精神科専門医、精神保健指定医、心療内科専門医のいずれかの資格を持つ医師を選んでください。昨今はメンタルヘルスに関する疾患が増え、受診に対するハードルが下がったことから、精神科や心療内科以外を専門とする医師が精神科や心療内科と名乗ることが増えています。きちんと診断がされずに、標準的な治療が行われていない事例が散見されるため、きちんと医療機関や医師を選ぶことが大切です。もちろん医療施設が、通いやすい場所にあること、身近な人から評価されていること、主治医との相性が悪ければすぐに変更することも重要です。

メンタルクリニックと精神科・心療内科について

精神科もしくは心療内科の患者さんを診察するクリニック(診療所)のことをメンタルクリニックと呼ぶことがあります。医療機関の名称は自由につけられます(実際には医師会や保健所の意向に沿って決めるようです)。精神科や心療内科という単語をクリニック名につけると、何となく患者さんにとって受診のハードルが高くなるため、患者さんが気軽に受診できるようにメンタルクリニックと名付けることがあります。メンタルクリニック以外にもこころのクリニックやハートクリニックとすることもあります。「こころ」や「ハート」は「メンタル」と「心臓」の意味を持っています。必ず標榜科に精神科や心療内科が含まれていることを確認してください。時々、循環器内科や心臓外科の先生が「こころ」や「ハート」が含まれた医療施設を経営されています。

例えば南池袋メンタルクリニックは名称に「メンタルクリニック」という単語を用い、標榜科は精神科と心療内科です。ないとうこころのクリニックは名称に「こころのクリニック」という単語を用い、標榜科は心療内科、児童精神科、精神科です。両クリニックともに、気持ちの落ち込み、不安、不眠などがある場合は安心して受診することができます。

精神科と心療内科の違い

メンタルヘルスを扱う診療科は精神科と心療内科です。精神科医は精神症状を専門とし、精神症状に不随する身体症状の診察も行います。心療内科医はあくまで内科医であり、身体症状を専門とし、身体症状に不随する精神症状の診察も行います。

うつ病、適応障害、統合失調症といった疾患は精神症状が主なので、精神科医が得意とする疾患です。拒食症、心身症、過敏性腸症候群といった疾患は身体症状が主なので、心療内科医が得意とする疾患です。実際の臨床では、精神科医が拒食症や過敏性腸症候群を診察しており、精神科医と心療内科医の違いはあまりありません。

精神科という単語は心療内科という単語より悪いイメージを持たれることがあります。このため精神科医が心療内科と標榜したり、医療施設名に心療内科と名付けることがあります。心療内科医が精神科と標榜したり、名付けることは少ないようです。

メンタルヘルスを専門とする医師

メンタルヘルスの専門医を取得している医師がメンタルヘルスを専門とする医師です。我が国は自由標榜制が堅持されており、専門医を持っていなくても、診察経験がなくても精神科、産婦人科、皮膚科などと自由に標榜することができます(麻酔科は麻酔科標榜医を取得していない場合は標榜できません)。例えば私は精神科専門医ですが、耳鼻科医と名乗ることもできます(実際には名乗りません)。

昨今はメンタルヘルスに関する疾患が増え、受診に対するハードルが下がっています。このため、精神科や心療内科以外を専門とする医師や、初期研修を終えて間もない未熟な医師が患者さんを集めるために精神科や心療内科と名乗ることが増えています。

きちんと診断がされずに、標準的な治療が行われていない事例が散見されるため、メンタルヘルスを専門とする医師を選ぶことが大切です(メンタルを専門としない産業医がメンタル不調者の対応を適当に行い、問題がこじれてから当社に産業医業務が変更となったことが何度もあります)。複数の標榜科の中に精神科や心療内科が含まれ、精神科専門医や心療内科専門医を持っていない場合は、ついでにメンタルヘルスを診察をしている可能性があります。

メンタルヘルスに関する資格

精神科は精神科専門医と精神保健指定医、心療内科は心療内科専門医があります。これらの資格を一つでも持つ医師をメンタルヘルスが得意な医師と認識してください。私は精神科専門医と精神保健指定医を持つ産業医です。

精神科専門医

精神神経学会が精神科専門医を認定しています。現時点での資格認定要件は、医師歴5年以上、精神科専門医研修施設での常勤医(週4日、フルタイム)を3年以上、症例レポートの提出と審査、筆記試験、面接試験となります。約15年前はレポートを出せば簡単に資格を取得できたようですが、現在はメンタルヘルスの知識をきちんと備えていないと取得できません。精神科指導医という資格もありますが、これは専門医を指導する資格であり、専門医を取得した者が学会に申請すれば基本的に与えられるものです。

精神保健指定医

国(厚生労働省)が精神保健指定医を認定しています。現時点での資格認定要件は、医師歴5年以上、精神科での常勤医を3年以上、症例レポートの提出と審査、面接試験となります。今から数十年前はレポートを出せば簡単に資格を取得できたようですが、現在はレポートの審査が非常に厳しいことで有名で、専門医と同様にメンタルヘルスの知識をきちんと備えていないと取得はできません。診療報酬などの点で精神科専門医よりも精神保健指定医のほうがメリットがあるため、専門医を取得せずに、指定医だけを取得する医師もいます。

心療内科専門医

心身医学会が心療内科専門医を認定しています。現時点での資格認定要件は、医師歴6年以上、日本内科学会認定内科医の取得、心療内科専門医研修施設での常勤医を3年以上(非常勤の場合は5年以上)、学術論文3編以上、学術発表3回以上、症例レポートの提出と審査、筆記試験、面接試験となります。

資格についてのよくある質問

精神科専門医、精神保健指定医、心療内科専門医の一つでもあれば評価してください。日本産業衛生学会認定専門医、メンタルヘルス法務主任者、産業保健法務主任者、日本医師会認定産業医などは日本専門医機構が認定するメンタルヘルスの臨床に関する資格ではありません。教授や助教授という役職は研究実績と関係していることが多く、臨床経験と無関係な場合があるため気にする必要はありません。

メンタルヘルスに関する経歴

上記の精神科専門医、精神保健指定医、心療内科専門医はメンタルヘルスの臨床能力をある程度持っている考えられます。さらに医師を選びたいと思われる場合は、医師3年目以後のメンタルヘルスの専門研修をどこで受けたかを確認してください。

医師免許を取得してから2年間は初期研修医になります。この期間は内科や外科をメインに各科をローテンションしますが、病院によっては精神科を1-2ヶ月経験することがあります。あくまで初期研修医としての経験であり、一人で診療をする機会が無かったり、雑用のみしか行わないことが一般的です。このため医師3年目以降にどのような職場にいたかが評価材料になります。

経歴として評価できるのは、大学精神科や心療内科の医局に所属していることや、精神科の研修で有名な総合病院(多摩総合医療センターなど)や精神科病院(松沢病院など)で3年以上の勤務歴があることです。メンタルヘルスについて誰から教えてもらわないと標準的な知識や経験は身につきません。上記の環境には素晴らしい指導医がおり、きちんと教育を受けた可能性が高いと考えます。逆に指導医が少なかったり、検査が十分に行えない病院での勤務は知識や経験が偏ることがあります。

Googleなどの口コミ

一部の医療施設は口コミを自作自演しており、過信しないでください。競合の医療施設のことを悪く評価することもあると聞きます。一つ星をつけ、その後に「一つ星の書き込みを消すことができる」といった電話をかけてくる業者もいるため、あくまで参考程度と考えてください。

良いメンタルクリニック・精神科医の選び方

  1. メンタルヘルスの資格を持っている
  2. メンタルヘルスの疾患は早期受診と治療が極めて大切なため、適切な医療を受けることを最優先にしてください。メンタルヘルスの診断と治療は非常に難しく、経験と知識を持つメンタルヘルスに関する資格を持っている医師を選んでください。上述の通り、メンタルヘルスの知識が乏しい医師が、標準とかけ離れた診断や治療をしていることがあります。メンタルに関する新薬がたくさん出ており、依存性がなく、安全な薬が増えているため、最新の知識を持つ専門医の診察を受ける必要があります。

  3. 通いやすい場所にある
  4. 自宅や職場から近いと買い物や出社のついでに受診できます。周囲に受診されていることを知られたくない場合は、自宅や職場の最寄り駅から少し離れて場所を選んでください。メンタルクリニックには月に1-2回通う必要があります。定期的に体調を確認する必要があることと、抗不安薬や睡眠薬は処方日数制限が課せられていることが理由です。

  5. 病院ではなくクリニック(診療所)
  6. 私のメンタルクリニックでの外来は、患者さんの8割以上は病気ではない方か、軽度のメンタル不調の方です。精神科病院の外来は比較的症状が重い方が多く、特定の疾患の方が多く集まる傾向があります。まずはクリニックを受診し、症状が重たいと主治医が判断した場合のみ病院を受診してください。

  7. 身近な人から評価されている
  8. Googleなどの口コミよりも友達や家族の評価を重視してください。メンタル不調の症状は多種多様で他の方にとって良いと感じられた医師が、他の方にとってそうではないことがあります。身近な人からの口コミはあくまで参考程度にしてください。

  9. 主治医と相性が悪ければすぐに変更する
  10. メンタルヘルスの診断や治療は医師と患者さんの会話が基本になります。治療は薬のみと思われがちですが、薬はあくまでも補助的な位置づけです。精神科医が精神療法を通じて体調を評価し、考え方や行動をアドバイスすることが治療の主体となります。医師に相談しにくい、診察時間が短い、怖い、薬を大量に出すといった不快感や不信感を感じた場合はすぐに医師を変更してください。我慢し続けるとメンタルヘルスの状態が悪化することがあります。
    最近は同じメンタルクリニックの中に複数の精神科医が勤務していることがあり、他の施設に転院しなくても、同じ施設の他の医師の診察を受けられます。メンタルクリニックでの医療費は国の自立支援医療制度が利用でき、通院する一つの医療施設を自治体に届けるとその医療施設での医療費が減免されます。このため転院するとスイッチングコストが高くなるため、まずは同一施設で他の医師の診察を受けることをおすすめします。主治医の変更、他の施設へ紹介、セカンドオピニオンは日常にあり、これらを不快に思う医師はあまりいません。円滑に医療を続けるために他院を受診される場合には紹介状を入手してください。

  11. 他
  12. ・診察時間
    メンタルクリニックでの初診は30分以上、再診は5分以上が目安です。医師が診察時間を確保せず、心理士によるカウンセリングを押しつけたり、話しを聞かずに薬だけで治療をすることはよくありません。
    ・診断書
    医師が患者さんが望む通りの診断書を書くことがあります。日常生活で多大な支障を及ぼしている体調にもかかわらず、患者さんの希望に応じて「職場復帰可能」と診断書を発行する医師が目立ちます。逆に診断書、傷病手当金、自立支援医療などの書類を書かない医師もいます。
    ・主治医と産業医の関係
    職場復帰の観点から、主治医と産業医が同じ医師であることは不適切です。不調者の職場復帰は主治医による「復帰可能」という診断書が事業者に出された後に産業医面談で体調を精査することが一般的です。
    主治医は患者さんの継続通院が収入増につながることや患者さんに同情してしまうことがあり、患者さんの希望にできるだけ応じようとします。患者さんが「どうしても復帰したいので、復帰可能と書かれた診断書が欲しい」と伝えると、主治医は体調の回復は不十分と考えていても、鉛筆の先を舐めて「復帰可能」との診断書を発行することが少なからずあります(皆さまの職場でも明らかに不調なのに復帰可能との診断書を受け取られたことがあると思います)。主治医と産業医が同じ医師だと2段階の判定が1段階になってしまうため、体調不良にもかかわらず職場復帰し、まもなく再休職になってしまいます。仮に主治医が鉛筆の先を舐めていなくても、職場復帰を2名の医師で判断するフローが1名になってしまうと、適切な判断や評価ができなくなるおそれが生じます。
    主治医は日常の体調の評価を行うことが主ですが、産業医は職場環境を熟知しているためこれに加えて就業に耐えうる体調かを含めて産業医面談で評価し、職場復帰についての判断を行います。産業医のほうが職場復帰についてのハードルは高くなります。厚労省は主治医と産業医の判断が異なった場合、後者を優先にすると述べています。また主治医と産業医が同じ場合、主治医が医療を通じて得た情報が事業者に通じてしまうリスクがあります。

診断書に疑問を持った際の対応

職場にうつ病、適応障害、パニック障害といった診断書が提出されることが当たり前の時代になっています。診断書は医学的な知識を持つ産業医が精査することが望ましく、全ての診断書について産業医の意見を求めてください。産業医がメンタルヘルスについての知識が乏しかったり、アドバイスができない場合には当社へご連絡ください。

産業医業務の多くはメンタルヘルス関連の業務です。企業では拒食症や過敏性腸症候群よりもうつ病や適応障害といった疾患が多いため、精神科専門医もしくは精神保健指定医を持つ産業医を選ばれることが事業者にとっても労働者にとっても大きなメリットにつながります。




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労働者の健康情報の取扱い担当者を誰にするかを予め規則で明確する必要があります。健康情報の種類によって、社内の取り扱う者を誰にするか、どのような権限を与えるべきかが異なります。

労働者の健康情報の取扱いと法令など

労働者の健康情報の取扱いについては、労働安全衛生法第104条心身の状態に関する情報の取扱い、労働安全衛生法第105条健康診断等に関する秘密の保持の条文があります。
他に厚生労働省から「労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱いのために事業者が講ずべき措置に関する指針」、「雇用管理分野における個人情報のうち健康情報を取り扱うに当たっての留意事項について」、「事業場における労働者の健康情報等の取扱規程を策定するための手引き」が出されています。
健康情報の種類によって、社内の取り扱う者を誰にするか、どのような権限を与えるべきかが異なります。

長時間労働者への面接指導の事後措置

産業医から聴取した意見については、労働安全衛生法令に基づき事業者が直接取り扱うこととされています。
労働安全衛生法令に定める義務を履行するために、事業者が必ず取り扱わなければならない健康情報に該当するとして、これを取り扱う者は人事に関して直接の権限を持つ監督的地位のある者としており、具体的には、社長、役員、人事部門の長などです。この場合でも、産業医からの報告書や意見書を受け取るといった事務補助をする人が必要だと考えられ、衛生管理者や人事部の一般社員が産業医から結果を受けることが一般的であり、誰が取り扱うかを会社で事前に明確化する必要があると考えます。

ストレスチェックの高ストレス者に対する面接指導の事後措置

産業医から聴取した意見については、上記と同様です。

健康診断の結果と産業医の意見(就業区分及びその内容についての意見)

労働安全衛生法令に基づき、健康診断の個人票(結果の控えをコピーし、キングファイルでまとめて保管してもよい)は事業者が直接取り扱い、事業場に保存(定期健康診断の場合5年)するとされています。産業医から聴取した意見については、上記と同様です。

上記以外のメンタルヘルスや生活習慣病などの産業医面談の意見

本人が産業医に任意に相談する意見書であり、法令上の健康情報ではありません。衛生管理者や人事部の一般社員が産業医から結果を受けることが一般的であり、上司への開示についてはあらかじめ本人の同意を得ることが必要であり、誰が取り扱うかを会社で事前に明確化する必要があると考えます。

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WEB会議で衛生委員会、安全衛生委員会を実施することができるようになりました。基発0827第1号(令和2年8月27日)において、安全衛生委員会、衛生委員会をZoom、Microsoft Teams、LINEなどのWEB会議システムを用いて開催してもよいとの通達が出ました。
同一の会議室にたくさんの委員が集まることで感染症のリスクが高まったり、WEB会議システムが発達し対面と同等のコミュニケーションができるようになったことから、情報通信機器を用いて委員会を開催することへのニーズが高まり、要件を満たした場合にWEB会議システムの利用による委員会の実施が認められるようになりました。

産業医による職場巡視の頻度は月1回(例外で2ヶ月に1回とすることも可能)であり、産業医の訪問回数はコロナ禍前と変わりません。

安全衛生委員会、衛生委員会の設置要件

労働安全衛生法(以下、法)第17条、第18条及び第19条の規定に基づき、事業者は、業種及び規模の事業場ごとに、労働者の危険又は健康障害を防止するための基本となるべき対策等の重要事項を調査審議させ、事業者に対して意見を述べさせるため、衛生委員会又は安全衛生委員会(以下、委員会)設ける必要があります。

50名以上の全ての事業場では衛生委員会の開催、衛生管理者と産業医の選任が必要

労働者数が50名以上の事業場では衛生委員会の開催義務、衛生管理者の選任義務があります。

50名以上の一部の業種では安全衛生委員会の開催、安全管理者を選任が必要

一部の業種では、安全委員会(実際には衛生委員会と同時に開催するため安全衛生委員会とすることがほとんど)の開催義務、安全管理者の選任義務があります。上記の衛生管理者と産業医の選任義務もあります。

対象の業種

林業、鉱業、建設業、運送業、清掃業、製造業(物の加工業を含む。)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・じゅう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゅう器等小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業及び機械修理業

委員会の実施についての基本的な考え方

委員会は事業者が講ずべき安全衛生対策の推進について、労働者が事業者に対して意見を述べるための場です。労使が協力し合い、事業場における安全衛生や健康に係る事項について、十分に調査審議を尽くすことが必要不可欠です。
調査審議をするために、総括安全衛生管理者又は事業の実施を統括管理する者(経営者、人事・総務部長、工場長、支店長など)、衛生管理者、安全管理者(上記の安全管理者の選任の要件に該当する場合)、産業医、労働者で安全や衛生に関する経験を有する者が委員になり、月に1回、会議室に集まって委員会を実施することが前提です。それはコロナ禍前でも現在でも変わりません。
しかし、同一の会議室にたくさんの委員が集まることで感染症のリスクが高まったり、WEB会議システムを含む情報通信機器の技術が発達し対面と同等のコミュニケーションができるようになったことから、情報通信機器を用いて委員会を開催することへのニーズが高まり、要件を満たした場合にWEB会議システムの利用による委員会の実施が認められるようになりました。

情報通信機器を用いた委員会の開催に係る留意事項

委員会の開催に用いる情報通信機器について、次の1から3までの要件を全て満たす

  1. 委員が容易に利用できること
  2. 映像、音声等の送受信が常時安定しており、委員相互の意見交換等を円滑に実施することが可能なものであること
  3. 取り扱う個人情報の外部への情報漏洩の防止や外部からの不正アクセスの防止の措置が講じられていること

委員会の運営について、次の1又は2のいずれかの要件を満たす

  1. 対面により委員会を開催する場合と同様に、情報通信機器を用いた委員会において、委員相互の円滑な意見交換等が即時(メールや掲示板といった非同期での開催は即時にコミュニケーションができないため不適切です。Zoomなどの同期でコミュニケーションが実施される環境が必要です。)に行われ、必要な事項についての調査審議が尽くされていること。なお、音声通信による開催やチャット機能を用いた意見交換等による開催については、調査審議に必要な資料が確認でき、委員相互の円滑な意見交換等及び必要な事項についての十分な調査審議が可能であること。
    →この1の要件でZoomなどを用いたWEB会議で委員会を実施することが多い
  2. 情報通信機器を用いた安全委員会等は上記の1によって開催することを原則とする。委員相互の円滑な意見交換等及び必要な事項についての十分な調査審議が可能となるよう、開催期間、各委員への資料の共有方法及び意見の表明方法、委員相互で異なる意見が提出された場合の調整方法、調査審議の結果を踏まえて事業者に対して述べる意見の調整方法等について次の(ア)から(エ)までに掲げる事項に留意の上、予め安全委員会等で定められている場合は、電子メール等を活用した即時性のない方法により開催することとして差し支えない。
    (ア)資料の送付等から委員が意見を検討するための十分な期間を設けること。(イ)委員からの質問や意見が速やかに他の委員に共有され、委員間で意見の交換等を円滑に行うことができること。その際、十分な調査審議が可能となるよう、委員全員が質問や意見の内容を含む議論の経緯を確認できるようにすること。(ウ)委員からの意見表明等がない場合、当該委員に対し、資料の確認状況及び意見提出の意思を確認すること。(エ)電子メール等により多数の委員から異なる意見が提出された場合等には委員相互の意見の調整が煩雑となることから、各委員から提出された意見の調整に必要な連絡等を行う担当者を予め定める等、調査審議に支障を来すことがないようにすること。
    →この2の要件はコミュニケーションが円滑に進まないためお勧めできない

その他の留意事項

情報通信機器を用いて開催した委員会においても、議事録の作成をする必要があります。
産業医による職場巡視の頻度は月1回(例外で2ヶ月に1回とすることも可能)であり、産業医の訪問回数はコロナ禍前と変わりません。


当社はZoom、Teamsなどを用いたWEB会議システムでの委員会への参加に対応しています。お気軽にお問い合わせ下さい。

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長時間労働による健康障害を防ぐ一つの方法は勤務間インターバルです。勤務間インターバルは勤務日と次の勤務日の間に休息時間を設けることです。
勤務間インターバルは努力義務ですが、長時間労働の抑制、健康障害の予防のため非常に有用な手段であり、導入する企業が増えています。

勤務間インターバルとは

勤務日と次の勤務日の間に休息時間を設けることです。働く時間ではなく、働かない時間に着目し、休息を強制的にとらせるということに着目した制度です。この制度があると、長時間労働が抑制され、長時間労働による健康障害の予防に役立ちます。長時間労働はメンタルヘルスの問題だけでなく、心疾患や脳疾患にも関係しています。

ある日に深夜まで残業をしても、その後に休息をとる時間が十分に確保できるため、睡眠時間が確保され、体を休めることができます。平成30年の厚生労働省の調査によると勤務間インターバルを導入している事業者は1.8%であり、国はこの割合を増やす方針です。

勤務間インターバルはヨーロッパでは義務

ヨーロッパ諸国では「24時間について最低連続11時間の休息付与」が義務となっています。当社が現地と業務でやり取りをしていても、厳格にこれが守られています。
例えば午前9時から午後6時が就業時間で、午後11時半まで残業をした場合、午後11時半から11時間後の翌日10時半まで休息をとる義務があります。

勤務間インターバルを導入する際の注意点

賃金や労働時間の管理について

勤務間インターバルを導入すると翌日の始業時間が繰り下げとなり、翌日の労働時間が短くなることがあります。その際に賃金制度を変更する必要が出たり、労働時間の管理が煩雑になることがあります。

インターバルの時間は長くする必要がある

通勤時間は勤務時間に含まず、休息時間に含まれてしまいます。都心では通勤に片道1時間以上をかける人が少なくありません。ヨーロッパのように11時間といた長めの休養時間を設けることが大切です。例えばインターバルを8時間とした場合、職場まで片道1時間かかる方の場合は8時間-1時間+1時間=6時間の休息時間しか確保できず、インターバル制度を設けても現状と変わらない可能性が高くなります。


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産業医の立場で小売業、飲食業、ホテルなどの新型コロナウイルス感染症対策を行っています。
症状の有無に関係なく、マスクを着用し、手指消毒を励行することと、蜜を避けることが大切です。出社させる場合は、感染者疑いを出社させない、濃厚接触者を生まないことが基本です。
感染者疑いを出社させないためには、発熱がある者や風邪症状がある者を出社させないことが大切です。濃厚接触者を生まないためには、事業場で蜜を避けることが大切です。密閉空間(換気の悪い密閉空間)、密集場所(多くの人が密集している)、密接場面(互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発声が行われる)という3つの条件が同時に重なる場は、感染を拡大させるリスクが高いと考えられています。
企業内の新型コロナウイルス感染症ガイドライン、社内通達を作成してきました。クラスタが発生した事業者や、ダイヤモンド・プリンセス号の乗客に対する業務も承りました。社内ガイドラインの見本をご用意していますので、ご利用下さい。

企業におけるガイドライン 2020/6/17現在

当社が作成したガイドラインをご利用下さい。企業にあわせたガイドラインの作成を行っていますので、お気軽にお問い合わせ下さい。当社ではクラスタが生じた事業場からも業務のご依頼もいただいています。

各種団体から業界に合わせたガイドラインが発表されています。対応策はどの業種でもほぼ同じで、接触感染対策(手指消毒、手洗い)、飛沫感染対策(咳エチケット、マスク着用)、蜜を避けるといった新しい生活様式の徹底が基本となります。ライブハウスやカラオケ店などでは「大声を出さない」ことも大切です。

内閣府

飲食、小売り、劇場、スポーツ、オフィス、製造業などの業種ごとの感染拡大予防ガイドライン

米国

CDCのガイドライン

感染予防

インフルエンザ対策とほぼ同様です。接触感染対策と、飛沫感染対策を行う必要があります。インフルエンザと異なりワクチンはありません。インフルエンザより新型コロナウイルス感染症は潜伏期間が長く(2-14日)、無症状の者が多いことから、症状が無い者が気づかないうちに感染を広げる可能性があります。症状の有無に関係なく、全員がマスク着用、手指消毒、外出の制限などを行うことが感染予防に有用です。

接触感染対策

手洗いとアルコール消毒で手指の病原体を無くすこと基本です。肉眼的に手が汚れている場合は手洗い、肉眼的に手が汚れていない場合はアルコール消毒が原則です。手洗いとアルコール消毒の予防効果に差は無いため、アルコール消毒が手に入らない場合は手洗いを頻繁に行えば効果があります。外から建物に入る際には必ず手洗いかアルコール消毒のどちらかを行って下さい。
また、職場の共有部の消毒も必要です。

手洗い

肉眼で手が汚れている場合は手洗いをして下さい。電車のつり革を触った場合は必ず手洗いをして下さい。他人の皮脂が手に付くため肉眼的に汚れているからです。
手洗いの際は固形石けんではなく、液体もしくは泡のハンドソープを用います。手洗いの時間は20秒から30秒です。手洗い後のアルコール消毒は不要です。
手指の乾燥を必ず行って下さい。濡れた手は乾燥した手の100-1,000倍の病原体を運ぶといわれています。乾燥はペーパータオルが理想的で、ジェットタオルやハンカチは不衛生です。当社の複数のお客さまでジェットタオルが除去されました。医療機関でジェットタオルやハンカチを使うことは基本的にはありません。もしそのような医療機関があれば、他施設の利用をお勧めします。
手洗いをする際にうがいをする習慣を身につけて下さい。

アルコール消毒

肉眼で手が汚れていない場合は手洗いをせずにアルコール消毒で代用できます。
アルコールの濃度は70%以上を目安に選び、手指にアルコールを十分に吹き付けることが大切です。アルコール消毒のポンプをワンプッシュで一番下まで押し、手がびしょびしょになる位の量を1回量とします。アルコールが揮発する際に殺菌効果が得られるため、低濃度や少量の場合は十分な殺菌効果が得られません。

共用部(ドアノブ、電話、会議室の机など)の消毒

新型コロナウイルスはステンレスや段ボールの上で1-3日存在するというデータがあります。職場の共用部にウイルスが残ると社内で感染が広がる可能性が高くなるため、ドアノブなどの人が触れる場所は1日に2回以上の消毒をして下さい。アルコール消毒が行えない場合は次亜塩素酸ナトリウムの希釈液を用い、消毒後30秒後に水拭きを行って下さい。

飛沫感染対策

うがい

咽頭に付着した病原体を減らすことができます。水道水で十分です。出社時を含む外から室内に入る際に手洗いと一緒にうがいを行って下さい。

マスク

咳などの症状がある者が周囲へ感染を広げないエビデンスが確立しています。新型コロナウイルス感染症は無症状の者が多いため、症状の有無に関係無く、全員がマスクを着用することで感染を広げない効果があるとされています。少なくとも屋内や公共の場ではマスクの着用をして下さい。
マスクが感染症の予防に効果があるかについてのエビデンスは明らかではありません。しかし、目の前で咳やくしゃみをされた場合、マスクを着けていると飛沫を吸入する量は明らかに減ります。マスクを着用していると鼻や口を触りにくくなり、鼻などの粘膜からの感染リスクが減ることが知られています。マスク無いの湿度が高くなることもあり、マスク着用は感染予防に有用と考えています。

換気

外気は室内の空気より清潔であるという原則があります。常時窓やドアを開けることが理想です。難しい場合は1時間に1回5分などの頻度でオフィス内の空気を入れ替えて下さい。加湿はインフルエンザには有用ですが、コロナウイルスには明らかではありません。
換気のデメリットは花粉症です。花粉症の時期にはマスクを着用する、換気を減らす、空気清浄機を併用するなどの工夫が必要です。

企業における具体的な対応

以下の対応を行えば、社内で新型コロナウイルス感染症の患者が発生するリスクが極めて少なくなります。

感染疑いの者を通勤させない

発熱がある者や風邪症状がある者も出社させないことが大切です。起床時に検温をし、一定の体温(企業によって異なるが37.5℃で設定することが一般的)があれば出社させない、咳や咽頭痛などの風邪の症状があれば出社させないといったルールを設けることが一般的です。出社後に体温や体調の確認をする企業がありますが、出社時に公共交通機関で周囲に、出社後に同僚に感染を広げる可能性があるため、出社前で制限をかけることが望ましいです。
自宅静養時の労務上の扱いについて本人の希望による有給休暇で処理をするか、会社都合による休業補償で処理をするかについて事前に労務環境の設計をすることが必要となります。
新型コロナウイルス感染症は無症状の者が多いことは事実です。しかし、症状がある方からより感染が広がることが多いため、症状がある者を出社させないで下さい。
我が国では体調が悪くても通勤する風潮があります。「休むと同僚に迷惑をかけてしまう」、「休むと評価が悪くなる」という考えを持つ方が多いようですが、考えを変える必要があります。感染症に罹患した状態で出社すると、周囲へ感染させるリスクが高いため迷惑です。厚生労働省は「発熱等の風邪症状が見られるときは、学校や会社を休み外出を控える。発熱等の風邪症状が見られたら、毎日、体温を測定して記録しておく。」と述べています。どのような職種でも体調が悪い時は通勤しないで下さい。

マスク、ゴーグル、フェイスガード、アクリル板などを用いる

事業場内で防護具を用いることで、社内での感染予防に役立ちます

マスク

感染への効果

症状の有無に関係なく、全員がマスクを着用することで社内での感染拡大を防げます。感染予防効果は少しだけあるかもしれませんが、エビデンスは確立していません。
感染拡大の抑制効果
(本人が誰かにうつさない効果)
○
感染予防効果
(本人が感染しない効果)
?

不織布マスクvs布マスク

不織布マスクが無い場合は布マスクで代用できます。
感染拡大抑制効果不織布>布
製造業でのコンタミ予防効果不織布>布
再利用のし易いさ不織布<布
コストパフォーマンス不織布<布

企業におけるガイドラインの例

従業員は屋内、公共交通機関においてマスク着用を義務とする。 5-10月はマスク着用による熱中症のリスクが高くなるため、屋外では他者と1-2m以上の距離を確保した上でマスクを着用しない。 お客さまも当社内においてマスク着用を義務とする。

ゴーグル

感染への効果

直接の飛沫を防ぐ目的で用います。口と鼻がおおわれていないため感染拡大の抑制効果は無く、感染予防効果は限定的です。相手がマスクを着用していたり、距離が離れていれば飛沫が直接届き難いため不要と考えます。
マスクの併用が必須です。フェイスガードの併用は不要です。
感染拡大の抑制効果
(本人が誰かにうつさない効果)
×
感染予防効果
(本人が感染しない効果)
△

企業におけるガイドラインの例

従業員はマスクを着用されていないお客さまと接する可能性があり、お客さまとの距離が近い業務(1-2m目安)に就く場合、マスクとゴーグルの着用を義務とする。
お客さまの着用は義務としない。

フェイスガード

感染への効果

直接の飛沫を防ぐ目的で用います。ゴーグルと異なり口と鼻がおおわれていますが、下部が開放されているため、飛沫が飛散し、感染拡大の抑制効果は限定的です。下部が開放されているため予防効果も限られます。相手がマスクを着用していたり、距離が離れていれば飛沫が直接届き難いため不要と考えます。
ゴーグルを利用する際と同様にマスクの併用が必須です。ゴーグルの併用は不要です。
感染拡大の抑制効果
(本人が誰かにうつさない効果)
△
感染予防効果
(本人が感染しない効果)
△

企業におけるガイドラインの例

従業員はマスクを着用されていないお客さまと接する可能性があり、お客さまとの距離が近い業務(1-2m目安)に就く場合、マスクとフェイスシールドの着用を義務とする
お客さまの着用は義務としない。

アクリル板やビニールカーテン

感染への効果

直接の飛沫を防ぐ目的で用います。相手との空間を物理的に区切ることで口からの直接の飛沫を防ぐことができます。完全に空間を分ける物ではなく、拡散した飛沫を防ぐことはできないため、感染拡大の抑制効果と予防効果は限定的です。相手がマスクを着用していたり、距離が離れていれば飛沫が直接届き難いため不要と考えます。
ゴーグル、フェイスガードを利用する際と同様にマスクの併用が必須です。これらを用いる場合、直接の飛沫を防ぐ目的で用いるゴーグルやフェイスガードの併用は不要です。
感染拡大の抑制効果
(本人が誰かにうつさない効果)
△
感染予防効果
(本人が感染しない効果)
△

企業におけるガイドラインの例

オフィス内で隣の座席との距離が近い場合(1m以内)、机と机の間にアクリル板やビニルカーテンの設置をする。その業務に就く場合はマスクの着用を義務とする。
マスクを着用されていないお客さまと接する可能性があり、お客さまとの距離が近い業務(1-2m目安)に就く場合、アクリル板やビニルカーテンを設置する。その業務に就く場合はマスクの着用を義務とする。

使い捨て手袋

感染への効果

手指への病原体の付着を防ぐことができます。都度新しい手袋を利用することで感染拡大の抑制効果があります。手に傷が無い場合、手指から病原体が侵入することはほとんどありませんが、傷がある場合は感染予防効果もあります。ほとんどの事業場では手袋を利用せず、アルコールによる手指消毒や、手洗いで十分です。飲食業や保健福祉業ではお客さまの体液に触れる可能性があることから手袋の着用が望ましいです。
感染拡大の抑制効果
(本人が誰かにうつさない効果)
○
頻回交換する場合
感染予防効果
(本人が感染しない効果)
○
手に傷がある場合

企業におけるガイドラインの例

従業員はお客さまの体液に触れる可能性がある業務に就く場合、マスク、ゴーグル(もしくはフェイスシールド)に加え、使い捨て手袋の着用を義務とする。
手袋はお客さま毎に必ず交換する。
お客さまの着用は義務としない。

アルコールもしくは手洗いによる手指消毒

感染への効果

アルコールや手洗いにより手指の病原体を減らすことができます。アルコールは新型コロナウイルスへの効果はありますが、ノロウイルスへの効果はありません。
感染拡大の抑制効果
(本人が誰かにうつさない効果)
○
感染予防効果
(本人が感染しない効果)
○

企業におけるガイドラインの例

従業員は屋外から屋内に移動した際にアルコールによる手指消毒もしくは手洗いを義務とする。
お客さまも同様にアルコールによる手指消毒もしくは手洗いを義務とする。
手洗い時にはうがいを実施する。

アルコールもしくは次亜塩素酸ナトリウムによる共用部の消毒

感染への効果

ドアノブ、会議室の机、電話機、レジといった多数の人が接触する場所に病原体が長時間生存し続けます。一部のクラスターの原因は共用部の消毒が不十分だったことが原因です。担当者と時間を決めて、定期的に消毒をすることが大切です。当社のお客さまでは1日に2-3回消毒することが多いようです。
殺菌力はアルコールよりも次亜塩素酸ナトリウムが強いですが、次亜塩素酸ナトリウムは有害ガスが発生するため換気が必要だったり、皮膚に付着すると皮膚炎を起こし、金属を腐食させる作用があるため、アルコールのほうが使い勝手が良く、可能であればアルコールによる共用部の消毒をお勧めします。
感染拡大の抑制効果
(本人が誰かにうつさない効果)
○
感染予防効果
(本人が感染しない効果)
○

企業におけるガイドラインの例

各部署の衛生担当者は9時、12時、17時にドアノブ、会議室の机、固定電話、レジなどの共用部を所定の雑巾とアルコールを用いて消毒する。消毒後は管理簿に日付、氏名、消毒場を記載する。 次亜塩素酸ナトリウムで消毒する場合は、マニュアルに従って水道水で薄め、十分に換気し、消毒して30秒後に水拭きを行う。

換気

感染への効果

新鮮な空気を取り入れ、屋内の空気を排出することで病原体を減らすことができます。会議室を含め、常に換気をすることが理想ですが、難しい場合は1時間毎に5分を目安に実施して下さい。小学校の教室で灯油ストーブを利用していた時に1時間に1回、全ての窓を開けて換気していましたが、それと同様のイメージです。部屋の汚い物(病原体でも二酸化炭素でも)を無くすためには外気の取り入れが一番効率的です。
空気清浄機は病原体を十分に減らせず、屋内での感染リスクを十分に減らすことができません。加湿器はインフルエンザのように湿度に弱い病原体に効果がありますが、新型コロナウイルスは湿度に抵抗すると考えられており、効果は見込めません。5月から10月は熱中症のリスクが高くなるため、この時期に加湿をするとWBGTが上がるため、熱中症のリスクが高くなるため危険です。
気積が大きい部屋(労働安全衛生規則、事務所則では1人あたり10立方メートル以上の気積が必要と定められています)ではサーキュレーターや扇風機で気流の流れを作ることにより、病原体の濃度を減らすことができます。高さがある事業場で効果的です。
感染拡大の抑制効果
(本人が誰かにうつさない効果)
○
感染予防効果
(本人が感染しない効果)
○

企業におけるガイドラインの例

全ての部屋でドア、窓を開放する。
Pマークなどの関係でドアの開放が困難な部屋は、常に窓を開放し、ドアを1時間毎に5分開放する。
窓が無い部屋は、常にドアを開ける。

濃厚接触を防ぐ

「密」を避ける

濃厚接触者を生まないためには3蜜を避けることが大切です。密閉空間(換気の悪い密閉空間)、密集場所(多くの人が密集している)、密接場面(互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発声が行われる)という3つの条件が同時に重なる場は、感染を拡大させるリスクが高いと考えられています
3管理に分けて説明すると、作業環境管理の点では在宅勤務、時差通勤、換気、座席間隔を広げる、会議を減らす、会議の時間を短くする、会議の参加者を減らす、出張や会食を自粛するなど、作業管理では症状の有無に関係なくマスクを着用する、手指消毒(アルコール消毒、手洗い)を励行する、手洗い時にうがいをするなど、体調管理の点では起床時に検温し体調が悪い時は出勤しない、在宅勤務でも生活リズムを維持する、混雑する場所へ出歩かないことなどが該当します。新型コロナウイルス感染症だけでなく、インフルエンザなどの対策も同様です。

テレワークやフレックスタイムの活用

テレワークをすれば物理的に接触する人が減るため感染リスクが減ります。フレックスタイムを利用し、ラッシュアワーの公共交通機関を利用しないことで通勤時の濃厚接触を減らすことができます。
これらは通勤にかかるストレスを減らす点でもメリットがあり、今後はこれらを活用する企業が爆発的に増えと思います。

会議、出張、会食を減らす

これらを完全に無くすことは困難です。以下を参考に工夫して行うことが大切です。

会議

原則はテレビ会議にします。会議室を利用する場合、10名以内、気積は20m^3/人 以上、隣の座席は空席とし、人との距離は2m以上とします。会議の時間は30分以下とし、会議室の窓を開けます。

出張

国内外問わず不要不急の出張を禁止します。海外渡航の際には最新の現地の情報を外務省のWEBサイトなどで確認し、医療保険、アシスタント会社などの契約を行います。移動手段は比較的空気がきれいな飛行機の利用を検討します。

会食

不要不急の会食を禁止します。参加人数は10名未満、比較的大きな会場とし、立食パーティは避けます。

労働者や同居家族が感染者や濃厚接触者になった場合

発熱や風邪症状ある場合、同居家族が感染もしくは濃厚接触者の場合に通勤させないことが原則です。

労働者が感染した場合

労働者を休ませて下さい。労働者もしくは家族から会社に報告させて下さい。会社が所轄の保健所に連絡し、濃厚接触者の調査、職場の消毒などの指示を受けて下さい。
事業の継続や報道機関への対応について、保健所、産業医の意見に基づいて決めて下さい。

労働者が体調不良の場合

労働者を休ませて下さい。労働者もしくは家族から会社に報告させて下さい。新型コロナウイルス感染症の感染が確認されず、体調が回復した場合は会社判断で職場復帰をさせて下さい。
体調不良が続く場合は通院して下さい。通院先は近くのクリニックで大丈夫ですが、原則は電話で体調を伝えた後に通院をして下さい。
厚生労働省は「体調不良が4日以上続く場合、帰国者・接触者相談センター(保健所)に相談する。強いだるさや息苦しさがある場合、持病がある場合、50歳以上の場合は速やかに相談する」としています。
体調不良の一部に新型コロナウイルス感染症が含まれる可能性があります。しかし新型コロナウイルス感染症は無症状であったり、特異な症状が無かったり、PCR検査を容易に受けられないことから、新型コロナウイルス感染症の罹患を証明することは困難です。
コロナウイルスは風邪の10-20%といわれ、この一部が新型コロナウイルス感染症です。風邪以外でも胃腸炎、喘息、アレルギー性鼻炎などで風邪のような症状が出ることがあります。体調不良の一部が新型コロナウイルス感染症であるため、全てを新型コロナウイルス感染症に罹患した場合と同様に扱う必要はありません。もちろん企業判断で新型コロナウイルス感染に罹患した場合と同様に扱うことも可能ですが、風邪をひきやすくなる時期に大量の労働者が職場に来られないことになります。

労働者の同居家族が感染した場合

労働者を休ませて下さい。労働者から会社に報告させて下さい。

労働者の同居家族が体調不良の場合

労働者を休ませる必要はありません。念のため労働者から会社に報告させて下さい。
一番多いお問い合わせがこの状況の職場での対応についてです。コロナウイルスは風邪の10-20%といわれ、この一部が新型コロナウイルス感染症です。風邪以外でも胃腸炎、喘息、アレルギー性鼻炎などで風邪のような症状が出ることがあります。体調不良の一部が新型コロナウイルス感染症であるため、同居家族の体調不良の全てを新型コロナウイルス感染症に罹患した場合と同様に扱う必要はありません。もちろん企業判断で新型コロナウイルス感染に罹患した場合と同様に扱うことも可能ですが、風邪をひきやすくなる時期に大量の労働者が職場に来られないことになります。

労働者の同居家族が濃厚接触者の場合

休ませることが望ましいと思いますが、会社判断で判断して下さい。労働者が会社に連絡をして下さい。

複数の労働者に発熱、風邪症状が認められる場合

症状がある労働者が2-3名の時点では経過観察として下さい。同じ部署で3名以上、同じフロアで5名以上出た場合は会社から産業医や所轄の保健所に連絡して下さい。

職場での新型コロナウイルス感染症対策について困った場合

産業医、労働基準監督署、保健所へ相談して下さい。 当社が作成した新型コロナウイルス感染症についてのガイドラインをご利用下さい。
多くの企業で企業内の新型コロナウイルス感染症ガイドライン、社内通達を作成してきました。旅客船の乗客に対する業務のご依頼も承りました。お気軽にお問い合わせ下さい。

(参考)政府専門家会議がまとめた「新しい生活様式」の実践例

一人一人の基本的感染対策

感染防止の3つの基本(1)身体的距離の確保(2)マスクの着用(3)手洗い

人との間隔は、できるだけ2メートル(最低1メートル)空ける
遊びに行くなら屋内より屋外を選ぶ
会話をする際は、可能な限り真正面を避ける
外出時、屋内にいるときや会話をするときは、症状がなくてもマスクを着用・家に帰ったらまず手や顔を洗う。できるだけすぐに着替える、シャワーを浴びる
手洗いは30秒程度かけて水とせっけんで丁寧に洗う

移動に関する感染対策

感染が流行している地域からの移動、感染が流行している地域への移動は控える・帰省や旅行は控えめに。出張はやむを得ない場合に・発症したときのため、誰とどこで会ったかをメモにする・地域の感染状況に注意する

日常生活を営む上での基本的生活様式

まめに手洗い、手指消毒・せきエチケットの徹底・こまめに換気・身体的距離の確保
「3密」の回避(密集、密接、密閉)・毎朝体温測定、健康チェック。発熱または風邪の症状がある場合は無理せず自宅で療養

日常生活の各場面別の生活様式

買い物

通販も利用
1人または少人数ですいた時間に
電子決済の利用
計画を立てて素早く済ます
サンプルなど展示品への接触は控えめに
レジに並ぶときは、前後にスペース

公共交通機関の利用

会話は控えめに
混んでいる時間帯は避けて
徒歩や自転車利用も併用する

娯楽、スポーツなど

公園はすいた時間、場所を選ぶ
筋トレやヨガは自宅で動画を活用
ジョギングは少人数で
すれ違うときは距離を取るマナー
予約制を利用してゆったりと
狭い部屋での長居は無用
歌や応援は、十分な距離かオンライン

食事

持ち帰りや出前、デリバリーも
屋外空間で気持ちよく
大皿は避けて、料理は個々に
対面ではなく横並びで座ろう
料理に集中、おしゃべりは控えめに
お酌、グラスやおちょこの回し飲みは避けて

冠婚葬祭などの親族行事

多人数での会食は避けて・発熱や風邪の症状がある場合は参加しない

働き方の新しいスタイル

テレワークやローテーション勤務
時差通勤でゆったりと
オフィスは広々と
会議はオンライン
名刺交換はオンライン
対面での打ち合わせは換気とマスク



産業医業務のお問い合わせはこちら

産業医面談やメンタルクリニックの外来で「コロナうつ」に出会うことが増えてきました。お客さまやメディアからのお問い合わせが来るようになりました。
「コロナうつ」はコロナのニュースを見過ぎて心配になる(強迫性障害)、コロナにより仕事を失う(うつ病)、コロナで旅行などの趣味ができずストレスがたまる(適応障害)の3つに分類できます。

コロナうつとは

新型コロナウイルス感染症が広がる中で、コロナウイルスに関するメンタルヘルスの問題が増えています。産業医面談でもメンタルクリニックの外来でもコロナに関する相談が増えてきました。私はコロナうつと名付け、以下の3つに分類できることが分かりました。

コロナのニュースを見過ぎて心配になる方

一種の強迫性障害です

強迫性障害は特定のことが心配になり、生活に支障が出る病気です。強迫観念と強迫行為を持つことが特徴です。

強迫観念は「考え過ぎ」、「馬鹿らしい」と思える程に特定のことを心配する傾向のことです。例えば夕方4時半になると東京都から発表される新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が気になって仕事が手につかなくなったり、自宅で自粛生活を送っているのに家でもコロナウイルスにうつるのではという考えが頭の中を占めて家事ができなくなることがあります。強迫行為は強迫観念を打ち消す行動です。例えば手指消毒を一度に何十回も行ったり、マスクに隙間ができないように鏡で確認し続けて外出するまでに時間がかかることがあります。子供が家に帰ると、何時間もかけてシャワーで体を洗うような親御さんに出会ったことがあります。

確かにcovit-19は治療やワクチンが確立されておらず、見えない敵に対して不安を抱えることは分かります。しかし、考え過ぎたり、心配しすぎると、メンタル不調に至ることがあります。

産業医としての対応

心配し過ぎていることを繰り返し伝え、徐々に考えや行動を修正していくといった認知行動療法を中心に対応します。

テレビやネットニュースを見過ぎないようにアドバイスします。報道は視聴者を増やすために大げさな表現をすることが多く、時に事実とは異なる不適切なコンテンツがあるためです。1日3回、1回30分のテレビとスマホの使用を約束したり、徐々にその時間を短くすることなどを指示することもあります。

仕事や家事に多大な影響が出ている場合にはメンタルクリニックへの通院を勧めることがあります。

コロナにより仕事を失い、気持ちが落ち込んでいる方

一種のうつ病です

うつ病は気持ちの落ち込み、意欲の低下、睡眠障害、食欲不振などがあり、心身共に抑制される病気です。新型コロナウイルス感染症により仕事を失い、住宅ローンの返済、教育費の工面などができないといった経済的なストレスが原因で発症します。

リーマンショックの後は非正規雇用の雇い止めや、新卒採用が減ったことから、経済的なストレスを抱えうつ病になる方が増えました。当時のカルテには、患者さんの2人に1人に「リーマンショック」という言葉が書かれており、不況によりうつ病や自殺者が増加することが予想されます。

リーマンショックの後は非正規雇用の雇い止めや、新卒採用が減ったことから、経済的なストレスを抱えうつ病になる方が増えました。当時のカルテには、患者さんの2人に1人に「リーマンショック」という言葉が書かれており、不況によりうつ病や自殺者が増加することが予想されます。

産業医としての対応

ボーナスや残業代の減少によりにうつ病になっている方に出会うことがあります。減収は事実であり、本人の悩みを否定せず、悩みを傾聴するといった支持的精神療法を中心に対応します。

仕事や家事に多大な影響が出ている場合が多く、メンタルクリニックへの通院を勧めます。金銭面が原因の場合、職場環境の調整や医療での介入で解決できないことが多く、役所による福祉面で介入を提案することもあります。

コロナで旅行などの趣味ができずストレスがたまる方

一種の適応障害です

適応障害は特定のストレスにより、気持ちが落ち込んだり、イライラしたり、お腹が痛くなったりする病気です。ストレスが解決すると速やかに体調が回復する特徴があります。

趣味を大切にする方にとって、趣味ができないことは大きなストレスです。周りからは「そこまで落ち込むのか」、「どうしてイライラするの」と感じられても、本人にとって大きな悩みや苦痛であることがあります。価値観は人それぞれです。

産業医としての対応

支持的精神療法と認知行動療法を中心に対応します。ストレスがたまっていることは事実であり、否定せず、悩んでいることを傾聴します。

趣味以外の世界が見えにくくなっていること(視野の狭窄)を伝え、現在できることでストレス発散につながることを認知行動療法的にアプローチします。例えば「今なら過去の旅行の写真を整理できるのでは」、「今お金を貯めて、次の旅行で贅沢してみては」、「ご家族でNETFLIXをゆっくり楽しんでみては」などとアドバイスをします。

仕事や家事に支障が出ることが少なく、メンタルクリニックへの通院を勧めることは稀です。

産業医現場以外でのコロナうつ

医療現場で新型コロナウイルスに対応する医療者

新型コロナウイルス感染症の患者さんを診察する医師や看護師は自らが感染するリスクを背負い、多大なストレスを抱えながら働いています。医療者だけでなく、保健所の職員なども同様です。ストレスに心身が耐えきれずメンタル不調になる事例がでています。

時に医療者のお子様が保育園への通院を拒否されるといった差別を受けることでさらにストレスが増えることもあります。

新型コロナウイルスに感染した人

新型コロナウイルスに感染することで死を覚悟したり、回復への不安が生じたり、医療費や雇用の継続といった経済面のストレスを抱えメンタル不調になる事例が出ています。

残念なことに、退院後に自宅に嫌がらせをされることで、さらに心理的に落ち込むこともあるようです。

企業における新型コロナウイルス感染症の対応を行っています

当社では産業医業務を通じて企業内新型コロナウイルス感染症対策を行っています。企業における新型コロナウイルス感染症についてのガイドラインを作成したり、新型コロナウイルス感染症についての企業内での対応についてのコンテンツも用意しています。
クラスタが生じた事業場からのご依頼もいただいており、当社が関わった後に感染者が出ていません。

業界団体などからの新コロのガイドライン

各種団体から業界や業容に合わせたガイドラインが発表されています。 CDCのガイドライン
経団連の一般オフィス向けガイドライン
経団連の工場向けガイドライン)
全国スーパーマーケット協会などの小売業向けガイドライン
日本水商売協会の接客飲食店向けガイドライン
全国公立文化施設協会の劇場、イベント会場、映画館向けガイドライン

5月6日に政府専門家会議がまとめた「新しい生活様式」の実践例

一人一人の基本的感染対策

感染防止の3つの基本(1)身体的距離の確保(2)マスクの着用(3)手洗い

人との間隔は、できるだけ2メートル(最低1メートル)空ける
遊びに行くなら屋内より屋外を選ぶ
会話をする際は、可能な限り真正面を避ける
外出時、屋内にいるときや会話をするときは、症状がなくてもマスクを着用・家に帰ったらまず手や顔を洗う。できるだけすぐに着替える、シャワーを浴びる
手洗いは30秒程度かけて水とせっけんで丁寧に洗う

移動に関する感染対策

感染が流行している地域からの移動、感染が流行している地域への移動は控える・帰省や旅行は控えめに。出張はやむを得ない場合に・発症したときのため、誰とどこで会ったかをメモにする・地域の感染状況に注意する

日常生活を営む上での基本的生活様式

まめに手洗い、手指消毒・せきエチケットの徹底・こまめに換気・身体的距離の確保
「3密」の回避(密集、密接、密閉)・毎朝体温測定、健康チェック。発熱または風邪の症状がある場合は無理せず自宅で療養

日常生活の各場面別の生活様式

買い物

通販も利用
1人または少人数ですいた時間に
電子決済の利用
計画を立てて素早く済ます
サンプルなど展示品への接触は控えめに
レジに並ぶときは、前後にスペース

公共交通機関の利用

会話は控えめに
混んでいる時間帯は避けて
徒歩や自転車利用も併用する

娯楽、スポーツなど

公園はすいた時間、場所を選ぶ
筋トレやヨガは自宅で動画を活用
ジョギングは少人数で
すれ違うときは距離を取るマナー
予約制を利用してゆったりと
狭い部屋での長居は無用
歌や応援は、十分な距離かオンライン

食事

持ち帰りや出前、デリバリーも
屋外空間で気持ちよく
大皿は避けて、料理は個々に
対面ではなく横並びで座ろう
料理に集中、おしゃべりは控えめに
お酌、グラスやおちょこの回し飲みは避けて

冠婚葬祭などの親族行事

多人数での会食は避けて・発熱や風邪の症状がある場合は参加しない

働き方の新しいスタイル

テレワークやローテーション勤務
時差通勤でゆったりと
オフィスは広々と
会議はオンライン
名刺交換はオンライン
対面での打ち合わせは換気とマスク



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令和元年(2019年)に情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインが改定(令和3年にさらに一部改訂)されました。パソコンを使う業務においても作業環境管理、作業管理、健康管理を実施する必要があります。在宅勤務の者は対象外ですが、できる限り対象とすることが求められています。

VDT作業の健康診断は行政指導通達によって事業者に実施を求めているものであり、法令に基づくものではないため、義務ではありません。以下の業務に1日4時間以上従事する者が対象となります。下記以外で、自覚症状を訴える者も健診対象となります。指導勧奨によるものであり、VDT作業の特殊健診を受ける労働者は非常に少ないです(令和4年で受診労働者数195,868人、有所見者数16,043人)。

作業環境管理

作業環境

  • 室内はできる限り明暗の対照が著しくなく、かつ、まぶしさを生じさせないようにすること。
  • ディスプレイを用いる場合のディスプレイ画面上における照度は500ルクス以下、書類上及びキーボード上における照度は300ルクス以上を目安とし、作業しやすい照度とすること。
  • ディスプレイ画面の明るさ、書類及びキーボード面における明るさと周辺の明るさの差はなるべく小さくすること。
  • ディスプレイ画面に直接又は間接的に太陽光等が入射する場合は、必要に応じて窓にブラインド又はカーテン等を設け、適切な明るさとなるようにすること。
  • 間接照明等のグレア防止用照明器具を用いること。
  • その他グレアを防止するための有効な措置を講じること。

デスクトップ型機器

ディスプレイ
  • 目的とする情報機器作業を負担なく遂行できる画面サイズであること。
  • ディスプレイ画面上の輝度又はコントラストは作業者が容易に調整できるものであることが望ましい。
  • 作業環境及び作業内容等に適した反射処理をしたものであること。
  • ディスプレイ画面の位置、前後の傾き、左右の向き等を調整できるものであることが望ましい。
入力機器
  • マウスは、使用する者の手に適した形状及び大きさで、持ちやすく操作がしやすいこと。
  • キーボードのキー及びマウスのボタンは、押下深さ(ストローク)及び押下力が適当であり、操作したことを作業者が知覚し得ることが望ましい。
  • 必要に応じ、パームレスト(リストレスト)を利用できるようにすること。

ノート型機器

  • ディスプレイは外付けディスプレイを使用することが望ましい。
  • 入力機器も外付けの機器を用いることが望ましい。

タブレット、スマホ

  • 目的とする情報機器作業に適した機器を適した状態で使用させること。
  • 長時間、タブレット型機器等を用いた作業を行う場合には、作業の内容に応じ適切なオプション機器(ディスプレイ、キーボード、マウス等)を適切な配置で利用できるようにすることが望ましい。

ソフトウエア

  • 目的とする情報機器作業の内容、作業者の技能、能力等に適合したものであること。
  • 作業者の求めに応じて、作業者に対して、適切な説明が与えられるものであること。
  • 作業上の必要性、作業者の技能、好み等に応じて、インターフェイス用のソフトウェアの設定が容易に変更可能なものであること。
  • 操作ミス等によりデータ等が消去された場合に容易に復元可能なものであること。

椅子

腰、膝、かかとが90度が理想の体位を保てるようにする
  • 安定しており、かつ、容易に移動できること。
  • 床からの座面の高さは、作業者の体形に合わせて、適切な状態に調整できること。
  • 複数の作業者が交替で同一の椅子を使用する場合には、高さの調整が容易であり、調整中に座面が落下しない構造であること。
  • 適当な背もたれを有していること。また、背もたれは、傾きを調整できることが望ましい。
  • 必要に応じて適当な長さの肘掛けを有していること。

机又は作業台

肩に力が入らず、肘が90度が理想の体位を保てるようにする
  • 作業面は、キーボード、書類、マウスその他情報機器作業に必要なものが適切に配置できる広さであること。
  • 作業者の脚の周囲の空間は、情報機器作業中に脚が窮屈でない大きさのものであること。
  • 机又は作業台の高さは作業者の体形にあった高さとすること。

その他

  • 情報機器及び周辺機器から不快な騒音が発生する場合には、騒音の低減措置を講じること。
  • 換気、温度(17-28℃)及び湿度(40-70%)の調整、空気調和、静電気除去、休憩等のための設備等について事務所衛生基準規則に定める措置等を講じること。

作業管理

作業時間

  • 各人が自らの健康の維持管理に努めれば、大多数の労働者の健康を保持できることが明らで、作業態様が多様で、個人差が大きいことから一日の作業時間の上限は無い。
  • 一日の作業時間は情報機器作業が過度に長時間にわたり行われることのないように指導すること。
  • 一連続作業時間が1時間を超えないようにし、次の連続作業までの間に10分~15分の作業休止時間(休憩時間ではない)を設けること。
  • 一連続作業時間内において1回~2回程度の小休止(1-2分程度の作業休止で、時間を定めずに作業者が自由に取れるもの)を設けるよう指導すること。
  • 作業者の疲労の蓄積を防止するため、個々の作業者の特性を十分に配慮した無理のない適度な業務量となるよう配慮すること。

姿勢

作業姿勢
  • 座位のほか、時折立位を交えて作業することが望ましい。腰への負担は立位と比較して剤は1.5倍大きい。
  • 椅子に深く腰をかけて背もたれに背を十分にあて、履き物の足裏全体が床に接した姿勢を基本とすること。腰、膝、かかとが90度が理想の体位。
  • 十分な広さを有し、かつ、すべりにくい足台を必要に応じて備えること。
  • 椅子と大腿部膝側背面との間には手指が押し入る程度のゆとりがあること。
ディスプレイ
  • おおむね40cm以上の視距離が確保できるようにし、この距離で見やすいように必要に応じて適切な眼鏡による矯正を行うこと。
  • ディスプレイは、その画面の上端が眼の高さとほぼ同じか、やや下になる高さにすることが望ましい。
  • ディスプレイ画面とキーボード又は書類との視距離の差が極端に大きくなく、かつ、適切な視野範囲になるようにすること。
  • 作業者にとって好ましい位置、角度、明るさ等に調整すること。
  • 文字の大きさは、小さすぎないように配慮すること。
その他
  • マウス等のポインティングデバイスにおけるポインタの速度、カーソルの移動速度等は、作業者の技能、好み等に応じて適切な速度に調整すること。
  • ソフトウェア表示容量、表示色数、文字等の大きさ及び形状、背景、文字間隔、行間隔等は、作業の内容、作業者の技能等に応じて、個別に適切なレベルに調整すること。

健康管理

特殊健診の対象者

指導勧奨による特殊健康診断です。行政指導通達によって事業者に実施を求めているものであり、法令に基づくものではないため、義務ではありません。以下の業務に1日4時間以上従事する者が対象となります。下記以外で、自覚症状を訴える者も健診対象となります。指導勧奨によるものであり、VDT作業の特殊健診を受ける労働者は非常に少ないです(令和4年で受診労働者数195,868人、有所見者数16,043人)。
  • コールセンターで相談対応(その対応録をパソコンに入力)
  • モニターによる監視・点検・保守
  • パソコンを用いた校正・編集
  • デザイン
  • プログラミング
  • CAD作業
  • 伝票処理
  • テープ起こし
  • データ入力

特殊健診の内容

実施時期
  • 新たに情報機器作業を行う業務の配置前
  • 1年以内ごとに1回、定期的に
健診項目(配置前の項目、定期健診はほぼ同様)
  • 新たに情報機器作業を行う業務の配置前
  • 業務歴、既往歴、自覚症状(眼疲労を主とする視器に関する症状、筋骨格系の症状、ストレスに関する症状)、眼科学的検査(視力検査(遠見、近見)、屈折検査、自覚症状により目の疲労を訴える者に対しては、眼位検査、調節機能検査)、筋骨格系に関する検査(上肢の運動機能、圧痛点等の検査、その他医師が必要と認める検査)
監督署への届け出の必要あり
  • 現在の届け出用紙はガイドライン改定前のVDT作業によるものですが、厚労省はこれを利用して提出するよう指導しています。

別の資料で情報機器作業におけるガイドラインとストレスについて説明しています。


お問い合わせはこちら

令和元年に情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドラインが改定されました。平成14年のガイドラインにあった細かな作業区分が無くなり、特定の業務を4時間以上行う作業と、それ以外の作業の2区分となり分かりやすくなりました。 在宅勤務が一般的となり、事務所以外での作業についても言及されています。

ガイドライン改定の背景

職場におけるPC作業などの労働衛生管理は、平成14年の「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドラインについて」に基づく必要がありました。当時はスマホ(初代iphoneの発売は平成19年)を用いて仕事をすることは想定されておらず、一般的となった在宅勤務についても考慮されていませんでした。
多くの仕事がデジタル化されたことで情報機器作業従事者の増大しました。高齢労働者も含めた幅広い年齢層での情報機器作業の拡大、携帯情報端末の多様化と機能の向上、タッチパネルなどの入力機器の多様化、装着型端末(ウェアラブルデバイス)の普及が進み、令和元年に「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」という名前でガイドラインが改定されました。
パソコンなどのディスプレイがある情報機器についてVDT(Visual Display Terminals)といっていましたが、現在のガイドラインではこの名称を使わなくなりました。

情報処理作業とは

情報機器作業はパソコンやタブレット端末等の情報機器を使用し、データの入力・検索・照合等、文章・画像等の作成・編集・修正等、プログラミング、監視等を行う作業のことです。パソコンでプログラミングをする作業、スマホでゲームアプリのバグを探す作業、タブレットでお客さまの契約書を作成する作業は情報機器作業に当てはまります。
ガイドラインにおいて、対象者は就業形態に区別なく全員とされ、フルタイムの正社員だけでなく、アルバイトや派遣社員も含みます。事務所以外の場所において行われる情報機器作業についても事務所内と同様に労働衛生管理を行うべきとされています。
平成20年技術革新と労働に関する実態調査によると、情報機器を1日2-4時間作業する場合において、目の疲れ・痛み約90%、首・肩のこり・痛み約70%、背中の疲れ・痛み約20%、腰の疲れ・痛み約20%が生じ、作業時間が増えるほど症状が生じる割合が高くなることが知られています。
もちろん業務量の過多、裁量度の低さ、対人関係の悪さなどによって精神的な負担が強くなり、うつ病などの精神疾患との関連も認められます。

情報機器作業の作業区分

以前は①単純入力型(データ、文書等の入力業務)、②拘束型(コールセンターなどでの受注、予約、照会等の業務)、③対話型(文章、表などの作成、編集、修正等の業務、データの検索、照合、追加、修正等の業務、電子メールの受信、送信等の業務)、④技術型(プログラミング業務、CAD業務(コンピューターによる設計、製図))、⑤監視型(交通等の監視の業務)と作業時間によって作業区分を決めていました。今回のガイドラインでは以前のような細かい分類をせずに、特定の業務を4時間以上行う作業と、それ以外の作業の2区分となり分かりやすくなりました。
作業区分作業区分の定義作業の例
作業時間又は作業内容に相当程度拘束性があると考えられるもの(全ての者が健診対象)1日に4時間以上情報機器作業を行う者であって、次のいずれかに該当するもの
・作業中は常時ディスプレイを注視する、又は入力装置を操作する必要がある
・作業中、労働者の裁量で適宜休憩を取ることや作業姿勢を変更することが困難である
・コールセンターで相談対応(その対応録をパソコンに入力)
・モニターによる監視・点検・保守
・パソコンを用いた校正・編集
・デザイン
・プログラミング
・CAD作業
・伝票処理
・テープ起こし
・データ入力
上記以外のもの(自覚症状を訴える者のみ健診対象) 上記以外の情報機器作業対象者 ・上記の作業で4時間未満のもの
・上記の作業で4時間以上ではあるが労働者の裁量による休憩をとることができるもの
・下記作業で4時間以上のものを含む
文書作成作業、経営等の企画・立案を行う業務、会議や講演の資料作成を行う業務、経理業務、庶務業務、情報機器を使用した研究

情報機器作業の拘束性がストレスの原因

情報機器作業におけるストレスは「拘束性」という言葉で表されます。
画面からの情報を正確に得るために頭(眼)の位置が限定され、キーボードやマウスからの入力においては手の位置が固定される点で身体的に拘束されてしまいます。また、決められた時間内に処理すべき作業量が多い場合などには精神的な負荷となり精神的な拘束もあります。
「拘束性」が強いかどうかの判断は容易ではない場合があります。本人が気付かないことも多く、個人差も大きいため、情報機器作業については業務時間を含めた健康管理をきちんと行う必要があります。
別の資料で情報機器作業における作業環境、作業、健康管理について説明する予定です。


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衛生管理者は週1回、産業医は月1回の職場巡視が義務となっています。
巡視時に気になった場所についてはきちんと巡視記録を作成し、衛生委員会で審議することが望ましいです。巡視時には労働者から職場環境についての意見をくみ上げて下さい。事業者によっては職場巡視時の問題箇所をカメラで写真を撮り、改善後の写真と共に記録に残しています。

職場巡視の義務

衛生管理者は週1回、産業医は月1回の職場巡視が法律で義務となっています。安全管理者、衛生推進者、安全衛生推進者についても職場巡視は同様に義務となっていますが、頻度は定められていません。職場の安全や衛生を管理する担当する立場であり、少なくとも月1回以上の職場巡視が望ましく、当社では産業医の職場巡視と一緒に行うことをお勧めしています。

職場巡視の目的

職場巡視は職場の安全、衛生、健康に関する危険性や有害性(リスク)を把握、これらへの対策案を検討、対策を実行することです。この流れをリスクアセスメントといいます。
職場全体の雰囲気やリスクを把握することで終わらせずに、労働者が働きやすい環境を築いたり、労働災害が起らないように未然に対策をします。

職場巡視の方法

労働者が作業着や保護具など利用している事業場では同じような装備で巡視を行います。産業医などがきちんと保護具を装着して巡視すること自体が労働者への安全衛生教育としての意味合いを持ちます。また、産業医などが職場を知ろうとしているという熱意も伝わります。事業場によっては温度計、湿度計、騒音計などを持参し、職場環境を巡視時に測定できるようにします。
基本的には事業場全体を歩いて回って下さい。自動車や自転車で巡視をするよりも歩くほうが得られる情報が多いです。(旅行をする際にも歩いて街を回ったほうが、バスや自動車で観光するよりも気がつくことが多く、記憶に残りやすいことと同じです。)
巡視時にはそこで働く労働者に積極的に話しかけて下さい。「職場環境で困っていることはありますか?、「危ない場所はありますか?」などと聞きます。産業医などの顔を職場全体に知ってもらうという点でもメリットありますし、気がつかなかった問題点が出てくることもあります。

職場巡視記録の作成と委員会での審議

巡視時には必ず巡視記録を作成します。労働基準監督署から職場巡視について指導があることがあります。臨検時には巡視した証拠として巡視記録を提示して下さい。
当社では職場巡視記録などの見本を用意しています。 事業者によってはカメラで問題箇所を撮影し、対応前と対応後の状況を分かりやすく記録しています。守秘義務や情報漏洩の観点から産業医が自らのカメラ(スマートフォンを含む)で職場の写真を撮ることは不適切です。
毎月実施される衛生委員会で巡視記録について審議します。リスクアセスメントをし、誰がいつまでにどのように対策するかについて決めて下さい。


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