衛生管理の知識

熱中症

熱中症は仕事と無関係ではなく、熱中症による労災が多発しています。
企業活動においても熱中症対策をきちんと行って下さい。

熱中症の労災は非常に多い

4日以上の業務上疾病(労災)で一番多いのが腰痛、次いで熱中症です。
平成28年のデータでは業務上疾病に占める割合は腰痛が65%、熱中症が6%で、これらで全体の約70%となります。

熱中症対策は春頃から

過去5年の月別の熱中症の死傷者数をみると、全体の9割が7月と8月に発生していますが5月や6月といった本格的に暑くなる前の時期にも熱中症が発生しています。
当社では春頃に熱中症対策についての資料をお渡しし、衛生委員会や安全衛生委員会で解説をしています。

熱中症対策は定位的な飲水と休憩が基本、もちろん体調管理も

定期的な飲水(できれば塩分も)と休憩が大切です。
喉が渇いてから飲ませる、仕事が一段落してから休む、これらは不適切です。
熱中症が重症化すると喉の渇きが感じられず、自ら水を飲むことができなくなります。
休憩時間より前に症状が悪化することがあり、暑熱下では高頻度で定期的に飲水や休憩を義務化して下さい。

休憩時間などの目安

WBGT(暑さ指数。温度湿度から計算。温度計より熱中症に有用)が28℃以上の場合、仕事の開始前に体調の確認を行う、30分もしくは60分毎に10分の休憩を設ける、エアコンが十分に効いた場所で休む、水分と塩分を定期的に採る、といったことを実施して下さい。
もちろん、飲酒やたばこを控える、健康診断の異常所見を減らすことを含め、日頃の健康管理が重要です。

熱中症は労災、時に致死的となる

残念ながら毎年熱中症による労災で命を落とす方がいらっしゃいます。
産業医などの協力の下で熱中症対策を実施して下さい。