと行うことが大切です。