衛生管理の知識

労働者数と衛生管理者・産業医などの選任の早見表

労働者が50名以上の事業場では、衛生委員会を設置・実施する必要があります。
また、労働者の数に応じて衛生管理者と産業医を選任(労働者数や業種に応じて専任)する必要があります。
業種によって選任の要件が異なるので、一般的なサービス業を想定しています。

労働者数と衛生管理者・安全管理者・安全衛生推進者・衛生推進者・産業医の選任の早見表

労働者が50名以上の事業場では衛生管理者と産業医、さらに業種によっては安全管理者を選任する義務があります。10-49名の事業場では安全衛生推進者もしくは衛生推進者を選任する義務があります。
50名以上の事業場での安全管理者、10-49名の事業場での安全衛生推進者と衛生推進者の選任漏れが散見されます。
※選任ですので、人事や総務課などの他の業務と併任することが可能です。

法令では衛生管理者の選任にかかる労働者数は「超」、産業医は「以上」と記載されています。以下表は産業医の人数に基準を合わせて作成をしています。

労働者数 選任すべき資格者 衛生管理者の人数 産業医の人数 衛生委員会設置の要否
1-9人 なし 0人 0人 ×
10-49人 衛生推進者
(※ 安全衛生推進者)
0人(衛生推進者が1人必要) 0人 ×
50人- 衛生管理者
産業医
(※ 安全管理者)
1人 1人(嘱託産業医)
200人- 衛生管理者
産業医
(※ 安全管理者)
2人 1人(嘱託産業医)
500人- 衛生管理者
産業医
(※ 安全管理者)
3人 1人(嘱託産業医、一部業種では専属産業医)
1,000人- 衛生管理者
産業医
(※ 安全管理者)
4人 1人(専属産業医)
2,000人- 衛生管理者
産業医
(※ 安全管理者)
5人 1人(専属産業医)
3,000人- 衛生管理者
産業医
(※ 安全管理者)
6人 2人(専属産業医)

安全推進者や安全管理者の選任が必要な業種

労働災害が多い、事故が多い業種では労働者数に応じて安全推進者や安全管理者を選任する義務があります。
小売店において安全推進者や安全管理者が未選任な場合が目立ちます
労働者数 林業、鉱業、建設業、運送業、清掃業、製造業、加工業、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具、建具、じゅう器等卸売業、各種商品小売業、家具、建具、じゅう器小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業、機械修理業 左記以外の事業場
1-9名 選任は不要 選任は不要
10-49名 安全衛生推進者 衛生推進者
50名- 安全管理者
衛生管理者
産業医
衛生管理者
産業医

総括安全衛生管理者の選任が必要な労働者数

労働者数に応じて総括安全衛生管理者を選任する必要がありますが、業種によって要件が異なります。
現場監督、工場長、施設長、総務部長といった事業場を代表される方から選びます。衛生管理者や安全管理者の資格は不要ですが、安全や衛生を統括する立場であり、これらの資格を持っているほうが望ましいです。
当社のお客さまでは建設業、運輸業、製造業で総括安全衛生管理者を選任されている事例が多いです。
業種 労働者数
林業、鉱業、建設業、運送業、清掃業 100人以上
製造業(物の加工業を含む)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・じゅう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゅう器等小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業及び機械修理業 300人以上
その他の業種 1,000人以上