衛生管理の知識

職場で相談を受けることが多い頭痛

「片頭痛がある」、「ストレスが強いと頭痛がある」、「肩こりと頭痛がある」、「仕事中だけ頭が締め付けられる」といった慢性的な頭痛についての相談を受けることがあります。
慢性的な頭痛を持つ人は40%と言われており、頭痛の背景にメンタルの問題が潜んでいることがあります。

基礎疾患が無い頭痛

基礎疾患が無い慢性頭痛は主に3種類です。仕事を含めた日常生活に支障が出ている場合は医療機関で治療を行う必要があります。

片頭痛

偏頭痛と書かれていることがありますが、正式には片頭痛です。
頭の中にある動脈(血管)が拡張し、脳内の神経細胞がが刺激されることが原因といわれていますが、病態は解明されていません。
統計では男性の3.6%、女性の12.9%が片頭痛持ちです。
月に数回、拍動性の痛みが片側(時に両側)、数時間から数日続くことが特徴です。
人によっては前兆があり、目の前に光りや暗点が見える閃輝暗点(オーラのように見えているものが歪んだり狭くみえることがある)が現れることがあります。
食事(チーズ、ワイン、チョコレートなど)、月経、ストレスなどとの関連が指摘されています。

緊張型頭痛

産業医面談で一番訴えが多いのは緊張頭痛です。
ストレスなどにより、頭や肩の筋肉が緊張することが原因といわれています。片頭痛と同様に病態は解明されていません。
統計では男性の18.1%、女性の26.4%が緊張性頭痛持ちです。
肩こりを伴うことが多く、頭全体が重くなったり、締め付けられるような痛みが、数時間から数日続くことが特徴です。

群発頭痛

頭の血管の拡張が関係しているといわれています。
統計では圧倒的に男性に多いといわれていますが、群発頭痛持ちは非常に少ないです。
毎年決まった時期、涙を流すほどの著しい痛み、片目の奥が痛む、数十分から数時間続くといったことが特徴です。

頭痛が長引く、酷い頭痛の場合は通院を

片頭痛と思っていても、実際には緊張性頭痛であることがあり、背景にメンタルヘルスの問題が潜んでいることがあります。
頭痛が著しい場合には内科などを受診して下さい。通院しても症状が改善しない場合は、メンタルクリニックへの通院をご検討下さい。メンタルクリニックの外来ではストレスによる緊張性頭痛の方が非常に多いです。

基礎疾患が有る場合の頭痛

基礎疾患がある慢性頭痛は次の通りです。医療機関で治療を行う必要があります。
  • 頭部外傷
  • 頭部の血管障害(脳出血など)
  • 腫瘍
  • 脳炎
  • 薬物(酒や薬物など)
  • 高血圧
  • 眼科や耳鼻科の病気(緑内障、副鼻腔炎など)
  • メンタルヘルスの病気(うつ病など)