梶本隆夫産業医がNHKの取材を受けました。こちらからご覧ください。

健康診断の診断区分は健康診断機関の医師が判行います。健康診断実施後の就業上の措置(通常勤務、就業制限、要休業)は産業医が判定します。これらは全事業場で実施する義務があります。

健康診断実施後の保健指導は努力義務です。

健康診断の診断区分を判定する医師は健康診断機関の医師

事業者は労働安全衛生法第66条第1項から第4項までの規定に基づき、労働者に対し医師等による健康診断を実施し、当該労働者ごとに診断区分(異常なし、要観察、要医療など)に関する医師等の判定を受ける必要があります。
この診断区分を実施する医師等は産業医では無く、健康診断機関の医師です。産業医は健診結果の診断区分の「判定」する必要はなく、「確認」をすれば足りるものと考えられています。

健康診断実施後の就業上の措置を判定する医師は産業医

事業者は労働安全衛生法第66条の4の規定に基づき、健康診断の項目に異常の所見がある労働者に対して、医師等から就業上の措置についての意見を聴く必要があります。
この診断区分を実施する医師等は産業医です。産業医の選任義務のない事業場(労働者が50名未満)においても医師等から意見を聴く義務があります。労働者数に関係なく、全ての事業場で実施する必要があるため、本社の産業医や当社などを活用して下さい。

産業医による就業上の措置についての意見の内容

産業医は健康診断の結果を確認し、通常勤務、就業制限、要休業といった3区分で判定します。健康診断が行われた日もしくは労働者が健康診断の結果を事業者に提出した日から三月以内に行います。
有所見者を含め、ほとんどの労働者が通常勤務に区分されます。著しい健康診断結果の異常(例えば血圧や血糖が極めて高い、貧血が著しいなど)の場合は就業制限に区分されることがあります。要休業とすることはほとんどありません。

通常勤務

通常の勤務でよいものです。9割以上がこれに区分されます。

就業制限

勤務に制限を加える必要のあるものです。勤務による負荷を軽減するため、労働時間の短縮、出張の制限、時間外労働の制限、労働負荷の制限、作業の転換、就業場所の変更、深夜業の回数の減少、昼間勤務への転換等の措置を講じます。
当社では週5日、フルタイム、日勤、残業禁止、出張禁止、心身への負荷がかかる業務禁止、通院の時間の確保などという意見を付すことが多いです。

要休業

勤務を休む必要のあるもので、療養のため、休暇、休職等により一定期間勤務させない措置を講じます。

要休業とした場合、欠勤による休業補償が発生する可能性があります。労働安全衛生法第68条、労働安全衛生規則第61条による「病者の就業禁止」は、慎重に行う必要があります。就業禁止とする場合は、労働安全衛生規則第61条第2項によりあらかじめ産業医などの意見を聴く必要があります。

(休業手当)第二十六条 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。

産業医からの意見の聴取方法

産業医は労働安全衛生規則等に基づく健康診断の個人票の医師等の意見欄に、就業上の措置に関する意見を記入します。
事業場によっては個人票ではなく、健診結果に意見を記載することもあり、こちらが一般的な運用のようです。

就業措置を実施する前に労働者からの意見聴取を

>事業者は、産業医の意見に基づいて、就業区分に応じた就業上の措置を決定する場合には、あらかじめ当該労働者の意見を聴きます。十分な話合いを通じてその労働者の了解が得られるよう努めて下さい。

健診結果後の保健指導は努力義務

脂質異常症、高血圧症、糖尿病、肥満、肝機能障害などは生活習慣を変えることで改善することがあります。薬による治療を行っている場合も生活習慣を変えなければ数値が良くならないことがあります。これらのため保健指導はとても大切です。

事業者は、労働者の自主的な健康管理を促進するため、一般健康診断の結果、特に健康の保持に努める必要があると認める労働者に対して、医師又は保健師による保健指導を受けさせる努力義務があります。保健指導を通じて疾病への理解を深め、日常生活面での指導、健康診断に基づく再検査又は精密検査、治療のための受診の勧奨等を行います。

当社では健康診断を産業医が確認し、要医療、要精密検査等と判断された者に対して保健指導を行うことが望ましいと事業者に意見を付すことが多いです。僅かな肝機能障害、尿蛋白±などは対象としません。労働者から産業医や保健師による保健指導を自由に受けられるような体制を作るように心がけています。




お問い合わせはこちら

梶本隆夫産業医がNHKの取材を受けました。こちらからご覧ください。

事業者ごとに有所見や有所見者を自由に決めることができます。産業医の立場で、有所見者は健康診断の結果判定が「C、D、E」、「要経過観察」、「要再検査」、「要精密検査」、「要治療」である者、医師の指示人数は「産業医が指示をした者」もしくは健康診断の結果判定が「D、E」、「要精密検査」、「要治療」である者の合計と定義することをおすすめしています。

事前に衛生委員会で審議し、文書化するなどをし、事業者内で統一的に取り扱われるようにすることが必要です。当社は産業医業務だけでなく、健康診断の確認と事後措置の意見、健康診断のデータ化といった業務だけでも承っています。お気軽にお問い合わせください。

有所見とは、有所見者とは

事業者ごとに有所見、有所見者を自由に決めることができます。教科書上は有所見とは健康診断の項目で何らかの異常がある状態です。有所見のことを異常の所見ということがあります。有所見者とは健康診断を受検した労働者のうち有所見、異常の所見のある者です。健康診断を実施した医師が、全ての項目で「A」、「異常なし」、「正常」と診断した者以外のことで、1項目でも異常値があると有所見者になります。健康診断を年に複数回受診した場合、一回でも有所見になれば、その者は有所見者として扱います。

各健診項目の基準値は、法令や通達等に示されておらず、健康診断を実施した医師の判断によって定められます。健康診断を実施する医師が学会などの基準値を参考として独自に判定を決めるため、健診機関によって基準値が異なります。「B」、「要治療」、「要医療」のように言葉が統一されていないため、解釈に困ることがあります。

定期健康診断結果報告書の有所見者とは

有所見者の定義は合理的なものであれば事業者が自由に決められるため、上記のように厳しい条件で有所見者を集計して、労基署へ届けている事業者はほとんどありません。理由は少しの異常であれば仕事や日常生活へ支障が出ず、医療機関を受診したとしても治療や精密検査の対象にならないからです。例えば血圧141/89mmHgの場合、収縮期血圧(上の血圧)が140を超えており高血圧症と診断(有所見)とされます。しかし医師の前で血圧が高くなることは一般的であること、臨床上は1度の結果で診断しないこと、この値であれば治療の対象にならないことから、有所見とすること自体に違和感があります。

仕事や業務や健康への影響が出る可能性が高く、治療や医療を要す者が対象のみを有所見者として下さい。産業医の立場で、有所見者は健康診断の結果判定が「C、D、E」、「要経過観察」、「要再検査」、「要精密検査」、「要治療」である者と定義することをおすすめしています。事前に衛生委員会で審議し、文書化するなどをし、事業者内で統一的に取り扱われるようにすることが必要です。

なお、有所見者とされた場合、事業者は健康診断実施日から3ヶ月以内に産業医から「通常勤務、就業制限、要休業」についての意見を聞く義務があります。

定期健康診断結果報告書の所見のあつた者の人数とは

所見の基準は上記の有所見者と同様で問題ありません。所見のあった者の人数は各健康診断項目の有所見者数の合計ではありません。法定項目で、「聴力検査(オージオメーターによる検査)(1000Hz)」から「心電図検査」までの健康診断項目のいずれかが有所見である者の人数を記入します。

同じ者が複数の検査項目で有所見者として計上されることが一般的であり、「所見のあつた者の人数」は「各項目の有所見者数の合計人数」以下となります。

定期健康診断結果報告書の医師の指示人数とは

速やかに治療、精密検査、自宅静養を要す者が対象となります。有所見者の一部のみが該当するため、「所見のあつた者」よりも「医師の指示人数」は少なくなります。

産業医の立場で、「産業医が指示をした者」もしくは健康診断の結果判定が「D、E」、「要精密検査」、「要治療」である者の合計と定義することをおすすめしています。有所見者の定義と同様に、事前に衛生委員会で審議し、文書化するなどをし、事業者内で統一的に取り扱われるようにすることが必要です。

医師の指示に該当する方は産業医が就業制限、通院指示、保健指導をしていることが一般的であり、産業医が指示をした者とする事業者がほとんどです。

健康診断の確認だけでもご連絡を

当社は産業医業務だけでなく、健康診断の確認と事後措置の意見、健康診断のデータ化といった業務も承っています。お気軽にお問い合わせください。東京、大阪を中心に、全国から健診の確認業務をご依頼いただいています。労働者10名程度の事業場からもご依頼もございます。


健診の確認業務のお問い合わせはこちら

季節性インフルエンザ(以下、インフルエンザ)とノロウイルスは感染力が強いため、職場で流行することがあります。これらに罹患した場合の欠勤期間や欠勤処理の方法について事前に定める必要があります。

欠勤期間は学校安全衛生法に従ってインフルエンザは「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日を経過するまで」、ノロウイルスは「嘔吐と下痢の症状が消えてから2日を経過するまで」が望ましいと考えます。

労働安全衛生法第68条の伝染性疾病の病者とは

事業者は、伝染性の疾病その他の疾病で、厚生労働省令で定めるものにかかった労働者については、厚生労働省令で定めるところにより、その就業を禁止しなければならない。
と記載されていますが、この伝染性の疾病は結核などの感染症であり、インフルエンザやノロウイルスは含めません。一方、インフルエンザやノロウイルスは冬期に流行し、感染力が非常に強いため、職場での感染症対策の観点から事業主が一定期間の欠勤を指示することが必要です。

就業規則などに欠勤期間と欠勤処理の方法の明記を

インフルエンザやノロウイルスに罹患した際の欠勤期間、欠勤処理の方法について事前に定める必要があります。労働法にはこれらの欠勤期間について記載されていません。
欠勤させる場合の扱いは、事業者が欠勤を命ずることになり、有給休暇ではなく特別休暇という形をとることが望ましいです。

インフルエンザの欠勤期間

学校安全衛生法に準じて「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日を経過するまで」が一般的です。

ノロウイルスの欠勤期間

「症状が消えてから2日間」が一般的です。食品を取り扱う業種、保健福祉業では症状が消失後1週間は休ませたほうがいいと思います。

欠勤による休業補償の有無

労働安全衛生法第68条、労働安全衛生規則第61条による「病者の就業禁止」は、慎重に行う必要があります。就業禁止とする場合は、あらかじめ産業医などの意見を聴く必要があり(労働安全衛生規則第61条第2項)、会社の決定が先にあり、産業医が後付けで意見を述べるという順番は不適切です。

インフルエンザやノロウィルスは、飲食店、保健福祉業など以外の労働者を就業禁止とするのは行き過ぎと考えます。事業場内での感染予防という理由のため、事業者都合による就業禁止措置という位置づけであり、労働基準法第26条の次の規定により平均賃金の6割以上の休業手当の支払い義務が生じます。

(休業手当)第二十六条 使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の百分の六十以上の手当を支払わなければならない。




お問い合わせはこちら

作業主任者を選任する必要がある業務の一覧です。いわゆる危険な業務においては作業主任者が産業医、衛生管理者、安全管理者と共に職場の安全、衛生、健康管理を行います。

作業主任者選任業務の一覧表

労働安全衛生法施行令、労働安全衛生規則などに記載されている内容は以下の通りです。
施行令6条号別各規則条文作業主任者名称資格種別選任すべき作業
1高圧則10高圧室内作業主任者免許潜函工法その他の圧気工法により大気圧を超える気圧下の作業室又はシャフトの内部において行う作業
2安規314ガス溶接作業主任者免許アセチレン溶接装置又はガス集合溶接装置(10 以上の可燃性ガスの容器を導管により連結したもの又は 9 以下の連結で水素若しくは溶解アセチレンの場合は400リットル以上、他は1,000リットル以上)を用いて行う金属の溶接、溶断、加熱業務
3安規513林業架線作業主任者免許次のいずれかの機械集材装置、運材索道の組立、解体変更、修理の作業又はこれらの設備による集運材作業(①原動機定格出力7.5kwを超えるもの②支間の斜距離の合計が350m以上のもの③最大使用荷重が200kg以上のもの)
4ボイラー則24ボイラー取扱作業主任者ボイラー技士免許等ボイラー取扱業務(小型を除く)①特級=伝熱面積合計500 ㎡以上(貫流のみは除く)②1級以上=伝熱面積合計25以上500 ㎡未満(貫流のみ500 ㎡以上)③2級以上=伝熱面積合計25㎡未満④技能講習以上=令6条16号イからニまでのボイラー
5電離則46エックス線作業主任者免許次の放射線業務(但し医療用又は波高値による定格電圧が1,000KV以上のエックス線装置使用は除く)①エックス線装置の使用又はエックス線の発生を伴う装置の検査業務②エックス線管、ケノトロンのガス抜き又はエックス線発生を伴うこれらの検査の業務
5の2電離則52の2ガンマ線透過写真撮影作業主任者免許ガンマ線照射装置を用いて行う透過写真撮影の作業
6安規129木材加工用機械作業主任者技能講習丸のこ、帯のこ、かんな盤、面取、ルーターで合計5台以上 (自動送材車式帯のこ盤を含む場合は3台以上)
7安規133プレス機械作業主任者技能講習動力プレス5台以上
8安規297乾燥設備作業主任者技能講習①乾燥設備内容積1㎥以上(令別表第1危険物)②危険物以外、熱源に燃料又は電力使用
8の2安規321の3コンクリート破砕器作業主任者技能講習コンクリート破砕器を用いる破砕作業
9安規359地山の掘削及び 土止め支保工作業主任者技能講習掘削面の高さ2m以上の地山の掘削の作業
10安規374〃技能講習土止めの支保工の切りばり、腹おこしの取付け又は取りはずしの作業
10の2安規383の2ずい道(トンネル)等の掘削等作業主任者技能講習ずい道等の掘削、ずり積み、支保工組立(落盤、肌落防止用)、ロックボルト取付、コンクリート等吹付
10の3安規383の4ずい道等の覆工作業主任者技能講習ずい道等覆工(型わく支保工)組立、解体、移動、コンクリート打設
11安規403採石のための掘削作業主任者技能講習掘削面の高さ 2m以上となる採石法2条の岩石の採取のための掘削
12安規428はい作業主任者技能講習高さ2m以上のはい付け、はいくずし(但し、ばら物荷や荷役機械の運転者のみで行う作業は除く)
13安規450船内荷役作業主任者技能講習船舶荷積み卸、船舶内荷移動(但し、500t未満の船舶で揚貨装置を用いない作業は除く)
14安規246型枠支保工組立て等 作業主任者技能講習型わくの組立て、解体の作業(但し、建築物の柱・壁・橋脚、ずい道のアーチ・側壁等のコンクリート打設用は除く)
15安規565足場の組立て等作業主任者技能講習つり足場、張出足場又は高さが 5m以上の足場の組立、解体、変更の作業(ゴンドラのつり足場は除く)
15の2安規517の4建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者技能講習建築物の骨組み・塔であって高さが 5m 以上の金属製の部材により構成されるものの組立て、解体、変更
15の3安規517の8鋼橋架設等作業主任者技能講習橋梁の上部構造であって金属部材により構成されるものの架設、解体、変更(但し、高さ5m以上又は橋梁支間30m 以上に限る)
15の4安規517の12木造建築物の組立て等作業主任者技能講習軒高5m以上の木造建築物の構造部材組立て、屋根下地外壁下地の取付
15の5安規517の17コンクリート造の 工作物の解体等作業主任者技能講習高さ5m以上のコンクリート造工作物の解体、破壊
16安規517の22コンクリート橋 架設等作業主任者技能講習橋梁の上部構造であってコンクリート造のものの架設又は変更(但し、高さ5m以上又は橋梁支間30m以上に限る)
17ボ則62第一種圧力容器取扱作業主任者技能講習第一種圧力容器の取扱作業(但し、令1条6号小型圧力容器及び令6条17号イ、ロは除く)
18特化27特定化学物質作業主任者技能講習令別表第3の特定化学物質(1類・2類・3類)製造又は取扱(但し、試験研究の取扱業務は除く)
19鉛33鉛作業主任者技能講習令別表第4の鉛業務1号から10号まで(但し、遠隔操作の場合は除く)
20四アル14四アルキル鉛等作業主任者技能講習令別表第5の四アルキル業務1号から 6号・8号
21酸欠11酸素欠乏危険作業主任者技能講習酸素欠乏危険場所における作業
22有機19有機溶剤作業主任者技能講習令別表第6の2に掲げる有機溶剤の製造又は取扱
23石綿19石綿作業主任者技能講習石綿若しくは石綿をその重量の 0.1%を超えて含有する製剤その他の物 を取扱う作業、試験研究のため製造する作業、石綿分析用試料等を製造するする作業
施行令6条号別各規則条文作業主任者名称資格種別選任すべき作業



お問い合わせはこちら

職場巡視時には巡視記録を作成して下さい。産業医や衛生管理者の活動記録を残す書式については、労働安全衛生法での定めはありません。

産業医は衛生委員会の参加と同日に巡視をすることがほとんどであり、衛生委員会の議事録に巡視記録を記載する形から開始して下さい。

職場巡視の目的

労働安全衛生法を遵守することだけでなく、職場のハザード(有害性や危険性)を把握し、優先順位をつけた上で対応し、職場環境を良くすることを目的とします。 法令遵守は必要最低限のことであり、これだけでは快適な職場とはいえません。労働者が快適に働ける職場環境作りのために職場巡視を役立てて下さい。

職場巡視の頻度

労働安全衛生法の定めにより、産業医は月1回、衛生管理者は週1回の頻度で職場巡視をする必要があります。
安全管理者も職場巡視をする義務はありますが、頻度は定められていません。衛生管理者に準じて週1回の職場巡視が理想です。

職場巡視記録の作成

職場巡視記録の作成は定められていませんが、労働基準監督署の臨検の際に職場巡視が適切に行われているかについて確認されることがあります。日誌または報告書のような形で記録を残したほうがよいと考えられます。
記録には①巡視日時、②巡視場所、③実施者名、④指摘事項、⑤対策案(リスクアセスメントを含む)ことを記載することが望ましいです。産業医の巡視は衛生委員会と同日であることが一般的であり、衛生委員会の議事録に巡視記録を記載する事業者が多いようです。
当社では職場巡視記録などの見本を用意しています。


お問い合わせはこちら

職場には正社員だけでなく、契約社員、派遣社員、アルバイト業務委託など様々な契約で働いている方がいます。常時50名以上の労働者を使用する事業場では、衛生委員会の開催、産業医の選任、衛生管理者の選任などが義務となりますが、働き方によって50名に含む場合と含まない場合があります。

事業者と雇用契約がある場合は含む、派遣社員の場合も含む、業務委託の場合は含まないとお考え下さい。

事業場の労働者に含む働き方

事業者と雇用契約がある場合は労働者として含みます。正社員、契約社員、アルバイトなどです。
派遣社員の場合は派遣先でも派遣元でも労働者として含みます。
事業場の労働者数=自社の労働者+派遣労働者です。

事業場の労働者に含めない働き方

事業者と雇用契約が無い場合は労働者として含みません。業務委託などの場合です。
小売業などでは納品先から「無償派遣」として売り場に人員が派遣される場合があります。この場合は、派遣先の事業者と雇用契約が無いことや、派遣元が労働者派遣事業では無いため、事業場の労働者には含めません。

常時50名以上の労働者を使用する事業場の「常時」の考え方

事業場の労働者に含む働き方(雇用契約がある社員+派遣社員)の場合、労働時間に関係なく常態として働く場合は労働者に含めます。
社会保険の加入要件は週30時間以上(20時間以上の事業者もあり)ですが、労働人数を考える場合には労働時間の長短は考慮しません。週2日しか働かない、1日3時間しか働かない場合でも1人と考えます。


お問い合わせはこちら

産業医、衛生管理者、安全管理者は職場巡視が義務となっています。それぞれに職場巡視の頻度が決められています。衛生推進者、安全推進者(事業場の労働者数が10-49名で選任義務あり)も衛生管理者や安全管理者と同様の回数の巡視が必要とされています。

巡視時には巡視記録を作成し、巡視結果を残して下さい。可能であれば、巡視時に発見したハザード(危険性や有害性)に対してリスクアセスメントを実施して、優先度が高い物から対応を行って下さい。

職場巡視の頻度

産業医、衛生管理者、安全管理者の職場巡視は安全衛生法に基づく義務です。衛生推進者、安全推進者の職場巡視については同法で定められていませんが、管理者の規定が準用されます。

産業医の職場巡視の頻度

産業医の職場巡視の頻度は月1回以上です。要件を満たせば産業医による職場巡視を2ヶ月に1回に減らすことができます。
産業医は衛生委員会の委員に含める必要があるため、産業医の職場巡視と衛生委員会への参加を同日に行うことが一般的です。

産業医の訪問頻度を減らす方法

産業医に以下の情報を提供し、事業者の同意を得て下さい。
  1. 衛生管理者が少なくとも毎週1回行う作業場等の巡視の結果
  2. 巡視を行った衛生管理者の氏名、巡視の日時、巡視した場所
  3. 巡視を行った衛生管理者が「設備、作業方法又は衛生状態に有害のおそれがあるとき」と判断した場合における有害事項及び講じた措置の内容
  4. その他労働衛生対策の推進にとって参考となる事項
  5. 以上の情報のほか、衛生委員会等の調査審議を経て事業者が産業医に提供すること としたもの
  6. 休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間が1ヶ月当たり100時間を超えた労働者の氏名及び当該労働者に係る超えた時間に関する情報

衛生管理者・衛生推進者の職場巡視の頻度

衛生管理者の職場巡視の頻度は週1回以上です。産業医のように職場巡視の頻度を減らすことはできません。
衛生推進者も衛生管理者と同様の巡視が必要とされています。

安全管理者・安全推進者の職場巡視の頻度

安全管理者の職場巡視の頻度は労働安全衛生法には定められていませんが、「安全管理者は、作業場等を巡視し(以下、略)」と記載されています。衛生管理者と同様に週1回以上の職場巡視を実施して下さい。
安全推進者も安全管理者と同様の巡視が必要とされています。

巡視記録の作成

巡視時には樹脂記録を作成して下さい。 当社では職場巡視記録のサンプルを用意しています。
可能であれば巡視時に発見したハザード(危険性や有害性)に対してリスクアセスメントを実施して、優先度が高い物から対応を行って下さい。 お問い合わせはこちら

精神疾患でよく認められる症状について記載します。仕事や職業生活に関することで、強いストレスを感じている労働者は60%※といわれています。メンタルヘルスの不調を感じている社員は少なくありません。産業医の立場で、お客さまから「どのような症状が精神疾患と関係しているのか?」というご相談を受けることがあります。年々メンタルヘルスについての相談が増えていますが、同じような質問を受けていることに気がつきました。

うつ病、適応障害、不眠症、アルコール依存症、躁うつ病(双極性障害)、パニック障害、不安障害、発達障害(広汎性発達障害、アスペルガー症候群)、ADHDなどの相談が増えています。

※厚生労働省の統計

精神疾患でよく認められる症状

以下の症状がある場合は、職場の産業医に相談をして下さい。症状があっても日常生活や仕事に影響が無い場合は産業医へ相談したり、メンタルクリニックを受診する必要はありません。
病気かどうかの判断材料の一つは、仕事や日常生活に支障が出ているかどうかです。仕事に集中できない、以前より業務効率が悪くなった、仕事を休むことが増えた場合は仕事に支障が出ていると考えられます。料理や掃除ができなくなった、子供と一緒にいても楽しめない場合は日常生活への支障が出ていると考えられ、メンタルヘルスの病気の可能性があります。食欲不振が続く、慢性的に疲れが取れないといった体の症状が続く場合は内科の病気の可能性が高いですが、時々精神疾患が含まれています。
どのような病気でも早期発見、早期治療が大切です。気軽にご自身の健康について相談をして下さい。社内に産業医がいれば、職場環境と従業員のことを知る産業医に相談をして下さい。
当社では従業員の面談を得意としておりますので、お気軽に当社へお問い合わせ下さい。

うつ病や適応障害でよく認められる症状

「憂うつな気持ちが続く」
「会社へ足が向かない」
「意欲がでない」
「以前楽しめたことが楽しめない」
「仕事に集中できない」などの症状がある

躁うつ病でよく認められる症状

「些細なことでイライラしてしまう」
「お金遣いが荒くなった」
「眠れないが元気」
「気が大きくなり過度に活発」などの症状がある

不眠症でよく認められる症状

「寝つきが悪い」
「夜中や早朝に目が覚める」
「日中に眠気がある」
「朝、起きられない」
「熟眠感がない」などの症状がある

アルコール依存症でよく認められる症状

「毎日お酒を飲んでしまう」
「二日酔いで勤務をすることがある」
「お酒に関係するトラブルを起こしたことがある」
「酒を減らそうと思ってもできない」
「酒を減らすように周囲からアドバイスを受けたことがある」などの症状がある

アルコール依存症は肝硬変、食道静脈瘤といった致死的な身体の合併症を起こすことがあり、就業の管理にあたってはメンタルだけでなく身体面の評価も行う必要があります。当社の産業医先でもアルコールに関する病気に出会うことがあります。

パニック障害や不安障害でよく認められる症状

「急に不安、呼吸苦、動悸が出る」
「電車に乗ると不安になる」
「人前で異常に緊張する」などの症状がある

広汎性発達障害・アスペルガー症候群でよく認められる症状

「話す内容や、興味が偏っている」
「同僚が話していることについていけない」
「上司の指示をきちんと理解できない」
「人付き合いがうまくいかない」などの症状がある

ADHD(注意欠陥多動症)でよく認められる症状

「机の上が書類だらけになっている」
「忘れ物や遅刻が多い」
「同時に複数の仕事をこなせない」
「落ち着きがない」などの症状がある

職場の精神疾患について相談する

産業医としてメンタルクリニックの受診を勧めることがあります。人事労務担当者や不調者から、「メンタルクリニック、精神科、心療内科、神経内科の違いが分からず、どの診療科を受診すればいいか分からない」という質問を度々受けます。

メンタルクリニックは精神科や心療内科を標榜する診療所(クリニック)のことです。
メンタルヘルスを扱う診療科が精神科、心療内科です。脳などの中枢神経や末梢神経の疾患を扱う診療科が神経内科です。

メンタルクリニックは精神科や心療内科を標榜する診療所

メンタルという言葉の通り、メンタルヘルスの問題でお悩みの方を対象としています。
メンタルヘルスを扱う診療科は精神科や心療内科です。精神科や心療内科を標榜する診療所のことをメンタルクリニックといいます。

診療所(クリニック)と病院の違い

医療法でベッド数が19床以下またはベッドがない施設を診療所、20床以上を病院と定めています。診療所のことをクリニックということもあります。

精神科の特徴

精神疾患を専門とする診療科です。気持ちが落ち込む、意欲が出ない、寝られない、イライラする、空気が読めずに周囲と馴染めない、幻聴があるといった症状でお悩みの方が受診されます。
うつ病、躁うつ病、パニック障害、統合失調症、自閉症スペクトラム障害(発達障害)、不眠症、認知症といった病名の方の治療を行います

心療内科の特徴

精神症状に伴う身体症状を専門とする診療科です。過食や嘔吐が止められない、ストレス下での頭痛や胃痛といった身体症状でお悩みの方が受診されます。
主に摂食障害、緊張性頭痛、過敏性腸症候群といった病名の方の治療を行います。
心療内科という名称は日本にしか存在しないといわれています。

精神科と心療内科の違い

精神科と心療内科は共にメンタルヘルスを扱う診療科ですが、実際には違いはほとんどありません。
精神科はうつ病、パニック障害、統合失調症、自閉症スペクトラム障害など、心療内科は摂食障害、緊張性頭痛、過敏性腸症候群などを得意としていますが、精神科での摂食障害の治療や、心療内科でうつ病が日常に行われています。
患者さんにとって精神科よりも心療内科という名前のほうが受診しやすいため、精神科医が精神科だけでなく心療内科を標榜したり、うつ病などの患者さんが受診しやすいように心療内科医が心療内科だけでなく精神科を標榜することがあると聞きます。
精神症状が主体なら精神科、身体症状が主体なら心療内科への受診が望ましいと思いますが、どちらを受診してあまり変わらないと思います。通院のしやすさ、医師の経歴や人柄、治療方針などで医療機関を選ぶことが望ましいと考えます。

神経内科の特徴

精神科や心療内科とは異なり、神経内科はメンタルヘルスを取り扱わず、脳などの中枢神経や末梢神経の疾患を専門とする診療科です。もの忘れがある、手足が動かないといった神経の症状でお悩みの方が受診されます。
主に認知症、パーキンソン病といった病名の方の治療を行います。


お問い合わせはこちら