多くの事業場で衛生委員会を実施していますが、衛生委員会当日のスケジュールは概ね同じです。
お客さまのご希望に応じて、スケジュールを調整して開催しています。

衛生委員会当日のスケジュールの例

衛生管理者や人事労務担当から時間外労働と労災の報告(5分程度)

月に法定労働時間を30時間や45時間を超過した場合、その方が所属する部署名、役職、時間外労働が今後も続くかどうか、36協定を満たしているかなどについて伝えていただいています。
労災が生じた場合には業務内容、場所、原因、対策についてご報告をしていただいています。

衛生管理者や人事労務担当から前月の職場巡視での指摘事項と、その後の対応を報告(5分程度)

職場巡視で認められた危険な場所について、リスクアセスメントを実施して対応を行うことが理想です。以前に指摘されたことが解決したか(リスクが減ったか)についてもご報告をしていただいています。

産業医から衛生や健康に関する講話(15分程度)

セルフケア、ラインケア、ストレスチェックの活かし方、インフルエンザ、ノロウイルス、花粉症、リスクアセスメント、腰痛、受動喫煙、過重労働、作業環境測定などについて産業医が説明をします。
お客さまのご要望や、厚生労働省が定める審議すべき事項からテーマを決めています。

全員で産業医が取り上げたテーマについて審議(5分程度)

なるべく全員が一言は話せるようにしています。

各委員から職場での衛生や健康の問題点を報告(10分程度)

事由闊達に話をしていただいています。
各委員はその職場の代表としてご参加していただいていますので、職場の意見が委員を通じて衛生委員会で審議できるようにしています。

衛生委員会の終了後

健康診断の確認、職場巡視や不調者との面談などを実施します。
人事労務担当から休職者などの現状をご報告いただくこともあります。
労働基準監督署からの指導があった場合には対策について話し合います。
衛生管理者や人事労務担当がすみやかに議事録を作成し、産業医へ報告します。その後、所定の場所に置き、3年間保存します。

問題点は放置せず、5w1hで取り組もう

衛生委員会を実施した後は議事録を作成しただけで終わらせず、委員会で明らかになった問題点を5w1h(※)に落とし込み、改善していくことが重要です。
※5w1h:いつ(When)、どこで(Where)、だれが(Who)、なにを(What)、なぜ(Why)、どのように(How)
咳をしている人が多いということが話題に上がれば、咳エチケットのポスターを社内に掲示します。インフルエンザワクチンの助成金が話題に上がれば、健保組合への助成金の申請方法や助成額について周知します。衛生委員会で発言しても何も変らないという雰囲気は作らないようにします。

当社が大切にしている衛生委員会のポイント

健康や衛生に関する資料をご用意しています。
衛生委員会をはじめて運営する企業さまからのご依頼をたくさん請け負い、経験が豊富です。一からサポートをいたします。
衛生委員会に参加する委員から意見が出やすい雰囲気づくりをします。

当社は衛生委員会の立ち上げ、運営の経験が豊富です。

衛生委員会の立ち上げ・運営のお問い合わせ

厚生労働省による労災対策の文書や、労働安全・衛生の書籍にはハザードやリスクという言葉がたくさん出てきます。
ハザードとリスクの違いをきちんと理解する必要があります。ハザードを見つけて危険性や有害性を評価します。リスクを明確にしてリスクアセスメント行うことが求められています。

ハザードとは

危ない状態が存在していることです。危険性や有害性ということもあります。
危険性と有害性に分けて考えます。

危険性の分類

有害性の分類例

リスクとは

ハザードによって生じる災害や疾病の重篤さ(軽症であるか重症であるか)と、起こる確率を考慮したものです。

職場の通路にLANケーブルがむき出しで放置されている場合

危険性(ハザード)について、LANケーブルで転倒する危険性があり、転倒で頭を打ったり、骨折をする可能性があるため、疾病の重篤さは重症と評価します。
起こる確率について、誰もが通る通路であり、確率は高いと評価します。
危険性(ハザード)は重症、確率は高いため、リスクは高いと考えます。

有機溶剤を利用しているが、使用量は少なく、プッシュプル型換気装置を利用している場合

有害性(ハザード)について、有機溶剤の種類にもよりますが、時に意識障害、癌などの致死的な健康被害を与えることが多く、疾病の重篤さは重症と評価します。
起こる確率について、換気装置が備えられ、作業環境測定で第1管理区分(空気中に有機溶剤がほとんど含まれていない)であれば、確率は低いと評価します。
危険性は重症、確率は低いため、リスクは中程度と考えます。

リスクを評価することをリスクアセスメントと言う

上記のように危険性・有害性と、起る確率を鑑みてリスクを評価することをリスクアセスメントといいます。
過去に労災があった場所はハザードと考えます。職場巡視の際にハザードを見つけ、それに対してリスクアセスメントを行います。
リスクが高いと考えられたものから優先的に取り組みます。

リスクアセスメントの方法

当社では有機溶剤を扱う事業場ではコントロールバンディングによりリスクアセスメントを実施しています。
それ以外の転落、転倒などのハザードに対してはマトリクス法を用いたリスクアセスメントを実施しています。

当社は職場巡視時を積極的に行い、リスクアセスメントの導入を推奨しています。

お問い合わせはこちら

「片頭痛がある」、「ストレスが強いと頭痛がある」、「肩こりと頭痛がある」、「仕事中だけ頭が締め付けられる」といった慢性的な頭痛についての相談を受けることがあります。
慢性的な頭痛を持つ人は40%と言われており、頭痛の背景にメンタルの問題が潜んでいることがあります。

基礎疾患が無い頭痛

基礎疾患が無い慢性頭痛は主に3種類です。仕事を含めた日常生活に支障が出ている場合は医療機関で治療を行う必要があります。

片頭痛

偏頭痛と書かれていることがありますが、正式には片頭痛です。
頭の中にある動脈(血管)が拡張し、脳内の神経細胞がが刺激されることが原因といわれていますが、病態は解明されていません。
統計では男性の3.6%、女性の12.9%が片頭痛持ちです。
月に数回、拍動性の痛みが片側(時に両側)、数時間から数日続くことが特徴です。
人によっては前兆があり、目の前に光りや暗点が見える閃輝暗点(オーラのように見えているものが歪んだり狭くみえることがある)が現れることがあります。
食事(チーズ、ワイン、チョコレートなど)、月経、ストレスなどとの関連が指摘されています。

緊張型頭痛

産業医面談で一番訴えが多いのは緊張頭痛です。
ストレスなどにより、頭や肩の筋肉が緊張することが原因といわれています。片頭痛と同様に病態は解明されていません。
統計では男性の18.1%、女性の26.4%が緊張性頭痛持ちです。
肩こりを伴うことが多く、頭全体が重くなったり、締め付けられるような痛みが、数時間から数日続くことが特徴です。

群発頭痛

頭の血管の拡張が関係しているといわれています。
統計では圧倒的に男性に多いといわれていますが、群発頭痛持ちは非常に少ないです。
毎年決まった時期、涙を流すほどの著しい痛み、片目の奥が痛む、数十分から数時間続くといったことが特徴です。

頭痛が長引く、酷い頭痛の場合は通院を

片頭痛と思っていても、実際には緊張性頭痛であることがあり、背景にメンタルヘルスの問題が潜んでいることがあります。
頭痛が著しい場合には内科などを受診して下さい。通院しても症状が改善しない場合は、メンタルクリニックへの通院をご検討下さい。メンタルクリニックの外来ではストレスによる緊張性頭痛の方が非常に多いです。

基礎疾患が有る場合の頭痛

基礎疾患がある慢性頭痛は次の通りです。医療機関で治療を行う必要があります。
  • 頭部外傷
  • 頭部の血管障害(脳出血など)
  • 腫瘍
  • 脳炎
  • 薬物(酒や薬物など)
  • 高血圧
  • 眼科や耳鼻科の病気(緑内障、副鼻腔炎など)
  • メンタルヘルスの病気(うつ病など)
労働者を雇い入れた時や、作業内容を変更した時に、遅滞なく安全衛生教育を行う必要があります。
全ての事業場が対象で、5人しか働かない事業場でも実施する義務があります。正社員だけでなくアルバイトなどを含めた全ての労働者が対象です。

安全衛生教育の内容

厚生労働省は以下について教育するように定めています。
  1. 機械等、原材料等の危険性又は有害性及びこれらの取扱い方法に関すること
  2. 安全装置、有害物抑制装置又は保護具の性能及びこれらの取扱い方法に関すること
  3. 作業手順に関すること
  4. 作業開始時の点検に関すること
  5. 当該業務に関して発生するおそれのある疾病の原因及び予防に関すること
  6. 整理、整頓(とん)及び清潔の保持に関すること
  7. 事故時等における応急措置及び退避に関すること
  8. 前各号に掲げるもののほか、当該業務に関する安全又は衛生のために必要な事項

誰が教育担当をするか?

総括安全衛生管理者、衛生管理者、安全管理者、もしくは業務に精通した先輩が教育担当になって下さい。労働衛生コンサルタントなどの外部資源を活用することも可能で、当社にもご依頼がございます。

労働災害は入社間もない、配属間もない、教育を受けていない労働者に多発します。
労働災害は会社にとっても、労働者にとってもデメリットでしかないため、きちんと教育を行えるように時間を確保して下さい。

安全衛生教育の例

以下のような内容のマニュアルを作成します。衛生管理者などが新しく配属された従業員に対してマニュアルの内容を説明します。「自分でマニュアルを読んでおいて」というような教育は不適切です。
1時間程度を確保し、新しく配属された従業員の疑問点を無くすことが理解力を高める上で大切です。
4日以上の業務上疾病で一番多いのが腰痛であり、腰痛についての教育を含めることをお勧めしています。
  • 健康診断の受診
  • 健康診断の結果や長時間労働が健康へ与える影響
  • セクシャルハラスメント、パワーハラスメント
  • 打刻、残業の申請と承認
  • 職場の相談窓口
  • 防災関連(避難経路など)
  • 非常時の連絡網
  • 腰痛対策(重量制限、姿勢)
  • 救急箱の場所
  • 労災の事例
各種法令で排気装置・換気装置の点検が義務化されています。
排気装置を設置してもフィルターに目詰まりがあれば有害物質を除去することはできません。
排気・換気が適切に行われるよう、定期的な自主点検を行って下さい。排気装置の製造業者が推奨する定期メンテナンスも実施して下さい。

点検の実施間隔

一般的なオフィスでの排気装置の点検間隔

事務所衛生基準規則には次のように記載されています。
喫煙室でたばこの煙が拡散する前に吸引して屋外に排出する排気装置(換気扇) を設けた際にも点検をきちんと行って下さい。

事務所衛生基準規則第九条 事業者は、機械による換気のための設備について、はじめて使用するとき、分解して改造又は修理を行なつたとき、及び二月以内ごとに一回、定期に、異常の有無を点検し、その結果を記録して、これを三年間保存しなければならない。

有害な事業場での排気装置の点検間隔

事務所衛生基準規則以外の法令でも排気装置の点検が義務づけられています。これ以外にも排気装置を製造した業者が推奨する定期メンテナンスを実施することも忘れないで下さい。
職場巡視の際に、長年利用している排気装置ではファンの回転速度の低下、フィルターやダクトのつまりを見つけることがあります。スモークテスターやガス採取器を用いて排気装置の性能を評価します。
法令 排気装置 実施間隔 保存期間
有機則 局所排気装置 プッシュプル型換気装置 1年以内 3年
鉛則 局所排気装置
プッシュプル型換気装置
除じん装置
1年以内 3年
特化則 局所排気装置
プッシュプル型換気装置
除じん装置
廃液処理装置
1年以内 3年
特定化学設備など 2年以内 3年
電離則 ガンマ線照射装置 1ヶ月以内 3年
粉じん則 局所排気装置
プッシュプル型換気装置
除じん装置
1年以内 3年
石綿則 局所排気装置
プッシュプル型換気装置
除じん装置
1年以内 3年

作業主任者は特定の業種で選任が義務づけられています。
危険業務を行う事業場で従事する労働者の指揮、使用する機械等の点検、機械等に異常を認めたときの必要な措置、安全装置等の使用状況の監視等の役割を担います。

有機溶剤や放射線業務などを扱う事業場では重大な労働災害を起こす可能性があり、労働者数に関係無く作業主任者を選任する必要があります。

作業主任者の選任

下記の作業では、労働者数に関係無く作業主任者を選任する必要があります。産業医や衛生管理者を選任する際には労働基準監督署へ報告をする義務がありますが、作業主任者の選任については報告義務はありません。
作業主任者を選任した際には、作業主任者の氏名及びその者に行わせる業務内容を作業場の見やすい箇所に掲示して、労働者に周知させる必要があります。
一酸化炭素(特化則で規制)が発生する作業、トルエンなどの有機溶剤を扱う作業は比較的多くの事業場で認められますが、作業主任者を選任する必要があります。
  • 高圧室内作業(高圧室内作業主任者免許)
  • アセチレン溶接装置又はガス集合溶接装置を用いて行なう金属の溶接、溶断又は加熱の作業(ガス溶接作業主任者免許)
  • 機械集材装置若しくは運材索道の組立て、解体、変更若しくは修理の作業又はこれらの設備による集材若しくは運材の作業(林業架線作業主任者免許)
  • ボイラー(小型ボイラーを除く。)の取扱いの作業(取り扱うボイラーの電熱面積等により、特級・1級・2級ボイラー技士免許、ボイラー取扱技能講習)
  • 放射線業務に係る作業(エックス線作業主任者免許)
  • ガンマ線照射装置を用いて行う透過写真の撮影の作業(ガンマ線透過写真撮影作業主任者免許)
  • 木材加工用機械を5台以上有する事業場において行なう当該機械による作業(木材加工用機械作業主任者技能講習)
  • 動力により駆動されるプレス機械を5台以上有する事業場において行なう当該機械による作業(プレス機械作業主任者技能講習)
  • 危険物等に係る乾燥設備等による物の加熱乾燥の作業(乾燥設備作業主任者技能講習)
  • コンクリート破砕器を用いて行う破砕の作業(コンクリート破砕器作業主任者技能講習)
  • 掘削面の高さが2メートル以上となる地山の掘削(地山の掘削及び土止め支保工作業主任者技能講習)
  • 土止め支保工の切りばり又は腹おこしの取付け又は取りはずしの作業(地山の掘削及び土止め支保工作業主任者技能講習)
  • ずい道等の掘削の作業又はこれに伴うずり積み、ずい道支保工の組立て、ロツクボルトの取付け若しくはコンクリート等の吹付けの作業(ずい道等の掘削等作業主任者技能講習)
  • ずい道等の覆工の作業(ずい道等の覆工作業主任者技能講習)
  • 掘削面の高さが2メートル以上の岩石の採取のための掘削の作業(採石のための掘削作業主任者技能講習)
  • 高さが2メートル以上のはいのはい付け又ははいくずしの作業(はい作業主任者技能講習)
  • 船舶に荷を積み、船舶から荷を卸し、又は船舶において荷を移動させる作業(船内荷役作業主任者技能講習)
  • 型わく支保工の組立て又は解体の作業(型わく支保工の組立て等作業主任者技能講習)
  • つり足場、張出し足場又は高さが5メートル以上の構造の足場の組立て解体又は変更の作業(足場の組立て等作業主任者技能講習)
  • 高さが5メートル以上の建築物の骨組み又は塔で、金属製の部材で構成されるものの組立て、解体又は変更の作業(建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者技能講習)
  • 金属製の橋梁の上部構造(高さが5メートル以上又は橋梁の支間が30メートル以上)の架設、解体又は変更の作業(鋼橋架設等作業主任者技能講習)
  • 軒の高さが5メートル以上の木造建築物の構造部材の組立て又はこれに伴う屋根下地若しくは外壁下地の取付けの作業(木造建築物の組立て等作業主任者技能講習)
  • 高さが5メートル以上のコンクリート造の工作物の解体又は破壊の作業(コンクリート造の工作物の解体等作業主任者技能講習)
  • コンクリート造の橋梁の上部構造(高さが5メートル以上又は橋梁の支間が30メートル以上)の架設又は変更の作業(コンクリート橋架設等作業主任者技能講習)
  • 第一種圧力容器の取扱いの作業(特級・1級・2級ボイラー技士免許、化学設備関係第一種圧力容器取扱作業主任者技能講習、普通第一種圧力容器取扱作業主任者技能講習)
  • 特定化学物質等を製造し、又は取り扱う作業(特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習)
  • 鉛業務に係る作業(鉛作業主任者技能講習)
  • 四アルキル鉛等業務に係る作業(特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習)
  • 酸素欠乏危険場所における作業
  • 酸素欠乏危険作業場所における作業(酸素欠乏危険作業主任者技能講習又は酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習)
  • 酸素欠乏症、硫化水素中毒の危険場所における作業(酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習)
  • 屋内作業場、タンク、船倉、坑の内部その他一定の場所において有機溶剤を製造し、又は取り扱う作業(有機溶剤作業主任者技能講習)
  • 石綿等を取り扱う作業又は石綿等を試験研究のため製造する作業(石綿作業主任者技能講習)

作業主任者になるための要件

都道府県労働局長の免許を持つ(免許を取得する)か、都道府県労働局長等が行う技能講習を修了(講習会への参加)する必要があります。
危険業務の内容によって作業主任者になるための要件が異なります。

屋内でトルエンを使う事業場での作業主任者の例

トルエンは有機則(有機溶剤中毒予防規則)の第2種有機溶剤です。
「屋内作業場、タンク、船倉、坑の内部その他一定の場所において有機溶剤を製造し、又は取り扱う作業」に該当するため作業主任者を選任する必要があります。
有機溶剤作業主任者技能講習(2日間で実施されることが多い)を受講すれば作業主任者になれます。
※安全管理者、衛生管理者の免許だけでは作業主任者になることはできません。
総括安全衛生管理者は事業場の安全と衛生を管理する責任者です。
業種によって異なりますが、一定の労働者数の事業場で総括安全衛生管理者の選任義務があります。

総括安全衛生管理者になるための要件

事業場を総括する実質的な権限をもつ者を任命します。 工場長、支社長、総務部長などが担当することが一般的です。安全管理者や衛生管理者の資格は不要です。
ただ、総括安全衛生管理者は安全や衛生業務の責任者のため、安全や衛生に関する知識を備えていることが必要です。総括安全衛生管理者は安全管理者や衛生管理者の資格を持っていることが望ましいです。

総括安全衛生管理者の業務

  • 安全管理者、衛生管理者などを指揮
  • 労働者の危険または健康障害を防止するための措置
  • 労働者の安全または衛生のための教育の実施
  • 健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置
  • 労働災害の原因の調査及び再発防止対策
  • その他労働災害を防止するため必要な業務

総括安全衛生管理者を選任すべき事業場

業種によって条件が異なりますが、それぞれの事業場で労働者数が一定以上となった場合に選任する必要があります。
林業、鉱業、建設業、運送業、清掃業→100人以上
製造業(物の加工業を含む。)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・じゅう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゅう器等小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業及び機械修理業→300人以上
その他の業種→1,000人以上

これらの労働者数数を満たす業種や事業場は限られています。建設業、運輸業、製造業で総括安全衛生管理者を選任する機会が多く、その他の業種では比較的少ないです。
参照:労働者数と総括安全衛生管理者・衛生管理者・安全管理者・産業医選任の早見表

有機溶剤のうち、人体への影響が大きいと考えられている物質は有機溶剤中毒予防規則(有機則)で規制されています。
有機溶剤を利用する場合には、有機則に従って職場の管理を行う必要があります。

規制物質

有機則では有機溶剤を第1から第3種有機溶剤に分類しています。有機則では次の44種類の物質が指定されています。
第1種が最も人体へ危険性が高く、第3種は比較的危険性が低いと考えられています。
基本的には第1種や第2種有機溶剤を利用せず、第3種もしくは有機則で規制されていない物質に変更すべきです。

第1種有機溶剤(2物質)

  • 1,2-ジクロルエチレン
  • 二硫化炭素

第2種有機溶剤(35物質)

  • アセトン
  • イソブチルアルコール
  • イソプロピルアルコール
  • イソペンチルアルコール
  • エチルエーテル
  • エチレングリコールモノエチルエーテル
  • エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
  • エチレングリコールモノ―ノルマル―ブチルエーテル
  • エチレングリコールモノメチルエーテル
  • オルト-ジクロルベンゼン
  • キシレン
  • クレゾール
  • クロルベンゼン
  • 酢酸イソブチル
  • 酢酸イソプロピル
  • 酢酸イソペンチル
  • 酢酸エチル
  • 酢酸ノルマル―ブチル
  • 酢酸ノルマル―プロピル
  • 酢酸ノルマル―ペンチル
  • 酢酸メチル
  • シクロヘキサノール
  • シクロヘキサノン
  • N・N―ジメチルホルムアミド
  • テトラヒドロフラン
  • 1,1,1-トリクロルエタン
  • トルエン
  • ノルマルヘキサン
  • 1-ブタノール
  • 2-ブタノール
  • メタノール
  • メチルエチルケトン
  • メチルシクロヘキサノール
  • メチルシクロヘキサノン
  • メチル―ノルマル―ブチルケトン

第3種有機溶剤(7物質)

  • ガソリン
  • コールタールナフサ
  • 石油エーテル
  • 石油ナフサ
  • 石油ベンジン
  • テレビン油
  • ミネラルスピリット

適用業務

屋内で有機溶剤を利用する業務には有機則が適用されます。
  1. 有機溶剤等を製造する工程における有機溶剤等のろ過、混合、攪拌、加熱又は容器若しくは設備への注入の業務
  2. 染料、医薬品、農薬、化学繊維、合成樹脂、有機顔料、油脂、香料、甘味料、火薬、写真薬品、ゴム若しくは可塑剤又はこれらのものの中間体を製造する工程における有機溶剤等のろ過、混合、攪拌又は加熱の業務
  3. 有機溶剤含有物を用いて行う印刷の業務
  4. 有機溶剤含有物を用いて行う文字の書込み又は描画の業務
  5. 有機溶剤等を用いて行うつや出し、防水その他物の面の加工の業務
  6. 接着のためにする有機溶剤等の塗布の業務
  7. 接着のために有機溶剤等を塗布された物の接着の業務
  8. 有機溶剤等を用いて行う洗浄又は払しよくの業務
  9. 有機溶剤含有物を用いて行う塗装の業務
  10. 有機溶剤等が付着している物の乾燥の業務
  11. 有機溶剤等を用いて行う試験又は研究の業務
  12. 有機溶剤等を入れたことのあるタンク(有機溶剤の蒸気の発散するおそれがないも のを除く)の内部における業務

有機則に載っていない有機溶剤は安全といえるか

法令で規制されていない物質の全てが安全とは言えません。
新規に輸入・製造される化学物質は毎年1,000物質あります。それらの多くは市中に出て間もないため、安全性が評価されていません。
現在、比較的安全な物質として利用されていても、数十年後には有害であるという評価に変ることもあります。
また、多くの有機溶剤は大量に体内入ると中毒症状を及ぼすことが分かっています。
基本的には法令で規制されている物質(有機則は第1種、第2種。特化則は全て)を利用しないことが望ましいです。規制されていなくても、有機溶剤は有害なものと考えて下さい。

コントロールバンディングによるリスクアセスメントを実施しよう

平成28年6月1日、労働安全衛生法が改正され、SDS交付義務の対象となる物質(※平成29年3月1日時点で663物質)について事業場におけるリスクアセスメントが義務付けられました。
多くの有機溶剤がSDS交付義務となっています。
コントロールバンディングを行うと簡単に有機溶剤のリスクアセスメントを実施することができます。「化学物質の有害性」、「物理的形態(揮発性・飛散性)」、「取扱量」の3つの要素からリスクレベルを評価でき、工学的な対策を決定することができます。
有害性の低い物質を使う、揮発性の低い物質を使う、物理的に囲う、使用量を減らすといった当たり前の対策を行うことによって安全性を高めることができます。
最初から防護具(防護マスクなど)を利用するという対策は不適切であり、作業環境管理から実施します。
有機溶剤は他の物質を溶かす性質を持つ有機化合物の総称です。トルエンやガソリンといった有名な物質は色々な業界で用いられている有機溶剤です。
有機溶剤は人体に対して悪影響を及ぼすため各種法令で規制され、作業環境管理などを実施する必要があります。

有機溶剤の用途

製造業、印刷業、サービス業といった幅広い業種で利用されています。
当社のお客さまでは印刷のインク、半導体の洗浄、検体の検査、衣料品の製造、ゴム製品の接着などの業務で利用されています。

有機溶剤の健康への影響

有機溶剤は肺、消化管、皮膚、眼などから体内に吸収され、人体へ悪影響を及ぼすことがあります。
常温では液体です。揮発性が非常に高いため、常温でも気化して空気中に物質が広がり、広範囲に健康被害を及ぼします。有機溶剤の匂いがすれば、有機溶剤が気化し、空気中に漂っているということを意味します
参照:有機溶剤の問題点

有機溶剤の内、人体への影響が大きいと考えられている物質は、有機溶剤中毒予防規則(有機則)で規制されています。br /> 参照:有機溶剤中毒予防規則(有機則)

有機溶剤と関係する病気

慢性的に有機溶剤を用いると重篤な健康被害を起こすことがあります。ベンゼンは再生不良性貧血(白血病の一種)、メタノールは視力障害、二硫化炭素は精神症状、ノルマルヘキサンは神経障害が有名です。
多くの有機溶剤では急性症状を起こします。頭痛、めまい、意識消失、皮膚炎、肺炎などの症状が認められます。有機溶剤を利用する事業場で体調の変化があった場合には有機溶剤による急性中毒を疑います。

有機溶剤を利用する際の対策

原則は第1種、第2種有機溶剤を利用せずに、安全と考えられる代替物質に置き換えてください。
海外ではトルエンフリーの製品が利用されるようになっています。有機溶剤の製造・販売業者に問い合わせをすると、代替物質を提案してもらえる可能性があります。
有機則で規制される物質を利用する際には、最小限しか利用しないことが大切です。
発生源を密閉する、局所排気装置などで換気するといった作業環境管理での対応が必要です。
保護具(防護衣、防護メガネ、防毒マスク)は作業環境管理を実施した後に検討しますが、有機溶剤の種類に応じた適切なものを利用します。SDSにはそれぞれの有機溶剤が人体にどのような影響があるのかが記載されており、防護具を選ぶ際には必ずSDSを読む必要があります。。

利用量が許容消費量以下の場合にも、有機溶剤への対応は必要です。
参照:有機溶剤を少ししか利用していない事業場の対応

排気装置・換気装置

有機溶剤中毒予防規則(有機則)に該当する物質を利用する職場では換気が必要となります。
屋内作業場において有機溶剤業務に労働者を従事させるときは、その作業場所に有機溶剤の蒸気の発散源を密閉する設備、局所排気装置、プッシュプル型換気装置等を設けなければなりません。

局所排気装置は発生源の近くにフード、ダクト、ファンなどを設置し、有害物質が発生源から作業場に広がる前に吸引する換気装置のことです。

プッシュプル型換気装置は作業者の後方から送気し、作業者の前方及び発生源近くから排気する換気装置のことです。風の流れを作るため効率的に有害物を排気することができますが、設備が大規模になり、導入コストが高くなります。風下で作業をすると有害物質に暴露するため、風上で作業をする必要があります。

有機則で定められている換気装置

第1種有機溶剤
発散源の密封、局所排気装置、プッシュプル型換気装置のいずれか

第2種有機溶剤
発散源の密封、局所排気装置、プッシュプル型換気装置のいずれか

第3種有機溶剤をタンク等の内部で吹き付ける作業
発散源の密封、局所排気装置、プッシュプル型換気装置のいずれか

第3種有機溶剤をタンク等の内部で吹きつけ以外の作業
全体換気でも可

例えばトルエンを利用する事業場では、トルエンは第2種有機溶剤のため、発散源の密封、局所排気装置、プッシュプル型換気装置のいずれかを実施する必要があります。
排気装置・換気装置を設置した場合は、定期的な点検を行う必要があります。
参照:排気装置の定期自主点検

排気装置で対応する前に、有機則で規制される物質から安全な代替物質に変える、物質の使用量を減らすことを行って下さい。

呼吸保護具

マスク、ゴーグル、手袋といった有害な物質から体を保護する用具のことを保護具と言います。
呼吸保護具は防塵マスクや毒ガスマスクなどのことです。

有機溶剤は風邪をひいたときに用いる市販のマスク、結核などの空気感染からの感染を防ぐ目の細かいマスク(N95など)、石綿(アスベスト)などの粉じんを吸い込むことを防ぐ防じんマスクでは暴露を防ぐことはできません。
時々、トルエンなどの有機則で規制されている物質を扱う事業場で市販のマスクをして作業をしている労働者を見かけますが、これは好ましくありません。何となく有機溶剤の匂いが減るように感じますが、市販の不織布マスクを有機溶剤は通過するため、効果はありません。

有機溶剤用のマスクはいわゆる毒ガスマスクのような形をしています。
毒ガスマスクには缶(炭や繊維などが入っている)が入っており、そこで有害物質の除去を行います。

有機溶剤は皮膚や眼からも吸収されるため、保護手袋やゴーグルの着用が必要です。

有機則の呼吸保護具の注意事項

臨時・短時間の有機溶剤業務、発散面の広い有機溶剤業務等を行う場合で、局所排気装置等を置かない場合、送気マスクまたは有機ガス用防毒マスクを使用させなければなりません。
有機溶剤に合った防毒マスクの缶(色、物質名を確認する)を選び、本人の顔の形に合った防毒マスクを選定してマスクの縁から空気漏れが無いことを確認して下さい。
酸欠の可能性がある場所では必ず酸素を送れるマスク(送気マスクなど)を選んで下さい。

有機溶剤を利用する場合の健康診断

有機則で定められている有機溶剤を利用する場合には定期健康診断だけでなく、特殊健康診断を受ける必要があります。
雇い入れ時、配置替え時だけでなく、6ヶ月に1回の特殊健康診断を実施して下さい。
体調に変化がある場合にはすみやかに産業医に相談をして下さい。

有機則による特殊健康診断の健診項目

健診を受ける労働者が関わる有機溶剤の種類により、必須検査項目が定められています。
また、医師が必要と認めた場合に検査項目追加されます。

有機溶剤の種類

A:キシレン、スチレン、トルエン、1・1・1-トリクロルエタン、ノルマルヘキサン
B:N・N-ジメチルホルムアミド、トリクロルエチレン、テトラクロルエチレン
C:クロルベンゼン、オルトジクロルベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素、1・4-ジオキサン、1・2-ジクロルエタン、1・2-ジクロルエチレン、1・1・2・2-テトラクロルエタン、クレゾール
D:エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル
E:二硫化炭素

必須検査項目

  • 業務の経歴の調査
  • 有機溶剤による健康障害の既往歴、自覚症状及び他覚症状、異常所見の有無の調査
  • 自覚症状または他覚症状の有無の検査
  • 尿中の有機溶剤の代謝物の量の検査→上のA、Bの物質のみ
  • 尿中の蛋白の有無の検査
  • 肝機能検査→上のB、Cの物質のみ
  • 貧血検査→上のDの物質のみ
  • 眼底検査→上のEの物質のみ

医師が必要と認めた場合に行う項目

  • 作業条件の検査
  • 貧血検査
  • 肝機能検査
  • 腎機能検査
  • 神経内科学的検査