衛生推進者と安全衛生推進者
労働者10名から49名の事業場では衛生推進者もしくは安全衛生推進者、50名以上の場合は衛生管理者(業種によっては安全管理者も)を選任する義務があります。
ここでは衛生推進者と安全衛生推進者について説明をします。
ここでは衛生推進者と安全衛生推進者について説明をします。
衛生推進者や安全衛生推進者を選任していない事業場が非常に多いです
統計局のデータによると、我が国において、労働者が49名以下の企業は95%となっています。10名から49名の事業場では衛生推進者もしくは安全衛生推進者を選任する義務がありますが、選任漏れが非常に多いようです。理由の一つは衛生推進者や安全衛生推進者を労働基準監督署へ届け出る必要が無いからです。
一方、50名以上の事業場では産業医と衛生管理者の選任及び衛生委員会の設置が義務となります。産業医と衛生管理者の選任届け(選任報告という紙に記載して提出)を労働基準監督署へ届け出る必要があり、50名以上の事業場では産業保健のスタッフをきちんと選任している事業場が多いようです。
10名から49名の事業場でも労働基準監督署の臨検はあります
小規模の事業場であっても、労働基準監督署の監督官が臨検に来ることがあります。臨検に来るから衛生推進者や安全衛生推進者を選任するというのは好ましい理由ではありませんが、職場の健康、衛生、安全を管理するために選任をして下さい。
事業場単位で労働者数を数えるため、本社が100名、支店が20名という企業では、本社は産業医や衛生管理者、支店は衛生推進者を選任する必要があります。
衛生推進者とは
衛生推進者を選任する必要がある業種
林業、鉱業、建設業、運送業、清掃業、製造業、加工業、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具、建具、じゅう器等卸売業、各種商品小売業、家具、建具、じゅう器小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業、機械修理業以外の業種で、労働者が10名から49名の事業場では衛生推進者を選任する必要があります。例えば、当社のお客さまでは人材派遣業、不動産業などで衛生推進者を選任されています。
衛生推進者の業務
次の業務のうち、衛生に係る業務を行います。- 施設、設備等(安全装置、労働衛生関係設備、保護具等を含む。)の点検及び使用状況の確認並びにこれらの結果に基づく必要な措置に関すること
- 作業環境の点検(作業環境測定を含む。)及び作業方法の点検並びにこれらの結果に基づく必要な措置に関すること。
- 健康診断及び健康の保持増進のための措置に関すること
- 安全衛生教育に関すること
- 異常な事態における応急措置に関すること
- 労働災害の原因の調査及び再発防止対策に関すること
- 安全衛生情報の収集及び労働災害、疾病・休業等の統計に関すること
- 関係行政機関に対する安全衛生に係る各種報告、届出等に関すること
安全衛生推進者
安全衛生推進者を選任する必要がある業種
林業、鉱業、建設業、運送業、清掃業、製造業、加工業、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具、建具、じゅう器等卸売業、各種商品小売業、家具、建具、じゅう器小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業、機械修理業の業種で、労働者が10名から49名の事業場では安全衛生推進者を選任する必要があります。例えば、当社のお客さまでは製造業、通信業、小売業などで安全衛生推進者を選任されています。
安全衛生推進者の業務
次の業務のうち、安全と衛生に係る業務を行います。- 労働者の危険又は健康障害を防止するための措置に関すること
- 労働者の安全又は衛生のための教育の実施に関すること
- 健康診断の実施その他健康の保持増進のための措置に関すること
- 労働災害の原因の調査及び再発防止対策に関すること
- 安全衛生に関する方針の表明に関すること
- 労働安全衛生法第28条の2第1項の危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置に関すること
- 安全衛生に関する計画の作成、実施、評価及び改善に関すること
衛生推進者と安全衛生推進者だけで衛生と安全に係る業務を行うことは困難、産業医の活用を
労働者が10-49名の職場で、衛生推進者や安全衛生推進者が他の業務を兼任して行う(人事労務担当者が衛生管理者や安全衛生推進者を兼任されることが多い)ことは大変です。
小規模の事業場であっても、産業医、顧問医、労働衛生コンサルタントと契約することをおすすめします。