衛生管理の知識

電気の延長コードやLANケーブルによる転倒

業務上の死傷災害は、墜落・転落、挟まれ・巻き込まれや、転倒、動作の反動・無理な動作が原因の場合が多いです。
墜落・転落と挟まれ・巻き込まれの件数は減少傾向にありますが、転倒と動作の反動・無理な動作の件数は増えています。
一般的なオフィスでは延長コードやLANケーブルによる転倒が目立ちます。

オフィス内のコードによる転倒、労災が目立ちます

オフィスで職場巡視をする際に、電源の延長コードや、LANケーブルが通路上に走ってる場面を見かけることがあります。また、従業員から「時々ケーブルに足が引っかかります」と訴えられることがあります。転倒を防ぐためにも床はスッキリさせておくことが望ましいです。

床下にケーブルを収納

二重床(OAフロア)の場合には、面倒かもしれませんが、カーペットをめくって床下に配線を引き直すことをお勧めします。

床に密着させる

ケーブルの上にモールを置いて床と密着させたり、暫定的であればガムテープで床にケーブルを貼り付けることも有用です。

天井からケーブルを吊す

床下以外にも天井からコードを吊り下げることも通路の確保が容易となります。製造業などでは一般的な方法です。

壁沿いにケーブルを張る

壁沿いであれば足に引っかかる可能性が低くなるため、ケーブルは壁沿いに固定する方法もあります。しかし、大きな事務所では、全てのケーブルを壁沿いに固定することは不可能です。

業種や事業場によっては業務用延長コードの利用を

市販されている延長コードのほとんどは家庭用です。暑熱、物理的な圧迫、雨などにさらされる職場では業務用の延長コードを利用して下さい。
一般的に一つのコンセントあたり1500Wの使用電力となっています。延長コードを利用する際には使用する電化製品の消費電力を確認した上で利用して下さい。特に、暖房器具、コピー機、ラミネーター、シュレッダー、デスクトップ型パソコンなどのは相対的に消費電力が多く、たこ足配線でこれらの器具をつないで利用すると火災の原因となることがあります。